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ミュリのオリジナル小説連載コミュの黒潮学舎 絵里華の場合5

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「遅かったな。どうせロクに歩けなかったんだろう?」
一足先に講堂を出て行ったクソ親父がバスの最前列に座っていた。
「とりあえず、近くに座れ。」
オレはクソ親父の言葉にしぶしぶ従って親父の席の向かいの窓側の席に座った。すぐ隣に座らないのはオレの最後の意地だ。オレが席に座るのと同時に真美達もバスに乗り込んでくる。最前列に座っているクソ親父をみてみんな唖然としている。その気持ちはすごくわかるぞ。
「私も同じ飛行機で戻るのでね。すまないが、ご一緒させてもらうよ。」
いけしゃあしゃあと言うクソ親父にオレはあきれていた。完全に計画的犯行だろうが。
「普通にタクシーでも車でも用意すればいいだろう。」
オレは最大限に嫌みを込めてそう言ってやった。
「たまには経費節約もいいだろう?」
クソ親父も一筋縄ではいかない。経費節約しなくても組織は十分黒字なクセに。
「みんな席に座りなさい。もうすぐ出発だよ。」
クソ親父の言葉で、研修組は急いで席につく。しかし見事にオレとクソ親父が座っているエリアは避けられていた。沙樹とそれにひきずられた真美とミュリシスやシャレイルくらいしか近くに座っていない。真美は可哀そうにオレとクソ親父に挟まれていた。バスが空港に向けて出発するとクソ親父は真美に話かけた。
「田村真美君だね。絵里華や沙樹から話は聞いてるよ。」
話しかけられた真美はびくんっとなったがなんとか言葉を返した。
「お会いできて光栄です、総帥。」
そんな真美にクソ親父は微笑みかけながら
「そんなに緊張しなくてよいよ。君の組織入りを決定したのは私も同然だからね。友達のお父さん感覚で構わないよ。」
と訳がわからんことをぬかした。友達のお父さんってそういうものなのか?
「私の名前は川井幸治だ。本名はアンドリュー・ドゥ・イフェレスというのだがその名前は日本ではほとんど使っていないのでね。幸治おじさまとでも呼んでくれ。」
オレはクソ親父の言葉に半分驚いていた。クソ親父がここまで気を許す人間は滅多にいない。真美も驚きながら
「はい。」
となんとか返していた。
「アンドリューが本名まで名乗るのは相当気にいってる証拠だ。遠慮なくいろいろと甘えるといい。」
シャレイルがそう付け足す。真美はまだ冷や汗をかいてるようだった。
「シャレイル、いつもバカ娘がめんどうかけてすまないな。私の血もいつでも提供するから言ってくれ。」
クソ親父がシャレイルに話しかける。それに対してシャレイルは少しはにかんだ。
「ラフィーユに戻ったらミュリシスから追加をもらうから大丈夫だよ。そのかわりミュリシスの勤務シフトを少し調整しておいてくれ。かなり無理させてしまうだろうから。」
どうやらミュリシスからさらに追加で吸血するらしい。シャレイルの言葉にクソ親父は頷いて了承した。
「オレも絵里華と一緒に2-3日入院する予定だから。お見舞いに来てくれるかな、お姫様?」
ミュリシスは悪ノリ状態で真美に話しかける。ミュリシスには今回だいぶ負担をかけてしまった。
「すまない、ミュリシス姉様。オレのせいで苦労かけるな。」
オレが謝るとミュリシスはいたずらっぽく言った。
「オレはどっちかといえば役得なんじゃないかな?念のため入院するだけで、実際は気持ちいいことするだけだもん。」
確かにそういえばそうだけど、苦痛だって少しはあるわけで。何か申し訳ない気分でオレはいっぱいだった。
「まだまだお前は甘いということだな。ニ流組織の暗殺者に怪我を負わされるようではな。」
クソ親父がそんなオレにトドメをさしてくる。
「でもおじさま、絵里華は3対1でこの結果だったんだから、1対1なら絶対無傷でしたよ。」
沙樹が少しだけフォローを入れてくれる。たぶん1対1なら怪我をすることはまずなかっただろう。
「こちらもミュリシスとクリストファーを送りこんでおいただろう?ちゃんと数合わせはしたはずだ。」
クソ親父の言うことはもっともだ。結局オレの判断ミスなわけで。
「オレは後方支援にまわってたし、クリストファーも他の役割をしていたから実質は絵里華一人になっちゃったんだよな。それはオレらの作戦ミスか。」
ミュリシスが席を少し倒しながら言う。表にはださないがミュリシスも少し疲れがたまっているのだろう。
「まぁ結果オーライってことで、幸治叔父様。」
ミュリシスがにっこりと笑って言う。確かにクリストファーの美形パワーで沙樹や真美の系統に属していた少女(つまり美形に弱いってことだ)を組織に加えることができたし、相手組織の刺客も始末することができた。ミッションとしてはコンプリートだ。
「そういうことにしておこうか。なぁ、バカ娘。」
クソ親父の皮肉をオレはぷいっと横を向いて無視した。
「真美君には最初からはずかしいところを見せてしまったね。とりあえず私達親子はバカ娘、クソ親父と呼び合う仲なんでね。言葉遣いが悪くなったのは見逃してくれるとありがたいな。」
クソ親父のセリフにオレは昔のことを思い出した。オレが総帥を継ぐと決めたときにクソ親父から言われたのだ。優しく指導はできないから、せめて自分を憎めと。その憎しみを糧にして総帥への道を歩めと、オレはそう言われてクソ親父との今の関係を始めたのだ。
「そろそろ空港につくな。出発まで1時間半くらいあるからあわてなくてもよいよ。お土産を探したりカフェで休憩したりするといい。」
クソ親父の声にオレの意識は現実に引き戻される。バスの窓から外をみると、もう空港が見えていた。
「バスは僕達を降ろした後ラフィーユ本校に戻るから、荷物は忘れないようにするんだぞ。」
藤田先生の声が聞こえる。オレは荷物を簡単にまとめた。空港につくとクソ親父が真っ先にバスを降りた。オレは真美や沙樹達が降りてからゆっくりとバスを降りた。空港にいる一般人の視線がオレ達に集中するのがわかる。そりゃこんな外人だらけの集団だと日本のしかも地方では目立つよな。オレ達は視線の集中砲火を浴びながらもなんとか搭乗手続きを済ませた。一応オレの席は飛行機の一番前の席になっていた。
「真美、お土産みよう。」
沙樹が真美をひっぱって土産物売り場に向かう。オレやミュリシス、シャレイルもそれに続いた。土産物売り場でオレは姉貴や兄貴へのみやげを探す。オレの姉にあたる川井真紀子は組織では聖ラフィーユ大学付属病院の看護師をしている。兄貴はオレの秘書をしてくれていた。姉貴や兄貴は甘いものに目がないので、オレはお菓子の箱を数箱購入することにした。周りをみるとシャレイルも菓子箱を数箱抱えていた。なんか似合わない姿だ。
「シャレイル、医局への土産か?」
たぶんシャレイルが土産を持っていく先と言えばそれくらいしかないだろう。
「ああ、絵里華は真紀子と美聖にか?」
お互いレジに菓子箱をもって並ぶのはあまり似合わないと思う。
「そそ、姉貴も兄貴も甘いもの好きだからさ。特に姉貴は何か買っていかないと絶対機嫌悪いから。」
たぶん土産なしで帰ったら何かしらの報復をくらいそうな気がした。シャレイルもオレの考えがわかったのか苦笑する。みんなそれぞれ土産を買いこむと
「そろそろ搭乗口に行こうか?私達は優先搭乗だからね。」
というシャレイルの言葉で搭乗口にむかった。真美が自分のチケットを見ながら
「これって、ファーストクラス?」
と沙樹に聞いている。どうやら真美のチケットも前のほうの席だったようだ。
「違うわよ。プレミアムクラスって言うの。普通座席と違うとこと言えば、ちょっと座席が広くてジュースや軽食がついてて、スッチーが何分かおきに用事聞きに来るくらいかしら。」
沙樹が真美に座席のことを説明している。そういえばオレも普段の任務の時は組織専用機に乗らなければエコノミークラスの移動が多い気がする。たまにファーストで手配されてる時もあるけど、庶民感覚に慣れろとのクソ親父の方針でエコノミー率が高い。
「まさか、隣がまた総帥とかないよね?」
真美が心配そうに聞く。そりゃ二回も連続であの親父の横はだれでも嫌だ。
「大丈夫。真美の隣はあたしになってる。総帥の隣はね、絵里華だよ。」
沙樹がそう言ってオレのほうをちらっとみる。オレはわかっていた結果だったが少しむかついた。
「私はミュリシスの隣になっているな。」
ミュリシスと並んで歩いていたシャレイルがミュリシスのチケットを見ながら言う。
「結局オレが貧乏くじかよ。ま、予想はしてたけどさ。クソ親父のことだ、嫌がらせするに決まっている。」
オレは盛大にため息をつきながら言った。まぁ、どうせあきらめていたけどな。オレ達はぞろぞろと搭乗ゲートを通過する。目立つ団体はかなり警備員の注目をひいたが、武器も黒潮学舎の地下基地に返してきたので、当然検査にひっかかるものは持っていない。すんなりと全員が通過できた。搭乗者の待合室に入るとクソ親父がソファーに座って紙コップのコーヒーを飲んでいた。
「遅かったな、もうすぐ搭乗が始まるよ。」
クソ親父がちらっとオレの方を見てから言う。
「お土産選びに時間をくってね。みんな好みがうるさいから。」
そう言いながらシャレイルがクソ親父の隣にお土産物の紙袋を置いた。
「麻酔科はクセ者揃いだからな。あとは姫宮のところか。」
シャレイルのお土産はどうやら自分の所属する麻酔科第二医局と沙樹の両親のところにいくらしい。親父はコーヒーを飲み終えたらしく紙コップを握りつぶして近くのゴミ箱に捨てた。
「最小限のところしか配らないけれどね。それでも5箱くらい買ってしまったよ。」
シャレイルは笑いながらクソ親父に袋の中身を見せた。
「あたしもちゃんとお土産かったよー父様と母様に。」
続いて沙樹もクソ親父に自分の買った土産物を見せる。クソ親父はそれを見ながら微笑んだ。一通り二人の土産物を確認するとクソ親父の視線はオレに向けられた。
「絵里華、こっちに来なさい。」
有無を言わさない命令口調。オレは一瞬クソ親父を睨みつけたが、あきらめておとなしく指示に従う。
「隣に座りなさい。」
クソ親父に言われてオレは仕方なく言うとおりにした。
「飛行機の中で具合が悪くなっても困るからな。少しだけ力を使っておく。」
そう言うとクソ親父の手がオレの身体に触れた。オレは一瞬それを意地で拒もうとしたが、いつのまにかオレの背後に回っていたシャレイルに後ろから身体を抑え込まれてしまって身動きがとれなかった。クソ親父から流れ込んでくる癒しの力で、空港についてから少しずつ増加していたオレの不快感が軽減していく。1-2分くらいオレに力を注いでからクソ親父は手を離した。
「これで大丈夫だろう。羽田に迎えの車を手配してあるから、絵里華、シャレイル、沙樹、ミュリシスはそれを使うといい。」
クソ親父の言うとおり羽田まではなんとかのりきれそうだ。オレは悔しいながらも少しだけほっとしていた。
「真美君。」
オレへの手当を終えたクソ親父が真美に声をかける。真美は飛びあがらんばかりにびくっとしていた。
「は、はい。」
真美の声は完全に裏返っていた。気の毒に。
「真美君は私と一緒に帰ってもらってよいかな?君とはいろいろと話をしてみたいんだ。」
クソ親父の提案に真美が完全にパニックになってるのがみてとれた。
「ちゃんとクロノスタワーまで送るから。少しだけ私のわがままにつきあってくれないかな?」
クソ親父はまるで冗談を言うかのようにけっこうな難題をふっかけている。真美は返答に困っていたが、
「わかりました。あたしでよければ。」
となんとか了承を返していた。ま、拒否権なんか最初からないわな。
「よかった。断られてたらものすごくショックだったよ。」
クソ親父の言葉にオレはあきれた。完全に楽しんでやがるな。
「いいなー。あたしもおじ様と一緒に高級車乗りたいー。」
沙樹が残念そうに言う。オレも沙樹とクソ親父が一緒に帰ってくれた方がうれしいかもしれない。
「沙樹にはすまないが、うちのバカ娘を見てやってくれ。」
クソ親父は沙樹の頭を撫でながら言う。ただし横目でオレの顔をちらりとみながらだ。
「仕方ないなー。また今度乗せてね。」
そう言うと沙樹はオレのとなりにちょこっと座ってきた。そうしているうちに搭乗アナウンスが始まり、優先搭乗できるオレ達は先に席を立った。当然だがオレの席はクソ親父の隣なわけで、オレはしぶしぶとクソ親父の横の窓側の席に座る。真美達もそれぞれの指定された席についた。しばらくして藤田クラスのメンバーも飛行機に入ってくる。彼らはエコノミークラスのようだ。真美と会話を交わしながらみんなが後ろの方に消えていく。それをなんとなく見ているとクソ親父が話しかけてきた。
「今回の連続ミッションは疲れただろう。特別休暇をくれてやるから10日くらいは休むといい。」
それはクソ親父にしては珍しいことだった。いつもなら怪我が治り次第、前線復帰が当然だった。
「そもそも、疲れさすようなことしなければいいんじゃね?」
オレが嫌みを込めて言うと。クソ親父はふっと笑った。
「それでは意味がないんだよ。アメとムチのね。」
クソ親父の冗談とも本気ともとれない言葉にオレはむすっとする。やがて離陸のアナウンスが入り飛行機が動き出す。オレは離陸の瞬間かかってきたGに少しダメージを受けた。クソ親父はそんなオレの状態にすばやく気がついて安定飛行に入ると毛布と英字新聞をスッチーにオーダーして毛布をオレに渡す。
「羽田まで身体を休めていろ。これは命令だからな。」
クソ親父の言葉にオレは素直に従って座席を倒して毛布をかぶる。ちらりと親父をみると英字新聞を読んでいた。元々オレ達は日本人ではない。オレだって生まれはフランスだし、母親がイギリス人だったので基本母国語は英語とフランス語で育った。日本語は日本人だったひいおばあさまと沙樹達との会話と独学で身につけていったのだ。ラフィーユの教育のおかげかオレは世界各国の主要な言語はほとんど見につけていた。真美達のほうをちらっとみると楽しそうに会話している。オレはそれをすこしうらやましく思いながらも身体を休めることにした。飛行機は1時間ちょっとで羽田に到着する。休みらしい休みもとれずにオレは空港に降り立った。優先的に預けた荷物を受け取ると、真美が藤田クラスのみんなと話をする間ロビーのソファーに座っていた。オレは身体を休めた効果もあまりなく、けっこう体調が悪くなっていて肩で息をしている状態だった。息をするたびに傷のあった部分に痛みが走り、呼吸も苦しかった。
「すみません、おまたせしました。」
真美が藤田クラスのみんなと挨拶を終えて帰ってくる頃には、オレはギリギリな状態だった。
「気にしなくていい。無理を言ったのはこちらだからね。」
クソ親父がそう言って席を立つ。オレもなんとかそれについて立ち上がった。
「さて、オレ達の迎えはどこかな?」
ミュリシスが呑気そうに言って荷物を肩に担ぐ。
「少し歩かないといけないが堪えてくれ。さすがに正面に迎えの車をつけると目立ちすぎるからね。」
クソ親父がオレに残酷な現実をつきつけて先頭をきって歩き始める。てめー絶対わざとだろう。オレ達は親父の案内で空港のロビーを出て、空港のわりとはじっこのほうまで移動した。その道のりはオレにとって苦行以外の何物でもなかった。
「あれが迎えの車だよ。」
クソ親父がそう言って指差したところには黒塗りの高級車と聖ラフィーユ学園大学付属病院の所有している救急車が停まっていた。オレはクソ親父の采配に唖然としたが
「とりあえず、オレが救急車か。」
と諦めたように言った。
「横になれるからいいじゃん。もう限界でしょ?」
沙樹が言いながらオレの身体を支えてくれる。悔しいがそれは事実だった。
「そりゃあ、こんな距離を歩かされたらな。わざとなんだろう?クソ親父。」
オレはせめてもの嫌みをクソ親父を睨みながら言ってやった。
「よくわかっているじゃないか。しかし目立つといったのも本当だぞ。お前は衆人環視の中で救急車に乗りたかったのか?」
クソ親父も負けずに返してくる。オレはもう反論する気力もなく沙樹に支えられながら救急車に乗り込んだ。中のベッドに横になると、さっそく沙樹が嬉々として点滴の準備をはじめる。
「じゃあお姫様、お見舞い待ってるよ。」
ミュリシスがそう言いながら救急車のドアを閉めて、前の助手席に乗り込んでくる。ミュリシスが乗り込むと救急車はあの独特の音を出しながら発車した。
「じゃあルートキープして痛みどめ打っとこうか。」
沙樹の言葉にオレは諦めたように身体の力を抜く。
「私がルートをとろうか。血管の位置は見えるからね。」
シャレイルがそう言いながら太い針を準備する。シャレイルのヴァンパイアとしての能力なら血管を透視するのなんか朝飯前だろう。オレは観念して目をつぶった。
「じゃあ少しだけ痛いよ。」
シャレイルが言いながらオレの腕に針を刺す。痛みの感覚でオレはそれを把握した。針が刺さってしまうと痛みはないので、オレはほっとしたように目を開けた。
「沙樹、一番きつい鎮痛剤を。」
シャレイルの言葉で沙樹がアンプルをカットして注射器に吸い上げる。シャレイルがそれを受け取ってオレにつながっている点滴の側管から入れる。薬は速効性らしく、すぐにオレの痛みは和らいでいった。同時に軽い睡魔がオレを襲う。オレはその誘惑に素直に身を任せた。意識が戻ったのはどうやら病院についた時らしい。オレは横になっていたベッドごと救急車から降ろされた。
「気がついた?もうラフィーユに帰ってきたから安心よ。」
沙樹の声が微かに聞こえる。オレはなんとか薄目をあけた。
「処置室に運んで。」
シャレイルの声も聞こえたがオレは周りを確認する気力が残っていなかった。それでもなんとか移動する感覚だけは把握できる。どうやらERの処置室に運び込まれたようだ。
「かなり血液が溜まっているね、肺が多少圧迫されている。ドレーンで抜こうか。」
今度聞こえてきたのは何だか聞いたことある声だったが、だれの声かすぐには思い出せない。
「そのほうがいいかも。絵里華、麻酔薬入れるから眠ってなさいね。」
沙樹の声にオレはなんとか沙樹の声がする方向をちゃんとみてみる。沙樹がオレの点滴に注射器をなぐのが見えた。その記憶を最後にオレの意識は再び閉ざされた。

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