映画を語るコミュの「グロリア」

オレが入っているコミュの中でも、「レオン」に対する評価は高い。殺し屋と女の子の純愛が良いとか、アクションシーンが素晴らしい、とかラストシーンが悲しすぎる、とかね。。
別に映画の観方は人それぞれだから、とやかく文句を言うつもりはない、駄作が多いリュック・ベッソン作品群の中では出来が良い方だ、しかしこれを見ている人達の中でどれだけの人が本家「グロリア」を観ているのだろうか？
果たして「グロリア」を観た後で、「レオン」がそれだけ素晴らしい作品だと言えるのだろうか？
「グロリア」は故ジョン・カサベテスが愛妻ジーナ・ローランズを主演に迎えた作品である、当然ジーナ・ローランズの魅力が全開で「ロン・バケ」の山口智子の比ではない！！
しかし顔が綺麗でもピチピチで若い訳でもない、どちらかといえば顔はブスでしかもオバさんである、そんなオバさんが全編に渡ってハードボイルドな物語を展開してくれるのだ。
まず舞台について語ろう、ほぼリトルイタリーを中心に物語を展開していった「レオン」に対して、「グロリア」はマンハッタン全てを網羅している、自由の女神からヤンキースタジアムまでの空撮から始まり、車でミッドタウン～ダウンタウンに抜ける、追っ手をまく為に人口の多いダウンタウンから、縦横無尽に走る地下鉄で移動し、一度マンハッタンを脱出しながらも全てのケリをつける為に再度組織のボスのいるアッパーサイドへ戻っていく、つまり舞台がNYである必然性があるのだ。
さすがNY派の旗手といわれたジョン・カサベテスである。
（ちなみに「レオン」は別にパリやＬAでも成立する話だよ。）
激しい銃撃戦をクライマックスとした「レオン」に対し、「グロリア」はあくまでシンプル、昔の男である組織のボスを目の前にしても、一歩も引かずに交渉をする、「グロリア」の方が凄みがあり、観ているこちらまで緊張感が伝わってくる。
そして、家族を殺され自ら飛び込んでいった「レオン」のマチルダに対し、「グロリア」では友人である隣家から、この子を頼むと、託されて渋々引き受けるハメになる。
しかしこの時の約束を守る為に、彼女は命がけで守りきるのだ。死んだ友人に対する彼女は、男以上に男性的で、仁義を守り抜く素晴らしい主人公である。
なぜかプロの殺し屋のくせに何十発も銃を撃つ「レオン」に対し「グロリア」の一発は重く、確実に相手を打ち抜く、銃の腕前も彼女の方が相当上だな。
極めつけはラスト（ここ読んでいる人は「レオン」は観ているだろうからバラすよ）、自らの死をもって純愛を完結させた「レオン」に対し、「グロリア」は最後まで忠実に、友人から託された依頼を果たす、だからこそ、その後に待っていた墓場でのあのシーンが美しく感動的であるのだ。
「死」をもってラストとすれば、いくらでも感傷的なラストが作れるし余韻にも浸れる、しかし全編ハードボイルドに徹し本当の意味で愛を完成させた「グロリア」の方がより味わい深く、心にいつまでも残り続けるのだ。
さらに、終始寡黙で台詞の少ない「レオン」に比べ「グロリア」の台詞は気が利いている。６歳の保護する男の子と一緒に寝る時に「これまで寝たオトコの中でも最高だわ。」と言うのだ、う～ん痺れるね。音楽もビル・コンティのスコアが素晴らしい！！
１９８０年の逸品である。

コメント(3)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 03月21日 09:15

あのですね、これはまったくその通りです、
『グロリア』は絶対に『レオン』よりおもしろい！！
もちろん『レオン』も大好きだけども、個人的にリュックベッソンってプランナーとして素晴しいんですよ、だから映画監督というよりは映画のプランナーの方が向いてると思うんですね。

妹は『グロリア』も『レオン』も両方見ました、でも『レオン』の方がいいって言いますね
「多分女の子はレオンがいいって言って男の子はグロリアが好きだって言うよ」
う～ん、その通りかも…

[2] mixiユーザー 03月21日 19:19

「レオン」は女性客が劇場に詰めかけて大ヒットしました、少女とおじさんの純愛は劇映画で観ている分には最高のラブストーリーなんでしょう。（ジャン・レノはマーシーみたいだが・・）
「グロリア」はマザコンの多い男性に受けております、所詮男は年上のオンナに憧れるのですね。

要はその違いです。

[3] mixiユーザー 03月21日 21:16

マーシーって(笑)

年上の女の人に甘えたいカトキチくんなのであります。
そういった意味でもグロリア最高！！

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ