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野草料理「カンナカラの食」コミュの被曝医師・肥田舜太郎さんが語る『真実の原子力』

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肥田 舜太郎(ひだ・しゅんたろう)

1917年広島生まれ。1944年陸軍軍医学校を卒業、軍医少尉として
広島陸軍病院に赴任。1945年広島にて被爆。被爆者救援にあたる。
全日本民医連理事、埼玉民医連会長などを歴任。現在、全日本
民医連顧問、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長。自身の
被爆体験を原点に、被爆者治療と核廃絶運動に関わり続け、今も
なお各地での精力的な講演活動は続いている。
著書 『広島の消えた日―被爆軍医の証言』、『内部被曝の脅威
ちくま新書(541)』など。

***

被曝医師・肥田舜太郎さんが語る『真実の原子力』
http://www.youtube.com/watch?v=3p73GY19ZrY

みなさん、こんにちは。私は今ご紹介いただいた、肥田舜太郎
という内科の医者です。94歳ですから、あんまり、確かなよう
に話すことが出来ないかもしれませんが、みなさんに、みんな
が教えられていない、広島長崎原爆の本当の被害の中身を、
短い時間ですが、簡単に分かるようにお知らせをします。

ご承知のように原子爆弾は放射線のエネルギーを元にした
爆弾です。今までの日本、世界中の人々が持っていたどんな
兵器とも全く違う、放射線というものを燃料に使って爆発
させる。ですから、その被害を受けた人は、やけどをしたり
強い爆風で吹っ飛ばされたり、する被害の他に放射線が人間
の体を色々と壊します。

直接爆発した下にいた人は、いわゆるピカを浴びた人は、
頭の毛が抜けたり血を吐いたり、体に他の病気では出ない
紫色の斑点が出たり、特殊な5つの症状で直後に、頭の上で
爆発した放射線を浴びた人はたくさん死にました。

ところが、放射線は爆発したその町に残っていて、1つは、
地面の上に降り積もっていた放射線の粒子、粒を人間が
触ったり歩いて飛び立った誇りとして吸い込む。
また水源地が侵されて水の中にたくさんあるのを飲む。

それからあのきのこ雲という舞い上がったあの雲は、爆発の
時に参加しなかった生のままのプルトニウムとかウラニウム
という、放射線の粒があの中にいっぱい詰まっていて、
それがいっぺん成層圏まで舞い上がります。しかし小さな粒
でも重みがありますから、降ってくる。

だから後からオヤジを探しに街に入った四日後に妹や弟の
様子を見に入った、自分は爆発とも何の関係の無い人が後から
街に入ったために広島でも長崎でも今の意外では診断の出来
ない不思議な病気がおこって大変苦しみました。

それで大部分の被ばく者は、今から10年ほど前から今もそう
ですが、50年60年経ってから癌や白血病という悪性の病気で、
今、どんどん死んでいます。つまり、戦争の終りに被爆をした
人が、60年も生きて、その生きてる間も、健康で過ごせたので
はなくて、しょっちゅうお医者さんに行って入退院を繰り返す。

だけども病気の本体はよくからない。そういう事で苦しんだ人
が最後はがんや白血病で命を取られる、放射線はそういう性質
を持っているのです。

ところが落としたアメリカは直接ピカを浴びて、やけどをした
り大怪我をした人たちがそういう強い放射線で殺される、
これは隠すことが出来ないんで、そのまんま認めたんですね。

ところが後から街へ入った人が、今の医学ではわからないいろ
んな病気で苦しんだとうことを聞いても、それはその患者を
診た医者が、原爆のことを悪くいうためにデマを飛ばしている
んであって、体の中に入る僅かな放射線は全然害がない、と
いうことを、広島から爆弾を落としてから1ヶ月と2日目、
9月8日の日に、アメリカのあの爆弾を作ったグループの一番TO
Pの人から2番目という偉い軍人が来て、まだマッカーサーが
日本へ上陸する前に焼け残った東京の帝国ホテルの前に、外国
から来ているジャーナリストを集めて、つまり微量な放射線は
体に入っても何にも害はないんだということを世界に向けて放
送をし、日本の政府に向けてもそれを承知しろと。

で、広島・長崎で被害をうけた被ばく者は、アメリカの軍事機
密である原子爆弾の秘密の一部を自分の体で知ったわけだから、
これはアメリカの軍事秘密だから絶対に人にしゃべってはいけ
ない、それから書いて残してもいけない、もちろん写真や絵で
書いてもいけない、もし違反した物は厳罰に処すと、占領政策
に最初にそれを日本で宣言したんですね。

だから広島・長崎で被ばくをして、兄弟も親もみんな死んじゃ
った、財産も亡くなった、行き場もない、そこら辺で倒れて
寝っ転がっていたたくさんの被ばく者が、私は広島・長崎で原
爆を浴びてとても今困っています、助けて下さいっていうこと
が言えなくなった。

これはアメリカが日本に原爆を投下したことも大変な罪悪です
けれども、それにもまして、戦争が終わって、自分の落とした
爆弾で、医学でなおしようもないという大変な病気を追ってい
る被ばく者に生きる道を閉ざすような大変悪いことをアメリカ
はしました。

それは自分だけが持っている原爆という新しい爆弾の秘密が、
よその国に漏れることを非常に恐れたからです。

みんなも知ってるように、アメリカ軍は戦争が終わってから7年
間、アメリカの鉄砲を持った兵隊で、実際に軍事占領をしまし
た。私たちは戦争で負けた上に、食べ物もない、家も焼けてな
い、という中から日本の国を新しく作るために一生懸命働きま
した。

私は医者ですから、自然に被ばく者をたくさん見ることになり
ます。

日本の医者の殆どはアメリカの言う事をそのまま信じて、後か
ら街へ入った被ばく者が、かったるくて動くことが出来ない、
他はなんともないんだけども、元気で働いていたら、ある日突
然、大変なダルさがおこって会社へ行けなくなった。3日も4日
も続いてやっと軽くなったから会社に行ったら、その翌月また
同じことがおこって、要するに会社や工場で働き続けることが
出来ない、という患者がいっぱい出たんですね。

ところが日本の医者は、大学の教授から街の先生から、特に広
島長崎の医者はみんなそうでしたが、アメリカから特に被ばく
者を一生懸命診るような医者は、なにかアメリカに含むところ
があると考えると、睨む、お前たちはそういう意味でアメリカ
から目をつけると言われて、被ばく者を親切に診るということ
も困難になった。

つまり、他国の軍隊に占領されて、自分の国の政府も役人も何
の役にも立たなくなった、そういう状態に、私たち日本人は一
度、7年間苦しみを味わいました。

私は銀座で、酔っ払ったアメリカの兵隊が数人で、公然の場所
で、女性をレイプする現場を見たことがあります。日本の警官
がそばに立ってても、ちょっとでも手をつければ、その場で殴
り殺される、そういう占領を我々は受けたのです。

しかも、今の医学では全く診断も治療もできない、新しい原爆
病という病気、この病気の患者を研究をすることも、日本の学
者は、禁じられました。

日本の政府は、困っている被ばく者をなんとか生活させるため
に法律を作ってなんとか援護をするということも禁じられまし
た。彼等は日本アメリカの軍事機密を知っているまだ敵性の国
民なんだと。それを日本の政府が特別に面倒をみることは許さ
ない、こういう占領が続いたのです。

でもそれは7年前に終わりました、しかし、その直後、皆も知
っている日米安保条約というアメリカがおこす戦争には日本が
全力を上げてこれを助ける、そういう今の安保条約という条約
ができて、日本の政府は今でも、日本を守ってくれるアメリカ
の核兵器が不利になるような運動を一切してはいけない。まだ
今の政府はそういう方針を持っています。

私が皆さんに言いたいのは、放射線の、皆さんは今度東北で福
島の原発が事故を起こして、たくさんの人が今、家にも帰れな
い、せっかくいたら外へ出て行けって言われるような目に、今
あってます。原発から漏れてく、放射線も、原子爆弾でみんな
が浴びる放射線も、放射線はおんなじものなのです。全然違わ
ないんです。

プルトニウムとウランという2つの放射線分子を燃料にして熱を
作って電気を起こしている。だから事故を起こしてこれを止め
られない。

皆さんはエネルギーを沢山知っています。一番、目にするのは
火ですね。これはエネルギーですね。ところがこれはマッチの
火はもみ消せば消える。ライターもスイッチをこすれば消えて
しまいますね。あらゆるエネルギーは、他のエネルギーは、消
すことが出来ます。

ところが放射線のエネルギーは絶対に消すことができないんで
すね。あれだけの事故を起こしたあの原子力発電所も、あそこ
で燃やしたウラニウムという原料がそのまま熱を持って燃え続
けるのを消すことが出来ないんです、人間には。

そういう難しいエネルギーを普通にはそこら辺にはないのを、
無理やり特別な化学の方法で無理やり引っ張り出した。引っ張
り出したことはいいけれども、最初に使ったのは人殺しの爆弾
に使ったと。そしてその機械が戦争が終われば、工場はそれを、
もう作り続ける必要が無くなっちゃう、なんとか使えないかっ
て言うんで、無理やり電気を起こす機械にして世界に売ったわ
けですね。それを買った、買わされた日本が飛びついて、それ
で電気を起こし始めた。

事故が起きなけりゃいいですよ。でも今度みたいに一変事故が
起こったら、もうどうしようもないんだ、あれ。埋めちゃうわ
けにもいかん。海へ放り込むわけにもいかん。どうしようもな
いんだ。出っぱなしですあれ。放射線が。だからあれはごくわ
ずかだけれども、ずーっと毎日朝から晩まであの工場の屋根か
ら上へ空中へ出て行く。水の中にも出る。それはなくなりませ
んから。貯まるんです。どんどんどんどん。

だから東北のあの工場の真上に、ドンドン出る放射線はそのま
ま風に乗って好きなとこへ行きます。そして地面に降る。降っ
たら地面に留まって、そこはもうお米も作れない。商売には使
えません。第一、そのそばへ行けば被ばくをします。

そういうふうに今、東北は、日本の国が東北という部分だけ、
破壊されてしまっと。極端に言えばそういう状態が今起こって
いる。

ところがテレビに出てきて、知ったような解説をする学者がた
くさんいます。彼等は放射線を作る側、あの放射線を作るのは
簡単には出来ないんですがね、だからアメリカから今、ウラニ
ウムを買ってきて、やってるわけだけれども、あれを作る側の
学問をやってきている人がでてるんですね。あそこへ。

ところがこの放射線が人間にあたったときに、それが人間がど
んな変化を起こすかってのは何にも知らないんです、彼等は。
だから直ちに心配なことはおこらない。そりゃそうですよ、今
日被ばくしたら明日病気になる、そんなことはないんだ。

でももう現に東北では、下痢が始まっています。さっき此処に
出られた被ばく者の方が、お母さんも、妹も、弟も自分も下痢
が始まったとおっしゃいました。

最初の症状の一つに下痢が始まります。でこれは今の普通のお
薬では止まりません。だからわたくしが一番心配してるのは、
あの今、東北で本当に苦しみぬいている、長く住んでいる家か
ら遠い不便なところへ行って、隣の人とはボール紙一枚で仕切
られたところで、もう1ヶ月以上生活してるんですねえ。

でこの人達がなめた苦しみは、今のところは不便なところで寝
てるっていうことで、年寄りが病人が、いろいろ死なれたり、
病気が悪くなったりしてられるけれども、元気な者も含めて、
放射線の病気が始まってくるのは、おそらくこの秋から来年の
春にかけて、たくさん出てくるだろうと、わたくしは想像して
います。

でも、ま、仮に病気になった人を私の病院に入れて、この人の
今の下痢は放射線の影響ですということを証明する学問がまだ
ないんです。これが泣き所です。

だから人をああいう目にあわせて殺した側は、完全犯罪だよね。
30年後に癌で死んで私はあの時にあの被ばくをしたから、この
病気になったんだ、なんぼ言っても、証拠を挙げられないんだ。
今の医学は、それを見つけるところまでまだ行ってないんだ。

理由は、簡単なんです。あの放射線のつぶの大きさはね、皆さん
が持っている定規の一番小さなメモリは1ミリメートルです。そ
の1ミリメートルの60億分の1というのがウラニウムの粒の直径
なんです。これが体の中に入って悪さをする。

今の医学は、人間の体を分解して細胞という一番小さな命の単
位のところで病気を見つける。これの60億分の1のところで今
病気を起こしてるということは、それを見つける方法を持って
いない。だから治す方法もなければ、消すことも出来ないとい
う、特別なエネルギーをなんで選んで日本人の国の中で電気を
起こさなきゃならないのかということなんだ。

みんなは知らないからあの方がたくさん電気が起こるんだとか、
他の奴より、地球の空を暖かくしない、温暖化を防ぐからとか
うまいこと言われて何となく、それで出来る電気で恩恵を受け
てのうのうとしてるけれども、敦賀の原発の1つが今もし事故
を起こせば、広島はひとたまりもなくその影響の中に入ります。

だから、私たちはもちろん核兵器はもう作ってもいけないし、
使ってもいけないという運動をします。だけどもこうなってみ
れば、原発だってもう許すことは出来ない。私たちの仲間の日
本人が事故を起こせば、何百万人という人が今東北で苦しむ。
あの姿は皆さんの明日ではないということは誰も言い切れない。

だから放射線というものはまだ人間が自由にコントロール出来
ないエネルギーなのですから、これはもう掘り出すことをやめ
る、もちろんこれを使うこともやめるということが、人類が全
体で長生きするためには、世界中がこれをやらなくてはいけない。

政府は、あの原発の事故を起こしたところから、20キロ、30キ
ロのところの人は悪いけど立ち退いてください、やっといいま
したね。

アメリカはこのニュースを聞いたときに、日本にいるアメリカ
人に80キロ離れたところへ逃げろということをアメリカは言っ
てるんですね。もう翌日もうそういう発表している。それから
フランスもドイツも日本に派遣している特派員、これは12日の
朝には、本国から、大阪まで逃げろと、東京のとこは全部そう
言われています。

つまり、それだけ逃げていなければ、お前の将来はあぶないよ
ということを、フランスもドイツもアメリカもよく知ってるから、
ちゃんとそういう放送をするんですね。

日本政府はひと月経ってやっと、20キロ30キロのところを、恐
る恐るあんた向こう行ってください、なんてとぼけたことをや
っている。つまり何にも知らないんですよ、日本の政府は。金
儲けだけを考えている。

だから、私は今日わざわざ、広島へ此処へ来て、この中には山
口県の新しくできる原発の反対に協力している若い方が、いっ
ぱいいると聞きました。私も広島陸軍病院にいたときに、上関
の婦人たちの健康診断を頼まれて、一度あの当時は村でしたけ
ど、あそこへ行ったことがあります。穏やかな非常に景色のい
いお魚の美味しいところですね。

その漁場を追われて、今、本当にに真剣になって、中電来るな、
電気会社に反抗して頑張っています。とうとう力負けしてだん
だん向こう方が有利になっているようですが、今度の事件が
あったので、会社が強引に進めるのを、ちょっと今、休んでる
ようですね。

だからこれからの日本の国民の闘い方一つで、日本の国から、
原発は追い出すことはわたくしはできると思っています。そし
てそういう力を集めて、核兵器を絶対に世界からなくす。

皆さんはのん気な顔をしてるけど、今の政府民主党の議員の中
にも、日本が原爆を持てという議員がもう60%を超えてるんで
すね。日本が核兵器を持って、もう一度他所の国と喧嘩をする
と、いうことを考えている議員が全体の議員の中で50%をもう
超えてるんですね。

だからみなさんがこれから、これからの自分たちの生涯、これ
から皆さんが持つ子ども、孫、その上に放射線の恐ろしさや不
安を絶対にさせないような国にこの国を作り変える、これがわ
たくしが一番大切な事だと思っています。

どうも長いことご苦労さま。

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