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rufu's room るふの広がる部屋コミュの【37】rufu's room//2009-08-12[スポーツ] 一人寂しき

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2009-08-12[スポーツ] 一人寂しき



一人寂しき

今は「朝青龍・白鳳」ひと昔は「貴乃花・曙・武蔵丸」
私の世代はなんといっても「千代の富士」!
子供時代は「輪島・北の湖」、私の親の時代は「大鵬」「柏戸」・・・。
ちなみに、上記中のある元横綱と私は遠い親戚に当たる。

私の記憶内での名横綱は、やはり千代の富士と北の湖だ。
私の中で、千代の富士は最強の狼、北の湖は憎まれ怪物。
この両者には朝青龍や白鳳も及ばないであろう。

さて、第35代横綱「双葉山」を知っているだろうか。
前人未到の69連勝を打ち立てた「昭和の四強・大横綱」の一人。

 ※昭和の四強・大横綱=双葉山・大鵬・北の湖・千代の富士の4人。

双葉山は戦前の力士なので勿論取り組みは見たことがないが、高校時代の恩師から
しつこい位その強さを聞かされた。
四股名の「双葉山」は「栴檀は双葉より芳し」からつけた。

(前置きが長くなったが)
この双葉山が連勝中の場所後、後援会の紹介で当代随一の作家・吉川英治と
会食する機会があった。同席のひいき客から「横綱へ何か一言」と
懇望された吉川英治は、筆をとって

 「江戸中で 一人寂しき 勝相撲」

と色紙に書いた。
それを食い入るように見つめていた双葉山の目は、みるみるうちに
涙で溢れ、堰を切ったように大粒の涙を流した。

連戦連勝に沸くひいき客の歓声に包まれながら、
右目の失明のハンディを隠して全力士を向こうに回し、
一人黙々と戦う名横綱の胸中を、作家の目はしっかりと見据えていたのである。

大相撲は勿論のこと、プロスポーツ界には、余人が踏み込めない心の領域があるのだろう。

 吉川英治もまた、小学校しか出ていない苦労人で、艱難辛苦を経て世情に通じていたのである。説明不要の「心」が通じていた。

そして逆に、人間は相手が自分のことを心底思っているかどうかも、
本能的に敏感に察知するらしい。
人の心の底の「懊悩(おうのう)」は、深い慈愛の眼差しのみが
捉えるものであろう。


参考)
吉川英治『勝負師の涙』

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