![[dir] 生野陽子](https://logo-imagecluster.img.mixi.jp/photo/comm/82/20/3488220_244s.jpg){kind=logo}
この作品を讀む時に、この音樂を聞きながら鑑賞して下さい。
これは自作（オリジナル)の
『Motion１(Anether version) 曲 高秋 美樹彦』
といふ曲で、YAMAHAの「QY１００」で作りました。
映像は豊中市の天竺川にある、
『墓所』
へ出かけた時のものです。
横にある公園の桐の木は見事なものです。
雰圍氣を味はつて戴ければ幸ひですが、ない方が良いといふ讀者は聞かなくても構ひませんので、ご自由にどうぞ。
映畫(えいぐわ)『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』を觀(み)て
五月十日の木曜日は久々の休日で服部緑地へ散歩に出かけ、その足で江坂の古本屋で本とＤＶＤを購入した。
そのＤＶＤ中に『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』といふのがあつて、この映畫は所謂「怪獣映畫」で、この手のものは『キングコング(King Kong)』が有名で、日本だと『ゴジラ』や『ガメラ』が代表的な作品だらう。
『キングコング』や『ゴジラ』は第一作目はどちらも傑作で、『ガメラ』は金子修介監督のものが優れてゐると思つてゐる。
その外にも傑作は多く、例へば『モンスター・インザ・クローゼット』やケネス・プラナア監督でロバアト・デニイロ主演の『フランケンシユタイン』などがあるが、これらはいづれも『大魔神』のやうに恐がらせたり怪獣退治を目的とした勸善懲惡的なものではなく、深い主題(テエマ)に裏打ちされた作品となつてゐる。
これらの詳細については別の機會に譲るとして、
『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』
の感想を述べれば、ＤＶＤのカバアの表には自由の女神が破壊されて首がなく、裏には瓦礫に埋れた道路に自由の女神の首が崩れ落ちてゐるのを見てそれほど期待は持てなかつたのだが、いきなり色調調整(カラアバア)の映像から始まり、日附けなどのテロツプで手持ち撮影機(カメラ)の映像だと觀客に理解させ、物語は全篇これで押切られる。
こんな風なドキユメンタリイ映畫は歴史が舊(ふる)く、といふか初めて撮影されたものは物語的なものではなく風景などが主だつたらうから、虚構の作品よりも記録こそが黎明期の主流だつた筈である。
物語(ドラマ)が映像の主流になつてから、撮影の手法としてドキユメンタリイ的なジユウルズ・ダツシン監督の『裸の街』や黒澤明監督の『野良犬』とかジヤン＝リユツク・ゴダアル監督の『勝手にしやがれ』などがあり、映像の振れをものともしないデニス・ホツパア監督の『イージーライダー』や、逆にそのブレを眞實味(リアリテイ)の手段として利用した深作欣二監督の『仁義なき戦い』があり、最近ではダニエル・マイリック及びエドゥアルド・サンチェス兩監督の『ブレア・ウィッチ』などがあるが、この映畫もなんの變哲もない日常を手持ちカメラで淡々と捉へる事で、それが如何に貴重な時間であるかを突然の怪獣の出現によつて崩潰(ほうくわい)する事で更に効果的にそれを教へるのである。
この怪獣が何處から來て何處へ行かうとしてゐるのかは不明で一種の不條理ドラマとなつてゐるが、この怪獣の正體(しやうたい)はありふれた日常を崩潰に導く所有(あらゆる)障碍(しやうがい)であると言へ、それは例へば、「交通事故」や「病氣」、或は「自然災害」だつたり「戰爭」や「福島の原發事故」だつたり、もつと解り易く言へば死を司(つかさど)り總ての人から日常を奪ふ『死神』そのものの象徴であると言へるだらう。
冒頭のホオムビデオ風の映像で、一夜を過した朝のベツドに寢てゐる彼女に近づくカメラの映像とか、電車で彼女から撮影を窘(たしな)められても撮り續けられる映像とか、この二人の一日を撮影した上に、副社長に出世して日本へ行く主人公を送るパアテイの爲にそのビデオで重ね撮りする。
扱ひ方がうまくなくて、停止しても再生してしまつて時々前の映像が映り、慌てて録畫ボタンを押してパアテイの映像になる。
さうしてゐる内に、いきなり地響きと轟音が襲つて來る。
それが次第に怪獣が現れたといふ事が明らかになつて行き、街が潰滅して行く映像と怪獣が映し出されて逃げ惑う人々の中を何とか拔け出す。
最後になんとか橋の下に逃れるが、この映像を殘つた後に見られる事を予測して二人がレンズに向つて喋りかける。
と同時に橋が崩れて二人の上に落ちて映像が途切れる。
すると何かに當つたのか重ね撮りされる前の退屈な日常とも言へる、しかし本當(ほんたう)はそれがとても貴重だと知らされる時間の映像が映し出される。
それは觀覧車での二人の今日一日の感想で、彼に凭れかかつた彼女が微笑みながら一言發して映像が切斷される。
「今日は良い日だつた」
二〇一二年五月十日午前５時二十分店にて
これまでの映畫の感想記事
映畫(えいぐわ)『告白』を觀て
http://
映畫「カムイ外傳（ぐわいでん）」に見られる原作と映畫の比較
http://
これは自作（オリジナル)の
『Motion１(Anether version) 曲 高秋 美樹彦』
といふ曲で、YAMAHAの「QY１００」で作りました。
映像は豊中市の天竺川にある、
『墓所』
へ出かけた時のものです。
横にある公園の桐の木は見事なものです。
雰圍氣を味はつて戴ければ幸ひですが、ない方が良いといふ讀者は聞かなくても構ひませんので、ご自由にどうぞ。
映畫(えいぐわ)『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』を觀(み)て
五月十日の木曜日は久々の休日で服部緑地へ散歩に出かけ、その足で江坂の古本屋で本とＤＶＤを購入した。
そのＤＶＤ中に『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』といふのがあつて、この映畫は所謂「怪獣映畫」で、この手のものは『キングコング(King Kong)』が有名で、日本だと『ゴジラ』や『ガメラ』が代表的な作品だらう。
『キングコング』や『ゴジラ』は第一作目はどちらも傑作で、『ガメラ』は金子修介監督のものが優れてゐると思つてゐる。
その外にも傑作は多く、例へば『モンスター・インザ・クローゼット』やケネス・プラナア監督でロバアト・デニイロ主演の『フランケンシユタイン』などがあるが、これらはいづれも『大魔神』のやうに恐がらせたり怪獣退治を目的とした勸善懲惡的なものではなく、深い主題(テエマ)に裏打ちされた作品となつてゐる。
これらの詳細については別の機會に譲るとして、
『クローバーフィールド(CLOVERFILD)』
の感想を述べれば、ＤＶＤのカバアの表には自由の女神が破壊されて首がなく、裏には瓦礫に埋れた道路に自由の女神の首が崩れ落ちてゐるのを見てそれほど期待は持てなかつたのだが、いきなり色調調整(カラアバア)の映像から始まり、日附けなどのテロツプで手持ち撮影機(カメラ)の映像だと觀客に理解させ、物語は全篇これで押切られる。
こんな風なドキユメンタリイ映畫は歴史が舊(ふる)く、といふか初めて撮影されたものは物語的なものではなく風景などが主だつたらうから、虚構の作品よりも記録こそが黎明期の主流だつた筈である。
物語(ドラマ)が映像の主流になつてから、撮影の手法としてドキユメンタリイ的なジユウルズ・ダツシン監督の『裸の街』や黒澤明監督の『野良犬』とかジヤン＝リユツク・ゴダアル監督の『勝手にしやがれ』などがあり、映像の振れをものともしないデニス・ホツパア監督の『イージーライダー』や、逆にそのブレを眞實味(リアリテイ)の手段として利用した深作欣二監督の『仁義なき戦い』があり、最近ではダニエル・マイリック及びエドゥアルド・サンチェス兩監督の『ブレア・ウィッチ』などがあるが、この映畫もなんの變哲もない日常を手持ちカメラで淡々と捉へる事で、それが如何に貴重な時間であるかを突然の怪獣の出現によつて崩潰(ほうくわい)する事で更に効果的にそれを教へるのである。
この怪獣が何處から來て何處へ行かうとしてゐるのかは不明で一種の不條理ドラマとなつてゐるが、この怪獣の正體(しやうたい)はありふれた日常を崩潰に導く所有(あらゆる)障碍(しやうがい)であると言へ、それは例へば、「交通事故」や「病氣」、或は「自然災害」だつたり「戰爭」や「福島の原發事故」だつたり、もつと解り易く言へば死を司(つかさど)り總ての人から日常を奪ふ『死神』そのものの象徴であると言へるだらう。
冒頭のホオムビデオ風の映像で、一夜を過した朝のベツドに寢てゐる彼女に近づくカメラの映像とか、電車で彼女から撮影を窘(たしな)められても撮り續けられる映像とか、この二人の一日を撮影した上に、副社長に出世して日本へ行く主人公を送るパアテイの爲にそのビデオで重ね撮りする。
扱ひ方がうまくなくて、停止しても再生してしまつて時々前の映像が映り、慌てて録畫ボタンを押してパアテイの映像になる。
さうしてゐる内に、いきなり地響きと轟音が襲つて來る。
それが次第に怪獣が現れたといふ事が明らかになつて行き、街が潰滅して行く映像と怪獣が映し出されて逃げ惑う人々の中を何とか拔け出す。
最後になんとか橋の下に逃れるが、この映像を殘つた後に見られる事を予測して二人がレンズに向つて喋りかける。
と同時に橋が崩れて二人の上に落ちて映像が途切れる。
すると何かに當つたのか重ね撮りされる前の退屈な日常とも言へる、しかし本當(ほんたう)はそれがとても貴重だと知らされる時間の映像が映し出される。
それは觀覧車での二人の今日一日の感想で、彼に凭れかかつた彼女が微笑みながら一言發して映像が切斷される。
「今日は良い日だつた」
二〇一二年五月十日午前５時二十分店にて
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映畫(えいぐわ)『告白』を觀て
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映畫「カムイ外傳（ぐわいでん）」に見られる原作と映畫の比較
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