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お好み焼 味幸コミュの映畫「カムイ外傳(ぐわいでん)」に見られる原作と映畫の比較

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映画を論じる時、映画と原作とは同じではないので、それとの比較にどれ程の意味があるのかは不明だが、有名な原作を映画化しやうとする以上、一から製作するよりも、観客動員数が見込まれるので、批判の度合いが厳しくても、有名税だと思つて、甘んじて受けて貰はう。


 處(ところ)で、原作と映画ではどちらが優れた作品になるかといふ問題があつて、これは好みもあるかも知れないが、大體(だいたい)、一方が優秀であれば、もう一方がそれ程でもないといふ場合が多く、どちらも出來が良かつたといふのは、知る限りでは「風の谷のナウシカ」ぐらゐしか思ひ浮かばない。


 映画を成功させたといふのは、大勢の観客が動員されたといふ事と同じなのだと思はれるのだが、では、どうすれば観客動員数が増えるかといふと、それは大變(たいへん)難しい問題で、一口には言へない。
 けれども、映画製作で利益を上げる方法としては二つの手段があつて、一つは少ない予算で完成させる事と、もう一つは有名で話題の原作を映画化する事で、丁度、この「カムイ外傳(ぐわいでん)」がそれに當る訳である。


 で、映画「カムイ外傳」であるが、原作のある作品で氣をつけなければならない事があつて、それは言ふまでもなく、原作を讀まなければ映画が理解出來ないといふ風にはせず、映画の中だけで完結されてゐなければならないと言ふ事である。


 多くの映画作品がそこで躓(つまづ)いてゐるやうに思はれるのだが、それ以
外でも、原作を讀んだ人に、原作と違ふ設定や新しい登場人物(キヤラクタア)による違和感を、どこまで自然な形で受け入れさせるかといふ技量が、監督に要求されるのである。


 映画のなかで、スガル(小雪)とカムイ(松山ケンイチ)の関係が原作と違つて、「抜忍」スガルと「追忍」の少年カムイとの闘ひがあり、それから逃れて十数年後、同じやうに「抜忍」となつたカムイとスガルとの出会ひがあつて、原作と違つてゐる事に問題はないのだが、カムイと互角の腕を持つスガルが、あつさり毒殺されてしまふのは、原作との比較を考へれば、充分に納得出來るものではない。


 スガルの夫(小林薫)の漁師にしても、カムイとスガルに助けられてからは、何だか生き生きとしたものが感じられず、画面の片隅に追ひやられてしまつてゐる。


 新たに書き加へられた殿様(佐藤浩市)と、奥方?(土屋アンナ)の登場には、何故必要なのか解らず、特に土屋アンナの役には時間稼ぎとしか思はれないやうに感じられた。


 白土三平の作品は、デビユウ當時(たうじ)から殘酷な描冩(べうしや)がある事で評判だつた。
 「不動」に對(たい)する酷(むご)い仕打ちは、映画では原作のやうには表現出來ず、復讐に對する怨みの深さが、充分ではなかつたやうに感じられた。


 映画としては、十點滿點中(じふてんまんてんちゆう)、六點(ろくてん)といふ處(ところ)か……。



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