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Bitter & happinessコミュの3 −高1・冬−

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初めての高校で初のクラス担任である、数学担当の香川先生。
この人にあったことを私は今でも運命だと思う。

隠していたけれど、きっと年は25歳位かな。もちまえの明るさと生徒と年齢も近い為、人気があった。

彼女が他の先生と違うところ、それは生徒から“人生相談”を受けることだった。
本人はそんな気はなかったみたいだけど、昼休みや放課後なんかは引っ張り凧のようにあちこちに顔を出してた。

そして私は先生に相談をする一つの事件がその年の冬に起きた。

そう、世間でよく耳にする“いじめ”というものだ。
私はそのターゲットにされていたのだ。

なんで?当事者にそんなのはわからない。そもそも理由なんてないのかもしれない。
日増しに“アンチ私”が増えて、クラスにはほとんど居場所がなかった…。


靴がなくなる。
机がない。
みんな無視する。
酷いときには通学用のバックにこれでもかってくらいの泥が入っていたこともあった。

毎日泣いた。泣いて泣いて、このまま止まらないんだって思うくらい。
でも私は、自分の弱さと誰かにすがろうとする気持ちが嫌だった。
けれど香川先生はそんな時、優しい言葉をかけてくれた。


放課後、西日が差し込む教室で、先生は私の席の隣に座る。

『山崎さん、学校はどう?』
『…嫌いです』
泣いているのを見られるのが嫌で、俯きながらそう答えた。
『そっか。困ったなぁ…』

先生が綺麗に染められたマロンブラウンの髪の毛を掻き分けた時、窓から注ぐ夕日の光と私の涙でより綺麗に輝いた。

スーツのポケットをガサゴソと探ると、私に右手を差し出した。

『なんですか?』
『チョコレートよ』
『そんなもの…』と言いかけた時、口を塞ぐように先生はまじめな顔で話し始めた。

『山崎さん。私はね、どうしてあなたが今、辛い境遇に立たされているかは知らないわ。だから、頑張れ!なんて無責任なことも言えない。
でもね、私の意見で少しでもあなたが救われればいいと思う。
だから今から話すこと、ちょっとだけ耳を傾けてもらえるかな?』

と、改まって椅子に座り直し、私を見つめて言った。

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