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Bitter & happinessコミュの6 −ライブ−

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−PM2:55
   駅前、駒沢公園−

遅刻しそうで猛ダッシュしたにも関わらず、待ち合わせ場所に陽介の姿はなかった。
沢山のちびっ子と数名のマダムが休日の余暇を楽しんでいる。

ユキは滴る汗をハンドタオルで拭い、出発前の髪形にセットし直していると、3時きっかりに陽介はトボトボやってきた。


『うぉっ!ユキっ!!眉毛ねぇーぞ!?』

『エ゛ェ゛〜!?ホント!!??』

鏡を取り出すと、そこに変身前の自分が映し出される…

『うわっっ!!落ちちゃったよぉ〜……』

まだ6月だというのにまるで夏がさきどりしたかの様な灼夏の下で、ユキはせかせかと眉毛作りをした。

ライブは地元のライブハウス『CARION』で行われる。3時半スタート。大型のライブだ。十数バンドが出るらしい。ジークレインはそのトップだ。


予定外のロスで、もちろん開演には遅刻。
今日2度目の猛ダッシュによりユキの眉毛は2度目の消失をした。
(だいたい30分前に待ち合わせっていうのがマチガイだよね…)

入場を済ませ、ドリンクを取りに行った時、頂度1曲目が終わり、メンバーが自己紹介をするところだった。

『ってか山崎有紀じゃねっ??』


……
どこかで聞いた声と話し方。

『聞いてんのー?無視とかやめろよなぁー』


やっぱりだ。振り向いた先には中学の時、隣の席だった西野康太がそこにいた。
西野康太…
康太…
コウタ…
コータ………!!!!

『あ゙あぁぁ〜っ!!』

『あー違った!どうもこんにちわ。モ・モ・コさん☆』

『ぅ、うるさぃ!なんであんたがここにいるのよ!?』

『やだなぁ。ライブに決まってるでしょ?ラ・イ・ブ☆ジークは俺には神様みたいなもんですから〜』


隣で不審そうにコウタを見てる陽介はおいておくとして
『と、とりあえず、私達は忙しいから…また今度ねっ』

『はぃはぃ〜、それでは失礼させていただきます〜、お二人さん☆』

ニタニタ笑いながら手を振ると、コウタは群集の中に消えていった。


サ、サイアクだ…。よりにもよってコウタに会うとは…。

『だれ?』
陽介が肩をポンっと叩きながら耳元で呟くと、

ギクっ!!…(=_=;)
反射的に身体がエビ反りになる。

『ははぁ〜、ユキのその焦り具合から見ると、元彼ってとこかぁな?』


ギクギクっっ!…(=_=;)
さっきの汗とはまた違うものが全身から吹き出すのがわかった。

『ははっ!お前ってわかりやすっ』

『ち、違うの!!今はなんにも関係ないんだからね!』
自分から元彼だと言ってしまった様なものだ。

『わかってるよ、ユキはまたぐような娘じゃない。そんな器用でもないしね(笑)』

って言ってくれた。よかった…、疑われたんじゃライブどころじゃなかった。

CARIONのキャパは150人。きっとこの辺のライブハウスでは1番大きいだろう。
だから憧れる人も沢山いる。
ジークレインは結構ここで演奏することが多いから、地元では沢山ファンがいる。
私も陽介も…多分、コータも…(=_=;)そのうちの一人だ。


たった少しの時間だけれど、彼らが魅せる最高の作品。
ジークの奏でる音の一つ一つが、
メロディを刻む言葉の一言一言が
ライブハウスの観客の鼓動と一つになる…。

ラストの歌が終わると、部屋の中はその日1番の歓喜に包まれた。


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