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静かな墓地。コミュの花化粧

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「今日はお買い物しなくて良いのかな・・・。」

それでも、おじいさんはいつものように出かけました。

いつもと違う道・・堤防の急斜面を登りました。

花を一輪。丁寧に摘み取って・・。

土手の上は、いろんな人が通り過ぎました。

笑った数だけ幸福がそこにあると言うのでしょうか・。

憎しみの無いお花畑はどの方角にあるんだろう・・。

河原の公園から子供たちの笑い声。

風に乗って「帰りましょ」の音楽が聞こえてきました。

それを合図に、心もとない足取りで家に向かって歩き出しました。

「ただいま〜〜」

何も状況は変わっていませんでした。

いつもと同じように、おばあさんは眠っています。

ただ、今朝から一度も呼びかけに応えてくれないのです。

「起きておくれ・・。ご飯をたべなけりゃ・・」

何も状況は変わっていません。

摘んできた一輪の花をおばあさんに・・。

振り絞るようにおじいさんは言いました。

「ありがとう・・。許しておくれ・・」

おばあさんに左手で腕枕、
右腕で細くなったおばあさんの肩を抱くように寄り添いました。

それから一度もおじいさんは外に出ませんでした。
いいえ、ずっとおばあさんに寄り添ったままでした。

そのままの姿で一緒に遠いところに逝ってしまったのです。

最後に見た夢はきっといつかのお花畑。

花櫛さした少女と、その傍で幸福ないつかの自分自身。

花化粧から茶色くなった葉が落ちました。

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