|
|
|
|
コメント(6)
『ようこそ、難民！』 〜 100万人の難民がやってきたドイツで起こったこと 〜
小泉みね子・著 合同出版（2018年）
著者の小泉みね子さんは、1990年からドイツ・フライブルクに永住、ヨーロッパの環境政策・対策について執筆・講演・調査、動植物や環境問題に関する英語・ドイツ語書籍の翻訳をされています。何年か前に、児童書をきっかけに著者のことを知り、何冊か続けて読み、目を開かされる思いがしました。先日図書館で久しぶりに小泉さんの著書を見つけ、借りて帰りました。
著者が住むドイツには、2015年から2016年にかけて、120万人ともいわれる難民がおし寄せました。
この本では、当時、そしてその後の2年間に、ドイツでどんなことが起り、ドイツ市民がどんなことを体験し、感じ、考え、実行したのかを、実際にあったできごとや事件をモチーフにして、物語風に書かれています。
小学校高学年から中学生向けの児童書になっていますが、児童書は大人にとっても格好の入門書の役割を果たしてくれます。著者の本はいつも、大切なことをしっかりと、しかもわかりやすく書かれていて、大好きです。
以下、これまでに出会った本の題名です。過去の≪元気な本棚≫でご紹介した本もあります。
『みみずのカーロ シェーファー先生の自然の学校』合同出版（1999年）
『6000000000個の缶飲料 町をかえたマリーとF組の子どもたち』合同出版（2001年）
『森の幼稚園 シュテルンバルトがくれたすてきなお話』共著、合同出版（2003年）
『クルマのない生活 フライブルクより愛をこめて』白水社（2008年）
小泉みね子・著 合同出版（2018年）
著者の小泉みね子さんは、1990年からドイツ・フライブルクに永住、ヨーロッパの環境政策・対策について執筆・講演・調査、動植物や環境問題に関する英語・ドイツ語書籍の翻訳をされています。何年か前に、児童書をきっかけに著者のことを知り、何冊か続けて読み、目を開かされる思いがしました。先日図書館で久しぶりに小泉さんの著書を見つけ、借りて帰りました。
著者が住むドイツには、2015年から2016年にかけて、120万人ともいわれる難民がおし寄せました。
この本では、当時、そしてその後の2年間に、ドイツでどんなことが起り、ドイツ市民がどんなことを体験し、感じ、考え、実行したのかを、実際にあったできごとや事件をモチーフにして、物語風に書かれています。
小学校高学年から中学生向けの児童書になっていますが、児童書は大人にとっても格好の入門書の役割を果たしてくれます。著者の本はいつも、大切なことをしっかりと、しかもわかりやすく書かれていて、大好きです。
以下、これまでに出会った本の題名です。過去の≪元気な本棚≫でご紹介した本もあります。
『みみずのカーロ シェーファー先生の自然の学校』合同出版（1999年）
『6000000000個の缶飲料 町をかえたマリーとF組の子どもたち』合同出版（2001年）
『森の幼稚園 シュテルンバルトがくれたすてきなお話』共著、合同出版（2003年）
『クルマのない生活 フライブルクより愛をこめて』白水社（2008年）
他の欄に掲載していたものですが、同じシリーズをまとめて本欄に紹介することにしました。
シリーズ 〜 おはなしSDGs 〜より 講談社（2021年）
��『この指とどけ』― すべての人に健康と福祉を
村上しいこ・作 山田花菜・絵
��『明日香さんは負けない』― 人や国の不平等をなくそう
福田隆浩・作 藤本たみこ・絵
��『サクラの川とミライの道』― 住み続けられるまちづくりを
稲葉なおと・作 中村至宏・絵
“SDGs”とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)のことです。
『明日香さんは負けない』を読んだことをきっかけに、この、“SDGs”をテーマにした児童書のシリーズが出版されていることを知り、このシリーズの他の本も少しづつ読んでいるところです。
SDGsとは、世界中の国々、企業、人々が、あらゆる垣根を越えて協力し、よりよい未来をつくるために国連で決まった１７の目標（ゴール）のことです。「おはなしSDGs」は、物語をとおして、SDGsのことをわかりやすく伝えるシリーズです。
現代を代表する一流の児童文学作家によって書かれ、物語を味わいながら、SDGsへの理解が深まります。さらに、物語の背景を、事実によって裏付けされたグラフや図表によって学習できます。イラストもたっぷり、巻末の解説でSDGsのそれぞれのゴールについて、くわしく解説されています。
SDGsについては、昨今テレビや新聞などで取り上げられるようになりましたが、このシリーズに触れていくうちに、あいまいにしか理解していなかったことに、あらためて気づかされました。今も、たくさんの発見が続いています。
登場人物と一緒になって、一喜一憂しながら読んでいるうちに、あたたかい気持ちになりました。まずは知ることから。学校の学習ばかりでなく、広く読まれてほしい本です。
〜 おはなしSDGs 飢餓をゼロに 〜
�◆愾�れトラック、ねがいをのせて！』森埜こみち・作
小松良佳・絵 講談社（2022年1月）
“SDGs”とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を意味します。世界中の国々、企業、人々が、あらゆる垣根を越えて協力し、よりよい未来をつくるために国連で決まった１７の目標（ゴール）のことです。「おはなしSDGs」は、物語をとおして、SDGsのことをわかりやすく伝えるシリーズです。
現代を代表する一流の児童文学作家によって書かれ、物語を味わいながら、SDGsへの理解が深まります。さらに、物語の背景を、事実によって裏付けされたグラフや図表によって学習できます。イラストもたっぷり、巻末の解説でSDGsのそれぞれのゴールについて、くわしく解説されています。
本書は「食」の問題を物語形式で書かれています。
人口が増え続けている地球。今でも飢餓に苦しむ人々がたくさんいるのに、この先どうなるのでしょう。
「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」ということばが出て来ます。世界16カ国の研究者からなるグループが提示した食生活の目安のことです。この食生活を続けることで、個人の健康維持と、世界の人が食べものに困らなくなるシステムを作ることが期待されています。
値崩れして出荷できなくなり、泣く泣く廃棄しなくてはならないという野菜を、子ども食堂に貰ってもらったり、フードバンク（余った食品を集めて、必要な人のところに届けてくれる団体）に受け入れてもらったりすることも出来ます。
主人公の少年少女たちと一緒になって、自分たちの身近な問題として考え、気づいていくきっかけになる良書だと思いました。大人にとっても、児童書は格好の入門書の役割を果たしてくれます。広くおすすめしたい本です。
�◆愾�れトラック、ねがいをのせて！』森埜こみち・作
小松良佳・絵 講談社（2022年1月）
“SDGs”とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を意味します。世界中の国々、企業、人々が、あらゆる垣根を越えて協力し、よりよい未来をつくるために国連で決まった１７の目標（ゴール）のことです。「おはなしSDGs」は、物語をとおして、SDGsのことをわかりやすく伝えるシリーズです。
現代を代表する一流の児童文学作家によって書かれ、物語を味わいながら、SDGsへの理解が深まります。さらに、物語の背景を、事実によって裏付けされたグラフや図表によって学習できます。イラストもたっぷり、巻末の解説でSDGsのそれぞれのゴールについて、くわしく解説されています。
本書は「食」の問題を物語形式で書かれています。
人口が増え続けている地球。今でも飢餓に苦しむ人々がたくさんいるのに、この先どうなるのでしょう。
「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」ということばが出て来ます。世界16カ国の研究者からなるグループが提示した食生活の目安のことです。この食生活を続けることで、個人の健康維持と、世界の人が食べものに困らなくなるシステムを作ることが期待されています。
値崩れして出荷できなくなり、泣く泣く廃棄しなくてはならないという野菜を、子ども食堂に貰ってもらったり、フードバンク（余った食品を集めて、必要な人のところに届けてくれる団体）に受け入れてもらったりすることも出来ます。
主人公の少年少女たちと一緒になって、自分たちの身近な問題として考え、気づいていくきっかけになる良書だと思いました。大人にとっても、児童書は格好の入門書の役割を果たしてくれます。広くおすすめしたい本です。
講談社から出版されている「おはなしSDGs」シリーズ全18巻。最初は何冊かだけのつもりだったのですが、思いのほか良くて、全シリーズを読むこととなりました。
「おはなしSDGs」シリーズについては、前にその中からいくつかの作品を２回に渡って紹介しましたので、あわせてご覧ください。
これからの未来を担う世代に向けた、SDGsテーマの児童書シリーズが「おはなしSDGs」です。おはなしを楽しみながら17のゴール（18巻目は、「総集編・SDGs全体について知ろう」）を理解することができる童話作品で、学校図書館向けのセット販売では注文数１位（※）を記録するなど、教育現場でも高い支持を集めています。
今の時代を生きる子どもたちが、学校の授業で当たり前のこととしてSDGsについて学んでいるということを知り、大人たちも遅れていては恥ずかしいと気づかされました。
＊写真は左から、�ァ悗垢群阿里垢討�な春原さん 〜ジェンダー平等を実現しよう』、�А慳瓦糧�電ってなんだろう？ 〜エネルギーをみんなに そしてクリーンに』、�亜慂刃造僚�神さまへ 〜平和と公正をすべての人に』
一つだけ、心に引っかかったことがあります。
��『未来を変えるレストラン 〜つくる責任 つかう責任』は、レストランのシェフを夢見る少女を主人公にして、食品ロスの問題、捨てないで大切に工夫して調理に生かすことなどを、考えさせるストーリーです。でもなぜか納得できないものがあり、どうしても引っかかってしまいます。家庭で毎日作る料理と、家族のやりとりなどをとおして考えさせるストーリーなら、より身近なこととして受け止められるのではないかと思いました。
洋食のレストランより、日本の家庭料理を登場させた方がよかったのでは。和食が世界文化遺産になり、良さが見直されています。そんなことも視野に入れて、ストーリーを考えてほしかったと思います。
『魔法の泉への道』 リンダ・スー・バーグ／作
金 利光／訳 あすなろ書房（2011年）
1985年、スーダン南部。内戦で故郷を追われた少年サルヴァ。
2008年、スーダン南部。家族のための水汲みで、一日が終わってしまう少女ナーヤ。
物語では、この二人の話が交互に出てきます。安全な土地を求めて、長い過酷な旅を続けるサルヴァ。命をつなぐ水さえも得ることが困難な日々。一方、ナーヤの暮らす村の人びとも、水が得られないために、過酷な日々をおくらなければなりませんでした。
この二人が、どこでどう繋がるのか･････。
水を得ることが困難な状況で生きていくことが、どれほどのことか。頭でわかっているつもりでも、本当はピンと来ていないのです。本書で、二人の日々を追体験するというかたちで、やっと自分の身に引き寄せて感じることができたように思います。
この本は、サルヴァ・ドゥットさんの実体験を元に書かれたということです。困難を乗り越え、今、故国の人びとを救う役割を全力で担っておられるサルヴァさんのことを知ることが出来て、本当に良かったです。
今も世界では難民があふれ、行き場を求めてさまよい、ボートが転覆したりして、多くの人たちが亡くなる悲惨な現実が後を絶ちません。
若い人たちに、是非出会ってほしい一冊です。
本書は＜外国の児童書＞の欄でも紹介しています。
金 利光／訳 あすなろ書房（2011年）
1985年、スーダン南部。内戦で故郷を追われた少年サルヴァ。
2008年、スーダン南部。家族のための水汲みで、一日が終わってしまう少女ナーヤ。
物語では、この二人の話が交互に出てきます。安全な土地を求めて、長い過酷な旅を続けるサルヴァ。命をつなぐ水さえも得ることが困難な日々。一方、ナーヤの暮らす村の人びとも、水が得られないために、過酷な日々をおくらなければなりませんでした。
この二人が、どこでどう繋がるのか･････。
水を得ることが困難な状況で生きていくことが、どれほどのことか。頭でわかっているつもりでも、本当はピンと来ていないのです。本書で、二人の日々を追体験するというかたちで、やっと自分の身に引き寄せて感じることができたように思います。
この本は、サルヴァ・ドゥットさんの実体験を元に書かれたということです。困難を乗り越え、今、故国の人びとを救う役割を全力で担っておられるサルヴァさんのことを知ることが出来て、本当に良かったです。
今も世界では難民があふれ、行き場を求めてさまよい、ボートが転覆したりして、多くの人たちが亡くなる悲惨な現実が後を絶ちません。
若い人たちに、是非出会ってほしい一冊です。
本書は＜外国の児童書＞の欄でも紹介しています。
『はばたけ！ ザーラ』〜 難民キャンプに生きて〜
コリーネ・ナラニィ／作 トム・スコーンオーヘ／絵
野坂悦子／訳 鈴木出版（2005年）
≪ザーラは、まだ赤ちゃんのときに、家族や親せきといっしょにイランからイラクの難民キャンプに逃げてきた。日干しレンガで建てたちっぽけな小屋での生活はつらいけれど、ここには大好きな友だちがいて、やさしいおじさんや陽気なおばさんがいる。でも、生まれつき重い病気をかかえている弟のレザは、ここでは生きられない…。運命の急激な変化にとまどう難民一家の過去、現在、そして未来への希望を10歳の少女の目からえがく話題作。≫
ザーラの弟レザの具合が悪くなるたび、父さんと母さんはたいへんな思いをして遠くの病院まで連れていきます。レザの命を救うため、国際赤十字や国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）が動きだし、ついにザーラの一家はオランダに行って住むことになります。
本書がオランダ圏のベルギーで、9歳から12歳向けの読み物として出版された時、「悲しく重い現実をさわやかにえがいた作品」「難民キャンプでの暮らしやヨーロッパの文化と出会った驚きを、読者が自然に感じられる作品」として、新聞・雑誌で絶賛されたということです。
まずは知ることからと思い、難民問題がテーマの児童書、ノンフィクションなどを読んでいます。
『「未来」をください 』（本間 浩・監修 小学館・2004年）では、世界10地域26人の子供達が、難民として凄惨な状況に至った経偉を、UNHCR、NGOの協力で紹介されています。明るさを失わずに生き、未来に希望を見出そうとする彼らの懸命な姿も伝わってきます。緒方貞子氏が特別寄稿。
今また、ウクライナとガザから、あらたに難民が生まれています。地球はまさに、膨大な数の難民で溢れていると言っても過言ではありません。
コリーネ・ナラニィ／作 トム・スコーンオーヘ／絵
野坂悦子／訳 鈴木出版（2005年）
≪ザーラは、まだ赤ちゃんのときに、家族や親せきといっしょにイランからイラクの難民キャンプに逃げてきた。日干しレンガで建てたちっぽけな小屋での生活はつらいけれど、ここには大好きな友だちがいて、やさしいおじさんや陽気なおばさんがいる。でも、生まれつき重い病気をかかえている弟のレザは、ここでは生きられない…。運命の急激な変化にとまどう難民一家の過去、現在、そして未来への希望を10歳の少女の目からえがく話題作。≫
ザーラの弟レザの具合が悪くなるたび、父さんと母さんはたいへんな思いをして遠くの病院まで連れていきます。レザの命を救うため、国際赤十字や国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）が動きだし、ついにザーラの一家はオランダに行って住むことになります。
本書がオランダ圏のベルギーで、9歳から12歳向けの読み物として出版された時、「悲しく重い現実をさわやかにえがいた作品」「難民キャンプでの暮らしやヨーロッパの文化と出会った驚きを、読者が自然に感じられる作品」として、新聞・雑誌で絶賛されたということです。
まずは知ることからと思い、難民問題がテーマの児童書、ノンフィクションなどを読んでいます。
『「未来」をください 』（本間 浩・監修 小学館・2004年）では、世界10地域26人の子供達が、難民として凄惨な状況に至った経偉を、UNHCR、NGOの協力で紹介されています。明るさを失わずに生き、未来に希望を見出そうとする彼らの懸命な姿も伝わってきます。緒方貞子氏が特別寄稿。
今また、ウクライナとガザから、あらたに難民が生まれています。地球はまさに、膨大な数の難民で溢れていると言っても過言ではありません。
- mixiユーザー
- ログインしてコメントしよう！
|
|
|
|
元気な本棚 ほっこり 更新情報
-
最新のイベント
-
まだ何もありません
-
-
最新のアンケート
-
まだ何もありません
-
