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ボン教コミュの雌ゾ供儀の先例2

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第2部
イタリアの歴史家、カルロ・ギンズブルクは『闇の歴史』においてシンデレラが昔話になる以前は宗教儀礼関係の説話だった可能性を説く。実はその原型の説話においてシンデレラはシャーマンであり、シンデレラが靴を片方だけなくしたというのは現世にありて死者の世界に行く者の印である不安定さだと。シンデレラ型の昔話の起源は古い。靴を手がかりに王などが美女を見つけるような話は前一世紀のエジプトにすでに存在するが、継母が主人公を苛めて、魔法の力で主人公がパーティーに参加し、靴などのアイテムをなくし、それを身分の高い人が手に入れて持ち主を探し出してハッピーエンドを迎えるような話は中国の古典書『酉陽雑俎』に収録された葉限というヒロインの物語であるという。この書は9世紀半ば成立とされる。しかし問題の葉限の話はずーっと後の時代(明朝の時代まで下りうる)に添加されたものであるらしい。
 ここで注目すべき敦煌チベット文献の葬儀説話がある。継母の登場により厳しい境遇に置かれた娘が死に、その兄が神官たちの助言や力により、変死した娘を葬儀で治し、死者の国へ送ったという葬儀説話である。書写された時代は8世紀後半から10世紀ぐらいだが、伝えられている伝承の時代設定はチベットが統一される以前、つまり6世紀半ば以前であり、その原型となった口頭伝承の古さが窺われる。シンデレラの源の一つはこのあたりにあるのかもしれない。以下、抄訳。

国はキロ・チャングンにおいて、キ王マンポと、キ王の妃、ソ氏出身の娘がまぐわって、兄、キ・チュクキ・ジョンパと、妹、キ・ナムニャク・チクマの二人がいらっしゃいました。母上は若くして亡くなり、キ王の妃は若くして亡くなり、おりませず、キ王マンポの妃としてゲク氏の婦人、ガンラクマシクが娶られました。そうしましたらば、チュクキ・ジョンパとナムニャク・チクマの二人は、朝の食べ物がございませず、晩の衣服がございません。そこで、兄は北の荒野ナムシで鹿狩りやレイヨウ狩りへと向かわせられ、妹は上の方で近場の仕事として豚の飼育をさせられました。豚でチーズを作ろうにも作れず、豚で羊毛を取ろうにも取れず、御頭の御髪は逆立ち、虫に深く刺されていらっしゃって、国の下手で糞は豚の糞の中で妹、キ・ナムニャク・チクマはお亡くなりになってしまいました。
 兄が荒野ナムシから鹿を毎日運び、レイヨウを毎日運んで御着きになりましたらば、妹、キ・ナムニャク・チクマが峠の上で迎えに出ていることもなく、浅瀬で迎えに出ていることもなく、門の外、門の境で迎えに出ていることもありません。「妹はどこに行った。キ・ナムニャク・チクマはどこに行った」と言いますと、「上の方に行って仕事として豚を飼育させたから、豚を飼育しているだろう」と言われました。隣家のヤク飼いに尋ねると、「昨日以前は豚を飼っていたが、今日はどこに行ったか分からない」と言われました。兄弟は国の下手にお着きになり、豚の糞の中を探すと、妹、ナムニャク・チクマは御頭の御髪は逆立ち、虫が地肌に群がって、お亡くなりになっているのをお目にしたのでした。兄は心乱れ、胸中おののき、心乱す死体に乱れ、胸中おののかす敷物におののき、妹の魔を名で呼びまして、回収し、運び去りました。
 御頭の御髪が逆立っているのを、雌ヤク100頭からチーズを作りバターを作り、御髪の整髪料に使いましたが、塗って梳かしても塗ることに全く利益がなく、御頭の御髪は逆立ち、虫は深く刺さしているままでした。

(以下要約。兄は羊のチーズ、バターやら、草食動物の骨髄やら試すが効果がなく、神官に相談し、魔族の雌ゾのチーズ、バターなら有効である旨を聞く。兄は雌ゾを捕まえ、妹の髪を梳かし、虫を駆除することに成功する。葬儀が行われ、雌ゾは気に入りの獣として殉葬される。お決まりの文句が末尾に来る)

昔利すれば今も利し、昔福徳あらば今も福徳あるのですから…

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