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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 8-3

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「うそ」

「本当だよ。確かあれは戦争が終わる直前だったかな?」

全部で3枚、1枚ははねすけの部屋の机にある写真立て、もう1枚はあたしの部屋のどこか、1枚はエルバート軍オーガン海兵隊基地のロビンソン中将の部屋の引き出しにあるんだって。彼はお父さんと同じ海兵隊に居た、お父さんに育てられた少年のひとりだった。お父さんの最期もしっかりと覚えているって。

「僕と仲間2人、ゆかちゃんと戦争孤児の女の子2人だ」

いわゆる『トサノコク攻防戦』の後、オーガン基地に帰還した時にの写真だって。

「あの時僕、ゆかちゃんの前で土下座して謝ったの覚えてるかなぁ?」

少々申し訳なさそうに話すはねすけに、私は苦笑した。

「さすがに頭真っ白になっちゃったよ・・・でも、今はそんなに思ってないから」

私は笑った。その笑いも半分作ってる笑い。それは彼もわかったみたい。あの時はちょっとショックだったんだよね。後、ちょっと悲しかったってのもあるけど・・・。私はあの時ハスティーが謝ったあと、一緒にいたロビンソンやメンフィスの証言で真実を知ることになるんだけど。私はその時、当時の詳しいことが知りたくなった。大方のことは聞いてるけど、私は「ハスティーの目に映った光景」「ハスティーが見た真実」が知りたかった。

「あれは戦闘が始まっていつ頃だったかな?」



その日は朝から雪が降っていた。戦いの舞台となっていたリジェルバルタ国の隣国、トサノコク共和国は銀世界となっていた。ここで1ヶ月ほど前から占領軍であるリジェルバルタ軍と、解放を掲げてやってきたエルバート軍との間で激しい戦闘が続いていた。のちに『トサノコク攻防戦』と呼ばれる戦いである。戦闘は国内の至る所で繰り広げられていた。その最も激しかったのが、首都シュールメントである。はねすけ・・・ハスティー中尉率いる第81特務遊撃小隊『TEAM-SEALION』と、同隊とほぼ同時に創立された第82特殊攻撃隊『STAR-ANGELS』は3日前に戦闘地域に入った。彼らの目的は戦場に取り残されている民間人の救出だった。通常ならそれぞれが相当数の武器を所持するのだが、今回は戦闘が目的ではないということで、必要最低限の武器しか携帯しなかった。故に彼らには一番過酷でかつ恐怖が付きまとう戦いだったのだ。


「まただ・・・これで何人目だ?」

建物の中に横たわる数人を発見したウイングとフリッツ。確認する作業に入る前に、全員が息を引き取っているのがわかった。

「僕たちの足が間に合ってません」

仰向けに倒れている少年の、開いたままの目の上目蓋を下ろすことで目を閉じさせたフリッツが呟いた。これで民間人を確認するのは30人、そのうち生きていたのは片手で数えられる程度だった。ここでももうひとつの手を借りることはなかった。

「早く両手で数えられるようになりたいなぁ〜」

ヘルメットを取って額の汗を拭うウイング。フリッツは無言で犠牲者をちゃんと寝かせていた。その時こちらに走ってくる足音がした。あわててヘルメットを被って構えるウイング。フリッツも作業を止めて応戦体勢をとる。が、走ってくる人物を確認してその体勢を解いた。砲弾の飛来音がして走ってきた人物は入り口から中にヘッドスライディング。直後に至近で爆発音。

「タッチの差でセーフだな」

ウイングが床にべちゃっとなった人物を起こした。

「ナイスヘッドスライディングだよ」とフリッツ。全力で生還したのは『STAR-ANGELS』のメンフィスだった。

「さっきからこれの繰り返し・・・これじゃあなかなか大きくならないんだよねぇ〜」

どうやら胸の話をしているらしい。

「この世界にいる限り使い道ないから心配するな」

「あ!? なんか言ったかこのやろう!」

がおーっと吠えるメンフィス。とりあえずフリッツが止めてなだめる。

「ウイングさん、一応メンフィスは年頃の乙女なんですから」

一応は余計なのでは・・・?

「あ? オレは一応哀れんでるんだけどな?」

メンフィス、乙女心に100のダメージ。

「あぁいや、そういう意味じゃないぞ。こんな戦いさえなければ、メンフィスだって女の子として生活できたのになって意味だよ」



そうならちゃんと言ってくれ。非常にややこしい



「そして、こんなところで油売ってる時間はない」

ウイングは戦闘モードで入り口に向かった。外に出るようだ。フリッツ・メンフィスも後ろに並ぶ。

「星の天使はサレンスとお前だけだ。死んだ仲間、リタイアしたやつらのためにも生き残れ。生き残って、あいつらの分の恋愛でもしろよ」

そう言ってウイングは外に駆け出した。物陰に隠れつつ最前線に走っていく。メンフィスはしばらくウイングの背中をぼーっと見つめていた。フリッツがトントンと肩を叩いた。振り向くと彼は笑顔になった。がんばっていこう、そういう意味なんだと彼女は悟った。力強く頷き2人は外に駆け出した。

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