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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 3-1

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3 鮭のごとく逆流に挑む



ジープは国道を北に向かって走る。背後の街並みがどんどん小さくなっていく。小さな街ではあったが、実に居心地のいい街だったとハスティーは少々悲しげに語った。次に会えるのはいつの日か・・・



・・・誰に?



キックス・ラプター・フリッツが声を揃えて聞き返した。



は?



ハスティーは素っ頓狂な顔で反応した。

「ちとせちゃんの顔思い浮かべてただろ?」

キックスの口撃を皮切りに他の2人も続く。

「そいやぁちひろちゃんにも好かれてたみたいだな〜?」

ラプターに関してはかなり根に持ってる様子。まぁ見てくれはラプターのほうがイケメンに見えなくもないのだが・・・。

「なんでお前とかキックスとかウイングなんだ?」

確かに・・・キックスもウイングもイケメンかと言うとそうでもない。が、何かと人気なのはこの3人だ。

「フリッツは色気がねぇからいいとしてもだ・・・」

さりげなくひどい発言だ。

「ラプターさん、蜂の巣にされたいですか?」

笑顔の裏に怖い顔があった。

「ぼくはモテるために生きてるわけじゃないですから」

笑って答える。ラプターは知らないだけで、フリッツはこれでも人気者だったりする。



お子さま限定だったりするが・・・



「いや、思い浮かべてたとか・・・」


別にそういう意味で言ったわけじゃないんだ・・・というフィーリングだったみたいなのだが、ってそういう意味ってなんだ? まぁそのあと基地に着くまで車内の賑やかだったこと。

街を出てからちょうど2時間、ジープはリスベルという田舎に着いた。ここでこの辺りに拠点を置く第二八軍の司令官に会うことになっていた。ハスティーを先頭に司令部を訪ねる。通された部屋に数人の軍人がいた。その中の1人が4人の前にやってきた。

「よく来たな。最後に会ったのはいつだったか」

クーベルトはハスティーらと握手を交わす。そして4人をソファーに座らせると、部下を退出させた。よほど重要な任務を命じられるのか? 4人の顔が否応なしに緊張する。彼は机の引き出しから冊子を取り出し、4人に配った。何かの資料だろうかと4人は中を見た。目を丸くする4人。彼らに渡された冊子は、今回の作戦計画書のコピーだったのだ。あまりの内容に言葉を失う4人を見て、クーベルトはやはりなという表情(かお)を浮かべた。

「・・・これはどういうことですか?」

彼らの口からようやく出た言葉だった。『敵基地に保管されている敵新型戦闘機を強奪』さらにページをめくると、作戦の詳細を説明する文字と、敵基地の地図と強奪品の位置が、A4ほどの用紙に規則正しくびっしりと並べられていた。そして終わりの数枚に、奪取する機体の詳細データが添付されていた。



XXF-25FX ABYSSEM-DAUPHIN

XXFA-27FX VEAU-MARIN

XXA-31AX OCEAN-FeE

XXF-33AEX AQUA-FLYER

XXFA-37DBX SEASIDE-SHOOTER



4人は資料を閉じた。そして一斉にため息をついた。オレ達はいつから泥棒集団になったんだ? 彼らの疑問はそこにあるようだ。

「こいつらを手に入れたら、ピースメーカーはイチコロですな」

「ピースメーカーとその連合軍は瞬時に失せます」

「一回の出撃で何人殺せるのかなぁ?」

「街一個は楽勝でしょ?」

今度はクーベルトのほうが言葉を失ってしまった。とても常人が口にする言葉ではなかったからだろう。幼い頃から戦場にいたから、冷酷な人間に育ってしまったのか・・・もちろん怒りに触れた上での気休めだとは思うのだが。クーベルトは必死に答えを考えていた。

「なぜこの世界は、このような兵器を作ってしまったんでしょうね?」

ハスティーは腰を上げ、窓際に立つクーベルトの傍に移動した。窓の外はきれいに晴れ渡った青空。ここからは彼の好きな海は見えないが、代わりに緑の海洋が広がっている。スムーズにいけば明後日に基地を出発、敵基地に到着するのはそれから4日後。彼らはしばらく基地に臨時の作業要員として潜伏、そのまま時期を見て作戦が実行に移される。ハスティーら4人に護衛は付かない。ただ途中までは陸軍第二八軍と行動を共にする。話が終わると4人は特別に用意された部屋に案内された。大体八畳ほどの広さの部屋で、彼らはここで出撃の時を待つ。室内は不気味なまでに静かだった。これから戦場に向かう・・・死と背中合わせの日々が始まる。そういうシチュエーションになれば、いやでも話せなくなるのではなかろうか?それが今の彼らなのではなかろうか。

「なぁ?」

ハスティーの呼びかけに3人は彼を向いた。

「この作戦、いい作戦だと思うか?」

一体どういうことなのかとキックスが聞き返した。するとハスティーはこう言った・・・。



強奪した新型戦闘機を我々のエルバート軍に渡してはならない



「なんだ、そんなことか」

キックスは微笑していた。当たり前のことを言うなよ、そう言っているような顔だった。フリッツもラプターも律義に作戦をこなさないと言った。伊達に長年共に戦ってきたわけじゃないようだ。これで4人の取る行動は決まった。強奪後エルバート軍の基地には還らない。行き先は無論のこと決まっていない。ただ、このまま軍に戻ってはならない。その先にあるのは、己の破滅なのだから。

「作戦前に、一度オヤジのとこに行かない?」

キックスが問い掛ける。4人がやることは明らかな反逆罪に当たる故、間違いなく銃殺刑に処されるだろう。だからその前にロビンソン海兵中将にも伝えておこう・・・というのだ。ロビンソンは果たしてどういうリアクションを取るだろうか。それ以前に、この戦いをどう見ているんだろうか?彼は以前のような穏健な立場でいてもらいたい。強硬でいてもらいたくはない。4人の意見は同じだった。

「そうと決まれば早速行動だ」

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