ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

あざらしの談話室2コミュの恋旅小説『のんびり旅行記』☆21☆

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


今回登場する快速『海峡』号は、現在走っていません。そして津軽海峡線、これは複数の路線を合わせた名前なんです。時刻表で見ると…



青森〜中小国【津軽線】
中小国〜木古内【海峡線】
木古内〜五稜郭【江差線】
五稜郭〜函館【函館本線】


と、こんな分かれ方をしています。なぜかと言うと、元々青森〜函館は、フェリーで繋がっていたのですよ。(貨物列車はフェリーで北海道と本州を行き来してたんですよ!)その時以前から海峡線以外は存在していました。

それが青函トンネル開通と共に、江差線木古内と津軽線中小国の間に線路ができ(これが海峡線ね)わかりやすいように『津軽海峡線』となったわけです。

だから海峡線以外にはちゃんと各駅停車の普通列車は走ってます。数は少ないですが。しかし海峡線には『海峡』号の廃止以来、特急・急行列車のみが走るだけの路線となってしまいました。でも津軽今別や知内といった駅は存在します。だからこの区間の駅を利用する人のために特例が設けられました。



津軽線蟹田〜江差線木古内のみ特急券なしで、特急の自由席に乗れる



快速・普通列車しか乗れない『青春18きっぷ』でも乗れます。ただしこれは蟹田〜木古内だけの特例です。例えば青森から蟹田を通って木古内まで特急に乗った場合、これは乗った全区間の特急券と乗車券が必要です。

青森から蟹田まで普通列車、蟹田から木古内まで特急に乗り換え、木古内から普通に乗り換えた…これは大丈夫。

あくまで『蟹田〜木古内』間だけ、特急に乗る場合だけなのです。ちなみにこのような区間は他に北海道に一カ所存在します。

いろいろ調べながらだと、結構おもしろいんですよ? 青春18きっぷは(笑)



それともうひとつ、現在は北海道新幹線の工事の都合、ドラえもん海底ワールドは存在しませんので悪しからず



長くなりました。では、今回はドラえもんと共にお楽しみ下さい ((ミ゚o゚ミ))





★★☆



3人の表情が凍りついたのは無理もないだろう。どうやらこの娘は、とんでもない妄想をしているのかもしれない。というより、間違いなくしている。碧は顔を真っ赤にして、うつむいてしまった。この空気をどうしたものか・・・恭輔と望みは必死に考えたが、答えは出ない。

一番厄介なのは、当の本人が否定しないことだった。それがめぐみの妄想をエスカレートさせることにつながったのだ。まぁそれまでの恭輔と碧の行動を見れば、そう言われても文句のひとつも言えないだろう。ちなみにめぐみによる尋問は、列車が青森に着くまで延々続けられたことを、ここに報告しておこう。

特急は定刻通りに青森駅に到着した。4人は隣のホームに停車中の快速『海峡 9号』に乗り込む。と、女性3人が列車を見て騒ぎ出した。それもそのはず、全身真っ青の客車のいたるところにアニメのキャラクターが描かれているのだから。そのキャラクターの名前はずばり


ドラえもん


青函トンネル内にある『吉岡海底駅』にはドラえもんのミュージアム『ドラえもん海底ワールド』がある。これは1990年末に公開された映画『のび太の南海大冒険』際にPR目的に設けられた施設である。『実物大ののび太の部屋』、『野比家の家』『しずかちゃんの家』などなどコーナーが充実しているらしい。

この列車もそれように模様替えする以外に、青森駅、函館駅発着時とトンネルに出入りするときは、ドラえもんが車内アナウンス、及び説明をしてくれる。(当然録音を流しているだけだけど)そうこうしているうちに列車は青森駅を出発した。

ポイントの上を通過するたびに車内が右へ左へ揺れる。しかし『海峡』は機関車牽引の客車なので、意外と静か。純粋な『ガタンゴトン』と乗客の談笑が耳に入ってくる。その列車が入った路線は、世界一長い海底トンネルで有名な『青函トンネル』がある、津軽海峡線である。

青森を出て最初の停車駅である蟹田を過ぎると、列車はいよいよ世界一の海底トンネルに突入していく。ドラえもんの説明も終わった。4人のテンションはいやおうなしに上昇を続ける。トンネルが多くなってきた。

「入った?」

「まだ」

「これじゃない?」

「違うよ」

こんな会話が続く。今か今かとその時を待つ。ここまではしゃぎだすと、その辺のガキとなんら変わりはなくなってくる。いちぞうに言わせると「トンネルに入ったときのゴーという音が微妙に違う」そうだ。耳を立ててその音を聞く4人。またトンネルに入った・・・と、4人がお互いの顔を見た。

微妙に音が違う『ゴー』というより『コー』である。なぜ『コー』なのか? それは使われている『レール』に答えがある。このトンネルには『スーパーロングレール』と呼ばれる、新幹線でも使われているひたすら長いレールが使われていて、継ぎ目が少ない。

だから継ぎ目を通る際に聞こえる『ゴトンゴトン』がないのだ。・・・まぁそれ以外にも長いトンネルだから、列車がトンネルを抜ける様子が感じられない。4人は『青函トンネル』に入ったのだ。これで本州と別れ、北の大地・北海道へと向かうのだ。

海底部23.3km、陸上部が30.55km、総延長53.85kmのトンネル走行所要時間はおよそ40分。その間ただひたすら『コー』の音が車内に響き渡る。それも会話もままならないほどの大きさである。

「しばらく行くと左側にLEDの絵が出てくるよ」

恭輔の言葉に、一同車両左側の窓を注目する。すると、トンネルの壁にそのLEDの絵が現れた。映像である。ただこれは錯覚で一定間隔で設置された絵を、動いている列車から見るので動画として見えているだけである。そのLED画がカウントを始めた。

3、2、1・・・。4人の視界に「ようこそ北海道へ」の文字が飛び込んできた。そのあと『函館山の夜景』『札幌時計台』『釧路湿原とタンチョウツル』の絵が映し出され、最後に『JR北海道』と映されて光のショーが終わった。ショーを見終えた4人はただ感動に酔いしれていた。

「すごかったね」「うん」こんな感じの言葉しか出てこなかった。列車はトンネル最低部を通過した。その後は上り坂をひたすら登り、北海道側出口より顔を出すのみだ。トンネルに突入しておよそ40分、車窓に光が差し込んできた・・・北の大地の夕日である。時間にしておよそ35時間、距離にするとざっと1500kmは難くないのではないだろうか。

それだけの時間をかけ、それだけの距離を恭輔と碧は走破した。しかし2人の旅はまだ途中である。最終的には2000kmを走破することだろう。それを考えるとすごいことをしているんだな・・・恭輔も碧も心の中で驚いていた。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

あざらしの談話室2 更新情報

あざらしの談話室2のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング