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あざらしの談話室2コミュの恋旅小説『のんびり旅行記』☆17☆

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誰しも「これは恋愛なのか?」と気付くと、多少なりとも戸惑うといいます。


さて新宿発村上行『ムーンライトえちご』の話です。第三回になるのかな? そして最終回です(笑)この回ではじめて「恭輔は碧のことを真剣に考え始めます」


一気に恋愛度が高くなりますよぉ〜


余談ですが、文章内の『ムーンライトえちご』は6年前の姿です。現在は特急列車に使われるのはグレード高き車両です。全席指定で夜行列車では珍しい『女性専用車両』もあります。青春18きっぷでは乗れませんが、特急と同じグリーン車もあります。

最近のシンヤポスに対抗すべく、夜行列車もクオリティよくなってきてて、意外と快適なんですよ? シンヤポスと違うのは『渋滞がない』ってとこじゃないすか?



もっとも2009年3月14日より『臨時夜行快速』になってしまいましたが・・・





★☆☆☆☆☆☆☆






1時9分、列車は高崎駅を出発、闇に包まれた上越線を再び走り出した。少しして、街の灯が見えなくなった。関東と越後との境界線である、上越峠に差し掛かったのだ。窓の外は黒一色・・・並行する国道を走る車のヘッドライト、テールランプ以外はほとんど見えない。

3人のプリンセスもそれまで喋り疲れたのか、この頃には夢の中へ入っていた。車内もほとんどの乗客が眠りについていた。しかし、恭輔は寝ることなく1人外を眺めていた。何も見えないのは承知の上で、ただひたすら外を見ている。彼は通路側に座っているから、外を見ようとすると、必然的に3人の顔が視界に入る。

隣の碧はどこか幸せそうな寝顔、碧の向かいのめぐみは別に普通の寝顔、のぞ
みは右手に『チーカマ』を握り締めて、やはり幸せそうな寝顔・・・。3人の寝顔を見てため息をついた。てか女性の寝顔をまじまじと見るなよ。彼はメモ帳を取り出した。パラパラとページをめくる。

1ページに一つの短文の集まり・・・詩が書かれていた。ページの端に番号が打たれている。彼は新しいページに『17』と記し、サラサラっと詩を書き出した。



初めて見たのはいつだろう
確か小学校に入る前
幼稚園? 保育園?
君と初めて出会ったのがそれくらい
だから多分その辺りだ
初めて見た他人の寝顔
それも女の子の寝顔
初めはすごく恥ずかしくて
いつも毛布を頭まで被ってた
今じゃそんな気持ちはない
今じゃ見慣れたその寝顔
見飽きる程見たこの寝顔
でも見飽きないのは
なぜなんだろう・・・



なぜだ? 彼はペンを止めた。こういうのはすぐに飽きるのが関内 恭輔。昔、のぞみに「お前の顔は見飽きた」と冗談交じりに言ったことがある。でも碧には言ったことはない。


なぜ?


単純に「見飽きない顔」だからか? しかしそれは女性に対して随分と失礼である。彼は首をかしげた。その時、脳が別の答えを提示してきた。それを口にした瞬間、彼の動きが止まった。思考もストップした。直後、列車もスピードを落とした。そのまま駅に停車してしまった。驚いたのは恭輔本人。

「え? マジで!?」

危うく叫ぶところだった。駅名の書かれた看板を探すすぐにそれは見つかった。


水上


これは運転停車というもので、夜行列車にはよくあることである。ノンストップで走ってしまっては、目的地に早く着きすぎる場合がある。それを解決するために、時刻表上では通過でも、時間調整のために駅に止まることがあるのだ。夜行バスでも途中サービスエリアなんかに停まることがあるが、これも似たようなもんだ。

もう一つは運転士の交代のための停車である。だいたいの場合はこれで停まる。理由は規定上夜間の連続運転は2時間前後と決められているからだそうだ。ちなみに乗客が乗り降りするための停車は『旅客停車』という。同じ現象は、この後の越後湯沢駅でも起こった。

理由もわかり、恭輔は再び思考モードに入る。直後に列車も動き出した。携帯を見ると、時刻は2時を過ぎていた。終点の村上に着くのは朝の6時前。少し寝ておくか・・・彼は目を瞑った。

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