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【理子の短編小説】コミュのA&A vol.20

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あの別れの日から立ち止まることもできずに毎日忙しく過ぎてゆく。

EXILEのATSUSHIは前を向いて進むしかない。

だって、そう歌いながら人を励ましているんだから。

俺の身体はATSUSHIに生かされてる、そんな気がしてた。

日々色んなことは相変わらずあるけどちゃんと笑えてる。

酒飲んでメンバーと大騒ぎして楽しいこともいっぱい。

これ以上ないってくらい泣いたって、やっぱり生きてる。

立ち止まれないから人生って面白いのかも…

そんな風に何かを悟ったような大人の仮面を被ることにも慣れてきた。

歌うことしか俺にはないから。

とにかく歌に繋がることは何でも貪欲に取り入れる。

突き詰めるとやっぱり身体が資本。

身体さえ健全であればどうにかなるものなんだってわかった。

地位も名声もできてきたらそれなりに収入も潤い始め、身体と心のバランスをそれなりに上手く保つ術を身に付けるようになる。

あゆみ、今なにしてるかな?

完全に忘れ去るなんてできなかった。

移動中の車から見る景色、あの頃と同じような空、あの日の風…

今はもう乗り越えられた。

思い出すのはあなたの笑顔ばかり。

その笑顔で今の俺は支えられてる。

少し前までは思い返さないように心に封印して頑なに生きてた自分がいたけど、そんな俺を身軽にしてくれたのは他でもない敬浩の言葉だった。

ある日のリハでどうしても自分の歌に納得が行かなくて嫌気がさして部屋を出た俺。

ある歌詞に自分とあゆみがリンクして、そこに動揺するのかどうしても肩に力が入り過ぎて音程が不明瞭になる。

何度やってもダメ、納得が行かず廊下で溜め息ついてたら、

「ATSUSHIさん…あそこ、そんなにダメっすか?全然…それはそれでATSUSHIさんっスよ…むしろなんか…人間らしいっつーか…」

そう呟いてから照れ臭そうにヘヘッとえくぼを見せて通り過ぎてった敬浩。

俺は俺でいい、音がブレようが心がブレようが俺は俺、そこも含めて人間なんだって…

そう言われた気がして何かが軽くなったのを覚えてる。

アイツはやっぱり大物だなーなんて感心もした。

無駄な干渉や感傷は一切しない敬浩らしい読心術に目が覚めた。

これでいい。

そう、等身大の俺はやっぱりあゆみを忘れられない。

そんな自分を受け入れよう…そう思えた。

そうか、そうだよな…

行き詰まりまくってた新曲の作詞が一気に進んだのもこの出来事があったから。

ありったけの想いを込めて書き上げた曲。

もしかして、どこかで耳にしてくれたりしないかな?

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