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【理子の短編小説】コミュのA&A vol.19【この夜を止めてよ】

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『あゆみ?』

何か言おうとしたから言わさないように彼を抱きしめて続けた…

『少し深くなり過ぎたね…あたしたち』

彼の目を見ると言えなかった。

抱きしめて背中に腕を回し彼の頬に頬をつけて呟く。

腕を解こうとするから力を込めてまた続ける。

『あたしたち、もう終わりにしよう?』

涙が溢れてしまう…

『待って、あゆみ…なんで!』

『これ以上続けてはいけない…あたしは…あたしは家族を捨てて篤志くんにすべてを預けて背負わせるなんてこと、できない…』

『いやだ、別れるなんて言わないで?あゆみ?あゆみと離れるくらいなら…俺…』

『ごめんね篤志っ…篤志くんっ…ごめん…あなたにはあなたにしかできないことがあるの、あたしには帰らなければいけない場所が…あるから』

『こんなにも…愛してる……嫌だよ離れないで?』

最後は2人とも涙で言葉にならなかった。

こうして触れ合ってるだけでもお互いの愛が痛いくらいわかってしまう…

あなたの肩越しに見えた手錠が朝日に照らされて悲しく光る。

『あゆみっ…愛してる…』

最後にくれたキスは余りにも哀しすぎて儚い夢物語が滲んでしまった。

さよなら、、、愛しい人。


あっけない幕切れに言葉もない。

傷ついた彼を見ることすら出来ずに身体を離して部屋を出た。



ー「愛してる」っていうあなたの言葉は
 「さよなら」よりも哀しい
 これ以上何も言わなくていい
 だからこの夜を止めてよ


 息するみたいに2人は出会ったね
 疑いもせずに
 傷つけ傷つき 痛みこそ愛だと
 信じてきた日々


 声をひそめながら 2人だけの秘密を
 一つずつ増やすたび
 作り笑い 心で泣いてる


 同じ色の夢みていたいのに
 違う道に離れてく
 出会いの時も選べないのなら
 せめてこの夜を止めてよ


 大きな背中を見つめていられたら
 それでよかったのに
 どんなに激しくあなたを愛しても
 答えは見えない


 終わりにしたいのなら
 5秒だけ下さい
 目を閉じて 深呼吸
 その間に忘れてあげるわ


 「愛してる」っていうあなたの言葉は
 「さよなら」よりも哀しい
 これ以上何も言わなくていい
 だからこの夜を止めてよ


 甘い過去の記憶なんて
 わたしは惜しくない
 形のある未来なんか
 しがみつきたくはない


 同じ色の夢みていたいのに
 違う道を歩いてた
 別れの時も選べないのなら
 せめてこの夜を…


 「愛してる」っていうあなたの言葉は
 「さよなら」よりも哀しい
 これ以上何も言わなくていい
 だからこの夜を止めてよ


 ねぇお願い この夜を止めてよー

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