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【理子の短編小説】コミュのA&A vol.18

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『俺のすべて捨てるから…一緒に生きて?』


あたしの腕の中で子どもみたいに嘘のない目をして彼は言った。

涙が伝う頬がキラキラして凄く綺麗。

篤志くんの一点の曇りもない気持ちがあたしをかきむしる。

こんなにも自分を愛してくれて、また愛しいと思える人はもうこの先きっと現れないと思う。

今にも溢れだしそうなほど心は篤志でいっぱい。

愛してる、狂おしいほどに。

だからこそ、あたしも精一杯の気持ちでこの愛しい人に応えなければならないと思った。

それがあたしがしてあげられる愛し方。

しばらく彼の両頬を撫でて、じっと見つめる。

『あゆみ?何か言って?』

また彼の瞳から涙が落ちる。

『髪、伸びたね…』

指先と指先を繋ぎ合わせてみた。

篤志くんの手が好き。

凄く可愛い赤ちゃんみたいな手。

いつまでもどこかにあどけなさが見える篤志くん。

あなたに出会ってあたしの人生がどれほど鮮やかに色彩を帯びたことか、あなたにはわからないでしょう?

光り輝く世界で人々を惹きつけて離さない歌声と、繊細に見えて実は意外にも朗らかな人柄。

甘えん坊で、でも男らしさもあって、いつもケラケラ楽しいことばかり言っては笑って…

この口唇から発せられるあたしを呼ぶ声。

この口唇でたくさん愛を伝えてくれる。

指先でそっと口唇に触れてみた。

そして…

『篤志くん…今の感情だけですべてを捨てたりなんてしてはいけないわ…そんなことさせない…あなたにはあなたの存在で救われたり、勇気づけられたりする人がたくさんいるのに…何より篤志くんの歌を待ってる人がたくさんたくさんいる。あなたの代わりなんて誰にもできないの…ATSUSHIはATSUSHIにしかできないんだよ』

目を見つめて離さずに言った。

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