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桂の書庫コミュの零地帯128 アルルの告白

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私達もデ-ト、と言って、姫様とタイア-ドさんが退室し、ガイさんはお仕事に戻ってしまった。

『気分は、大丈夫ですか?』

人形の様に可愛らしい、アルルさんとの距離が悩ましい。
すぐ隣に座るのも図々しいし恥ずかしいし、かと言って今更離れるのも気まずい。

アルル
『嫌でなければ、側に来て下さい』

嫌なわけがない。
でも、気恥ずかしさもあって、そっと、アルルさんの隣に座った。

アルル
『いつも、お兄様を助けて下さって、ありがとうございます』

頭を下げられて、焦ってしまった。

『助けられているのは、僕の方です。
アレルさんにもですが、アルルさんにはいつもいつも…ありがとうございます。
アルルさんが導いてくれなければ、僕なんか…まだまだです』

そうなんだ。
僕はまだまだ、誰かを護れるほど強くない。

アルル
『私に出来るのは、夢見として皆さんを助ける事だけです』

アルルさんの顔色が変わった。

アルル
『私は…物心ついた時から、この部屋から出たことはありません。
部屋を通り抜ける風は分かります。
風が花や雨等の香を運んできてくれます。
けれど、雨の冷たさや、太陽の眩しさ温もり、大地の力強さは知りません』

このベッドの周りに張られている結界…

『それは…』

ビ-スト病を完治しようとしたフレアさん…
ビ-スト病患者に最期を与えていたアレルさん…

アルル
『はい、私はビ-スト病患者で、発病しています』

…発病…

アルル
『私の脚を、触ってみてください』

伸ばした手が、震えてる。
薄い布越しに触れたのは…細すぎる脚…人間の形とは違う…

アルル
『私の脚は…』

次の言葉は聞きたくなかった。
言わせたくなかった。
だから、アルルさんを抱きしめてしまった。

『僕が治します!
だから、一緒にお散しましょう。
お弁当も作ります。
一緒に、旅をしましょう』

アルル
『…お兄様、怒るかしら?』

クスクス笑う声が、涙で濡れている。

『…認めてもらえるよう、頑張ります』

アレルさん、シスコンだからなぁ…
そっと体を放して、今度は両手を取った。
白くて細すぎる手に、白月花の花を溢れさせる。

アルル
『わぁ…』

その笑顔は、今まで見た中で、一番可愛らしいくて、僕も嬉しい。

アルル
『約束…ですね』

なんて可愛らしいんだろう。
このドキドキが、聞こえちゃうんじゃないかと心配になった。

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