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おも詩ろ荘コミュのおも詩ろ荘作品集<ひつじさんの部屋>

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 こちらは入居者の皆さまに自作を自由に披露していただく部屋です。
 投稿に際しての制限は設けていませんので、新作や当コミュでの初披露の際には、このお部屋をご利用ください。

 以上<ひつじさんの部屋>でございます。
 めえぇぇ〜っ

※こちらには初出の作品を公開ください。既発表の作品は「みなさまの作品室」をご利用ください。

コメント(145)

>諸井さんへ

最初の文章に書いている内容を、諸井さんがどういう思想・思考で綴ったのかは分かりませんが、「初期衝動への冒涜」や「大怪獣」という言葉を、読めない(読みたくない)ことや、書きたくないというのと似た感情は私にもあります。
私の場合は、いわゆる手垢のついた表現・紋切り型・常套句を使いたくないという感情です。
ですが、使いたくないと感じたり、使うのを避けてるものもあるにはあるのですが、「それを言い出したら、俺の大好きな『愛す』という表現自体を使うのが一番駄目じゃねーか」と思うので、なるべく考えないようにしています。

・シンバルについて。

この詩は、載せるタイミングをちょっと間違ったかな?と感じた作品でした。読みようによっては、一連の皮肉詩の第三弾に読めなくもない。けれど、実際にはまったく関係の無い作品です。
これといった深い意味や狙いはないのですが、解説するなら「真剣さの中に潜む滑稽を笑ってみる」といったところです。

ネタをバラすと、まず、オーケストラの演奏映像を見ているときに、シンバルやトライアングルの人とバイオリンやチェロの人って、基本的には同じ報酬額を貰ってるのかなあ?と感じたので、そのことをちょいと調べてみました(大体は同じのようです)。
で、いろいろと調べている中に「有名なドヴォルザークの「新世界交響曲」には、最終楽章にたった1ヶ所のみメゾフォルテでシンバルが出てきます。この「新世界」の一発を演奏するために、演奏旅行に行った奏者が、緊張のあまりか、寝ていたのか、叩かないで帰ってきたという有名な逸話もあります」というエピソードを発見し、それを元にこの詩を書きました。
あれやこれやと考えている間に出番が終わってた……というのが狙い(ハッキリと書ききってはいません)です。

「ジヤン」「ビオロン」「セロ」なんかも、軽さを出すための遊びとして使っています。
「ビオロン(ヴィオロン)」などの表記を使うのって、昔の詩人たちの作品からの真面目な引喩に思われるかもしれませんが、私個人は「ははは、ビオロンって!」という感じで接するタイプなんですよ。

そういうつもりで使ったわけではないのかもしれませんが、ステーキから豆腐って、この作品にぴったりの表現です。
>諸井さんへ

本来は詩を発表するこのトピックが使いにくくなりそうなので、「みなさんの感想の部屋」へ移動します。
コメントNo88へ↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=36628944&comment_count=87&comm_id=3726869
・幻


時々は思い出す 過去の自分のことを
時々は思い出し殴る 過去の自分のことを
殴られたのは幻 過去の自分のことを
殴ったのは幻 過去の自分のことを
華美するものは幻
卑下するものは幻
鹿は跳ねていた
馬は嘶いた
懐かしむ仕草はいつか私をつくりあげた
噛み千切る草はいつか私をつくりあげた
韻を踏み
影を踏んで遊ぶ
お前の言い訳はもう聞き飽きたと言ったのは
私の憧れたあの人なのか
わからない
ならわかるように言ってやろうと言ったのは過去の私
の幻
沢山の他者が私と接触し離れていったのは幻
死んでしまった飼い犬のマリを散歩に連れて行きたがらなかったのは幻
彼女の実家に住む飼い犬を散歩に連れて行って迷子になったのは幻
もう言葉はいらぬ
言葉ではなく生き様を示せと背中の亡者がつぶやく
幻
それを拒絶するものは何処にあるのか
幻を追い求めるお前には絶対にわからない


・しのたに


小分けされた説明文。 
点でしっかりと分断して、丸できちんと区切りを示す。
定めた主観をきちんと説明しながら、
散文で、
物語で、
迫りくる。
俺を窮地へと追いやる。

 行き着く先はしのたに。

ごしちごで
じゅうしちもじで
せまりくる

ぴんちだよ
きごなしはいくに
きゅうちへと

 いきつくさきはしのたに

挟まれた谷間で主語が死んでいた。
(死んでいたのが何なのかわからなくなる)
挟まれた谷間で述語が死んでいた。
(なにがなにやらわからなくなる)
挟まれた谷間で詩が死んでいた。
(韻を踏むこともできなくなる)

 イキツクサキノシノタニデ
 ナキゴエアゲルモノタチノヤリカタヲマネル

すると何かが動き出す。






 『procedure de conciliation』




 ほんとうに
 熾のなか
 もう種子は
 残っていないか

 あの焚火の煙は
 シニフィアンとシニフィアン
 四つの眼蓋二つの心臓
 重くしただけか
 ただ単に
 ふざけただけか

 赤い箱をなぞると
 まだ叫びが聞こえる

 まるくやさしく

 まるで磔刑




          (畸形のソネット)







  「g-n線上のアリア」




 海原のウエ
 鳥は舞っている

 心臓のショートケーキ
 に
 歯形をきざん
 だ
 から

 銃眼は
 キミに
 のしかか
 る

  さあ
  撃て
  撃てよ

 電車
 は
 Yパークを
 離れ

 向かいに座る
 子どもたちは
 優しく
 笑う
 笑って




               (返上)



・進もうとすることを詩に書こうとするときと


進もうとすることを詩に書こうとするときと
止まってしまったことを詩に書こうとするときと
違いは確かにあるのだけれど
それは詩を書いている最中にもおとずれて
私は悩む
そのとき悩みは先へと進むのか?

振り向いた猫がこちらをじっと見つめている
布団を干すために窓を開けた下にあるたまり場で
猫の日向ぼっこに時々あらわれる私の姿を
彼らは記憶しているのだろうか
私は悩む
そのときの出逢いは何かの先へと繋がるのか?

行動は常に何かを変化させる
出逢いは新たな記憶を追加する
止まることは恐れることと似ている
身が竦む
それは死ぬことを恐れるからか?
けれど死体も髪を伸ばし腐りゆき変化する

詩は書かれた瞬間から私の許を離れ
進もうとすることを止めるのか?
意味を纏いながら
他の解釈も許す曖昧さを保ちながら
それは私に似ている
いつまでも曖昧さを保ちながら


・いつか書いたことのある同じテーマを


いつか書いたことのある同じテーマを
どこかで使ったことのある同じ言い回しを使って
書こうとする私に目新しいところは見当たらない

それは意味のないことなのだという
誰が決めたのかよくわからない思考のシミにほだされて
書くのをやめる私に目新しいところは見当たらない

とはいえ私の身体は日ごと新たな細胞を創りつづけている 
老いさえも含めて
かつていた者たちと同じように

一つの細胞が分裂するごとに世の中は複雑さを増していき
混沌の中から目新しいものを時にひとは見つけたりするけれど
それはいつか誰かが見つけていたもの
すでにあったものなのか
初めて目にするものなのか
長大な過去を眺めるのか狭窄に時代を切り取るのかで見方はがらりと変わる
モノサシの違いでくるりと反転しまうこれらの事物に
翻弄されるのはそれが光り輝くからなのか

形が変わったわけではないそれらの事物を
ただ在るだけでよしとする
そんな詩はきっとどこかにあるのだろうし
私も綴っていけたらいい


・「こういうことがあったんだ!」


「こういうことがあったんだ!」
その日経験した出来事を母に報告することを
喜びを共有しようとすることを恐れなかった昔を
ただ懐かしむだけの私が
誰に何を言えるというのか

変化するのは己の経験からくる結果だけだと納得して
他人の言葉に聞く耳持たず
じっと見つめることもなく
己の言動ばかり振り返って回し車の中で回って
変化の訪れないことを嘆き
手をつけたばかりの物事を放り出す

変化は必ずやってきている
息を切らすことなく走ることのできた数百メートルの距離を
同じように走れると思い続ける本人の身体はすぐに音を上げる
衰えるとは変化をしたということ
それを受け入れられないのは恐れるからなのか

もしも身を竦ませたその先に
クマムシのような長寿が約束されたとしても
乾眠しているそいつには何も影響を与えない
熱さも
寒さも
息を吹き返したときに変わっているのは周りの環境だけだ
自分の知った者たちは全て死んでしまって


・わたしは私をどこまで連れて行くことができるのか?


わたしは私をどこまで連れて行くことができるのか?
本当は隣にいて欲しい人はいたのだけれど
ふたりは交錯し 
通り過ぎてしまった物事が元に戻ることはない

それでも同じテーマを書き続けることに意味はあるのか?
わからないから笑ってやろうかと書いた昔のわたしにケツを蹴られながら
わかるつもりになって書き綴る
通り過ぎた思考はいつまでも同じ姿ではない

かつてあれほど愛に触れ愛に溢れていたわたしは愛についての詩を書いた
やがて独りきりで夜毎キーボードを触るわたしは愛についての詩を書いた
思いがけず字面が揃ったのをほくそ笑む私は何についての詩を書こうか?

書き綴った数だけ沢山のわたしがいる
明日の私は今日の詩をよんで昨日の私を知る
私とわたしが実際に交錯することはないけれど
わたしの書いたことに私が腹を立てたりすることはある
そうやって繋がっていくことに意義はある

言葉が渡されていく詩を伝ってわたしから私へ
言葉が伝わっていく詩を通じて私からあなたへ
だから私は愛についての詩を綴る


・愚痴


言葉が聞こえなくなった
詩が流されなくなった
血を流す意気込みで詩を書けとうたった人たちは
自分の気まぐれで書いたり書かなかったり
随分と安い血もあるものだ
それならとっとと献血に行けよ馬鹿野朗

私が詩など書かなくても
死人たちの優れた詩が本屋で陳列されている
あなたが詩など書かなくても
今日も優れた詩はどこかで生まれている
それを絶望と考えるのか喜びと感じるのか
己にしか興味のない者たちに選択する余地はない

詩は滑稽だと嘯いてみたり
詩など書かなければよかったと強がってみたり
詩は便所の落書きだと嘆いてみたり
詩など生きるために必要なものではないと真理を呟いてみたり
言葉で他人に触れ合おうとする者たちが
言葉で他人を拒絶することだけは一人前にしようとする

こうやって
愚痴を振り回してあなたを傷つけたとすれば
同じように私も血を流しているのです

なんてことはちっとも思ってなどいないのだ


・女


女は地面に寝転んでいた。
女はふいに天から落ちてきたんだが。
世界には何も用事はなかった。
女は頭が痛いので、目を瞑って休んでいた。
女は頭を上げる事が出来なかった。
今更牝と雄の世界でどうする事も出来なかった。
女は失望したのだ。
女は大雨のように長く泣きつづけた。
後から後から地面に落ちていた。
そして玉となって水溜りのように溜まっていた。
それから闇の中で獣の笑い声がした。
女はどうすればいいのだ。純粋を離れるより仕方がなかった。
幸も暖もない。寒も不幸も無い。
地面の上を這いつづけた。
女は自動車に乗った。
自動車の中の男が奇妙な手つきで抱いてきた。
女はラジオの放送のように声をあげた。
女は神経を曇らした。
女は自殺した。
女の上に馬乗って、槍を掲げた男が突き刺した。
それは薄い靄のような交わりであった。
女はどこにも居なかった。
女は世界に拡がった。
女は銀行員のように数を数えた。
女は失意した。
それから女は無価値なニヒリストとなった。
女は飛行する鳥たちの羽を毟った。
女は噴出する精子を飲み込んだ。
女は蛇の目で蛙を睨んだ。
女は抱きにくる男の全身を悔恨で包んだ。
女はプラット・ホームを寂寞で濡らした。
獣は裸になると、淫らな邪悪な姦淫を欲しいままにしていた。
女は空腹であった。
女は男に跨って幾世紀を過ごした。
女は気が狂った。
女は中々死ねなかった。のた打ち輪姦【まわ】っていた。
それから地面に吸い込まれたので、姿が見えなくなった。


◇現代詩鑑賞の部屋 164 『雨』高橋新吉のパロディです。


「もの」


甲は誰のものでもなくて
甲は甲のものにもなかなかなっちゃくれないから
乙のものであるはずがないんだよ


 
・運ぶ

名づけられた翅のない大顎の黒くて小さな社会性昆虫が集まっている。
名づけられた汁を搾り結晶化させた栄養価の高い白くて甘い粒々を運ぶために集まっている。
名づけられた翅のない大顎の黒くて小さな社会性昆虫たちは名づけられた汁を搾り結晶化させた栄養価の高い白くて甘い塊を運ぶ。
名づけられた翅のない大顎の黒くて小さな社会性昆虫たち一匹ずつに名はない。

はじまりは名なしだったのだ。

翅のない大顎の黒くて小さな社会性昆虫たちは餌を探して外を歩く。
歩き回る大顎の黒くて小さな社会性昆虫の一匹が辿りついた汁を搾り結晶化させた粒々まで。
汁を搾り結晶化させた粒々を見つけた大顎の黒くて小さな社会性昆虫の一匹は名なし。
名なしは白くて甘い塊の栄養の有無を確かめ大顎にくわえて巣に持ち帰る。
帰り道に印を残しておくことを忘れずに。
名なしの持ち帰った白くて甘い塊は黒くて小さな社会性昆虫たちの間で話題となる。
話題を受けた黒くて小さな昆虫たちはわれもわれもと塊のある場所へと向かう。
しるべは名なしがつけた匂い。
辿る先には塊。

名づけられた黒くて小さな昆虫たちが集まっている。
名なしの付けた匂いを辿って塊を運ぶために集まっている。
名なしの付けた跡は塊が運ばれるごとに皆のものになり名をなくす。
名づけられた翅のない大顎の黒くて小さな社会性昆虫たち一匹ずつに名はない。


草原の記
    〈テンポイント・トウショウボーイ〉
     (昭和五十二年 第22回有馬記念に寄せて)

 いつかむかし
 草原のくにの村に
 ふたりの若者がいた
 ふたりはともだちで
 いつも馬に乗っていた

 信じていた
 俺の駆る
 雄々しい鹿毛こそ
 僕の駆る
 凛々しい栗毛こそ
 いっとう速く走るのだと
 だけどふたりが
 駆けくらべをすることはなかった
 いつまでもともだちでいたかったから

 村はずれには羊飼いの一家
 親思いの末娘は
 働き者で器量よし
 村の若者たちはこぞって
 彼女のもとへ馬を駆って
 だけど娘がそっと愛撫したのは 
 鹿毛の逞しい首筋
 栗毛の美しい流星
 だけ
 帰り道、鞍の上
 ふたり口をきかなかった
 黙ったまま別れた
 はじめて

 三日たった日の朝
 鹿毛の若者が栗毛の若者を呼び出した
 なあ、どっちが勝つかで決めようじゃないか
 血走った目
 受けた、恨みっこなしだ
 痩けた頬

 その夜も満天の星
 宇宙の片隅に厩がふたつ
 勝たなきゃならない
 あいつはともだちだけど
 負かさなきゃいけないんだ
 決めたんだ
 分かるよなおまえなら
 若者は
 首筋をなで
 流星をなで
 先に娘のところへたどり着くのは
 俺とおまえだ
 鹿毛は一声いなないた
 僕とおまえだ
 栗毛はじっと見つめ返した

 ホウッ!
 ホウッ!
 爆ぜる追い声が
 いよいよ四肢を漲らせる
 二頭は轡を並べたまま
 駆ける駆ける駆ける
 若者が手綱を操ると
 鹿毛はぐいぐい躰を寄せる
 あえぐ栗毛
 若者が手綱を操ると
 栗毛はすっとま後ろに取りつく
 いやがる鹿毛
 抜きたい抜かさない抜けない
 離したい離さない離せない
 逃げる兎、飛び立つ小鳥たち
 狼すらも恐れをなす
 草原を切り裂いていく疾風
 いのちの塊
 ホウッ!
 ホホウッ!

 日が暮れて
 放していたいた羊をすべて寝床に帰したら
 娘の仕事も終わる
 急に鳴きだす相棒の犬
 どうしたのおまえ
 夕焼けに
 耳をすませば蹄の音
 目をこらせばふたりと二頭
 近づいてくる大きくなる
 娘はもう気づいている
 争われているのは自分だと
 はやくなる鼓動
 ぎゅっと掌を握りしめる
 やがて羊飼いの娘は
 王女の微笑みをうかべ
 草原の風に吹かれて待っている
 沈む夕陽を背負って
 ふたりの男がやってくる
 鹿毛と栗毛が駆けてくる

 ほかけさん、ありがとうございます。

 日本競馬史上歴代?1レースだと思ってます。写真はどうするか迷ったのですが、敢えて貼り付けてみました。
・不満


道端には沢山の名前が落ちている。
それをひとつ拾いあげて名を読もうとするが、その名を読むことはできない。
名を読むことをあきらめて、手にしたそれを道に捨てると再び名前が表われた。

それは石
それは草
それは虫
それはゴミ

意識と無意識の間でひらひらと名を漂わせるそれらの名前は朧な存在で、
意識を持ちしっかりと名前を知ろうとすると途端に……


蕎麦屋に入り、壁に書れた名前の一つを店主に告げる。
それぞれの名にはそれぞれの値段がついていているのだが、名の知られたものが高値をつけるというわけではない。
告げた名を持つものが運ばれて、名前を二つに裂いて、名前を少し振りかけて食う。

それはかけ
それははし
それはしちみ
それはそば

舌と内臓を喜ばせる出来栄えかどうかでそれらの名前は価値のあるなしを決められて、
記憶のどこかにその名を刻まれるのか――


ああ、
あなたの名前を私はしっかりと刻みすぎたのだ。
忘れられないものとして。
そこに快楽があり
そこに喜悦があり
知ってしまった喜びを求めるのは人の常なのに……

ああ、
いつか再び会えるだろうか、
会えたときに気がつくだろうか。
そこに滋養があり
そこに鉄分があり
求める多くのものをあなたは具えている――


生レバーよ!

・思想のウロウ


あなたは
花束
鯖だわ
シャバダバ
さまざまな

言葉から

連想
ほうれん草
ホレイショー
親友
隠喩
犬
遠吠え
と思え
戸を燃え
火
ひかり
ピカリ雷
ぴったりな身なり
しっかり波乗り

流れに乗って
ナがレになって
どなみふぁそらし
ゴマフアザラシ
海獣
ハレム
王者
おお、そうじゃ!
我発見せり!(ユリイカ)
割れ石鹸あり!(ユスリカ)
体を洗う
からダウ洗う
マネーロンダリング
汚い手
北ね
キタキツネ
啄木鳥つくね
着つつ「きつくねえ?」
太った
ふと立った

周りを見回して
馬は李を見「ワタシ手」
手はどうする?
ではどうする?
で、波動する
大和
やまとやま
マヤトマヤ
まだ富山
富士山頂
藤さん「ちょー!」
無事参上

こともなし
こひもともひこ
回文
分解
分けて解する
欠けて這いずる

孤立して
「こいつ指定」
個逸して

オリジナルを鼻で笑う
小粋なウを花で飾る

・そこ力


そこにいる
底にいる?
わたしは知っている
愛について真面目に考える
求めなくとも側にいる
強く求めなくとも
うつぶせに寝転がる
大の字になって
回転する地球はあなたを振り落としたりしない
しっかり抱きしめられて
わたしはいつでも抱きしめられて

ここにいる
個々にいる?
わたしはあなたを知らない
愛について真面目に語る
あなたの鳴声は母の神経を高ぶらせる
おんぎゃーと泣くわが子の
うつぶせ寝の危険を察知する
母は探知機となって
回転するあなたの健康をただただ願っている
しっかり抱きしめられて
かつてのわたしも抱きしめられて

存在する
理由は知らない
わたしがあなたに伝えたいことは理屈ではない
愛について真面目にどこまでも真面目に
強く求めるのであれば強く与えないのは何故?
うつむく視線の先に
うつむかない世界の丸さがあなたを驚かせる
人は獣の知らぬ秘密を発見している
輪廻するのか天昇するのかなどその時に知ればいい
しっかり抱きしめられて
笑う獣と笑う獣が抱きしめあう
そこに愛がある

・青空


あおがぬけた
そらぬけた
ドレミファ氏はハンカチで汗を拭う
入道雲をコーンにのせて食べる少女が横を通る
 まくて いしい
ドレミファ氏はその味を思い出そうとする

あおがぬけた
そらぬけた
蝉のヌケガラは樹にしがみついたまま
少年たちに見つけられて宝箱に入れられるのを待っている
 かいを つける
恋を成就させようと勢いよく蝉が鳴く

  ぞ たかく
てんたかく

ドレミファ氏は抜けた青空を見つけた

・dna


1
nandomokaku――

2
なんどもかくなんどもかく

4
なんどもかく何度も書くなんどもかく何度も書く

8
なんどもかく何度も書く何度も書く何度も書く何度も書く何度の書く何度の書く何度の書く

16
何度の書く何度の書く何度の書く何度の角何度の角何度の角何度の角何℃の角何℃の角何℃の角何℃の角納戸の角納戸の角納戸の角納戸の角納戸の角

32
――nandonokado?――

64
n「おい、d! 一回多くなってるやんけ。でしゃばるなよ」

d「お前のせいじゃ、ボケー! お前が『mo』を『no』を変えてもうたから『なんどのかく』て、なってもうたんやろが。『なんどのかく なんどのかく なんどのかく……』て繰り返されたら、『何度の角度』って言いたなるやんけー」

n「うるさいわ! 出てすぐに引っ込んでまた出なあかん順番やから、そのノリで出てまうことはあるやろが。お前みたいに一回だけの出番とちゃうから大変なんじゃ。それに、『なんどのかくど』やなくて、『なんどのかど』になってるやんけー!」

a「まあ、まあ、二人とも落ち着いて。僕たち三人がしっかり協力し合わないと、生まれるものも産まれなくなるんですから、ここはひとつ冷静になって、力を合わせて仕事をしましょうよ」

d&n ―― けっ! a(c)が。
 
128
……納戸の角納戸の角納戸の角納尾の角納尾の角納尾の角納尾の角なんおの角なんおの角なんおの角なんおの角おんなの角おんなの角おんなの角おんなの角の女の角の女角の女角の女角の女

256
――kadonoonna?――

512
d「『かどのおんな』て、なんやねん?」

n「お前なあ……抜かなあかんところとちゃう方のdを抜いてどないすんねん」

d「お前かて、直さなあかん『の』を放ったらかしとるやないかい!」

a「困りましたねえ……ここまで変わってしまうと、元に戻せるのか心配になってきました。私はお二人を信じてやっているのですが……」

n「けっ! あんたはエエよね。ただ単に順番が一番目やってだけで、やれ『エース』だの『Aクラス』だのちやほやされるんやから。

a「それは私の手柄ではないじゃないですか。それにnさんだって、日本のかな読みでは“最後の”『ん』っていうすごい存在じゃないですか」

d「おいa! あんまりnをいじめんなや。俺らが一番になられへんのは、ちゃんとわかってんねんから」

a「いじめるだなんて……少しでも良いところを指摘しようと思っただけですよ。dさんだって、Dカップと言えば、豊満な女性のほめ言葉じゃないですか」

d「あんなもん、いまじゃFカップだの?カップだのと、エーカゲンな基準のもんやんけ……」

n「最後…ドベタ……」

1024
……角の女角の女角の女角も女角も女角も女角も女かどもおんなかどもおんなかどもおんなかどもおんなかどもおんなかどもおんなこどもおんなこどもおんなこどもおんなこどもおんなかどもどんなこどもどんなかどもどんなかども……

2048
身・・

4096
水・・・

8192
実頭か・・

16384
視ず殻・・・

32768
未図化裸有・・

65536……
自ら産まれる。

――どんなかども?


 ×


a「あっ! しまった」

・・・・・・o


・ロケットパンチ


神への祈りハンマー
自己主張拡声器
社会批判マシンガン
自然回帰鍬鋤
自己憐憫カッターナイフ

手を変えて
(セットで買うとお得です!)

聖職者の聖水
奇術師の火炎
錬金術者の黄金
株式売買人の指先
赤い羽根共同募金

品を変えて
(今ならなんと! 消毒機能付)

肘にあるボタンを押すと飛んでいく
便利な手は
すぐになくなるのが玉に瑕


・あしゆび


足の指を使って、あなたのからだを抓まんでみる。
思うようなちから加減ができずに強く抓まんでしまう。
「いたいよ」と、あなたは言ってわらう。
「でも、おもしろいね」と言いながら、
あなたはあしのゆびを私の身体につける。
お互いのあしのうらを合わせて挨拶するという話がヴォネガットのSF小説(*1)の中にあった。

「痛っ」と声が出た。
私の腹の皮を抓まむ、あなたのあしのゆびを見る。
「ね、いたいでしょ?」とわらいながらあなたは言う。
私はあなたのあしのゆびを身体から放し、
口をあけてゆっくりと噛み付く。
「やだ、きたないよ」と、あなたは言いながらまたもわらう。
噛み付いたあしのゆびを開放しながら、「少女の足の裏にキスをする話が『バナナフィッシュに最適の日(*2)』にあったよね?」と私はあなたに言う。
「ええ、あったわ。
 あら? じゃあ、このあとピストル自殺でもするつもり?」と、あなたは答える。
もちろん、私は死ぬことなどまったく考えない。


二足歩行することは人間の特徴だ。人間以外の動物は四肢を使って歩く。二本足で歩くことができる動物は数多く存在するが、常に二本の足で歩く哺乳類は人間だけである。止まっている自転車やバイクが自立できないように、二本の足でまっすぐに立つことは、バランス感覚がなければできない。歩き始めたばかりの幼児はすぐに転ぶ。そして転んだことにすこし驚いて不機嫌になったりしながら再び歩き出す。

人間は樹上生活を捨て、草原に立ち、二足歩行で世界を歩きまわり生活圏を広げていった。常夏の赤道直下から極寒の北極・南極大陸まで暮らしを広げ、ついには大気圏を脱出し宇宙空間にまで歩を進めた。一歩目はふらついた幼児と同じように、すぐに転んで、ひざやひじを擦り剥いて怪我をしたことだろう、いつも、すぐに立ち上がって再び歩き出したのだろう、いつも、それは生きるための意味だとかいったものとは違う、もっと根源的なちから。


私はあなたのにほんのあしを掴んで、
私の頬をあなたのあしのうらで挟む。
「アッチョンブリケ!」
あなたはわらう。
私もわらう。



◇◆

*1:「ボコマル」(boko-maru)のこと。
カート・ヴォネガット作『猫のゆりかご』に出てくる架空の宗教ボコノン教の信者が行う儀式。
二人の人間が裸足の足の裏をぴったりと押し付けあう儀式。ボコノン教徒は、互いの足の裏(Sole)を密着させることによって、心(Soul)を通わせることができると信じている。

*2
「バナナフィッシュにうってつけの日」(原題:A Perfect Day for Bananafish)は、J・D・サリンジャーの短編小説。短編集『ナイン・ストーリーズ』に収録。



「赤く凍る」


黒い人とはどんな人だろう
赤い人の見間違えではないか
そう例えば僅かな貝殻しかない冬の砂浜で
今にも挨拶になってしまいそうなぼくらみたいに

岩場を叩く海の手
弾ける飛沫は幽霊になった火の粉に似ている
鋭く切り立った岩を安心した肌が汚している
眼鏡が落ちることよりもズレて
整った君がみにくいんだ

貝殻があまりにもない砂浜
なにに耳をすましたらいい
なにに息吹きをかけたらいい
なくしたことをなくしたと笑っている友達
友達がどんどん思い出になる
記憶のネガで黒い人になっていく
現像はしない
するはずがない
しだいに赤くなっていく
赤く燃えて
言葉にはしない
歌にもならない
貝殻がなぜこんなにもない
赤く燃えて
僕にとっての赤に
虫にとっての赤に
魚にとっての赤に
鳥にとっての赤に
標識になれない混沌に見つかり
波飛沫は幽霊の火の粉みたいで
友達がなくしたことをなくして
ぼくらが挨拶になっていく

赤く凍れ
ずっと新しい波飛沫みたいに
君にとっての青みたいに

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