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男はつらいよコミュの『男はつらいよ』主題歌 誕生時のエピソード

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1年前(2012年1月8日)にお亡くなりになった作曲家・玉木宏樹さんのWEBページです。
http://www.archi-music.com/tamaki/talk96.html
このページの真ん中あたりに、<私と-寅さん(渥美清)-との意外な裏話>というタイトルの文章があり、そこに、『男はつらいよ』主題歌が誕生した時のエピソードが書かれています。

該当する部分を下に引用します。

〈引用始め〉--------------------------------------------
<私と-寅さん(渥美清)-との意外な裏話>

ここんとこ毎日「男はつらいよ」のテーマソングがTVで流れているが、私としては 非常に複雑な思いである。何を隠そう、あの歌のイントロ及び、バック、つまりあの 歌の編曲は私がやったものなのである。もちろん、タイトルに私の名前が載っている わけではない。私の師匠、山本直純氏の作曲、編曲になっているわけで、つまりあれ は、私が直純氏のアシスタント時代の数多い仕事のひとつであり、音楽だけに限らず 、誰かのもとで修業するのがあたりまえの時代では、当然のことで、私自身が師匠に 権利を云々するつもりは一切無いので誤解の無いように。しかし、複雑な思いがする というのは、実は、あの番組が、あのようなお化けに変化するとは誰も想像だにして いなかったことにあるのだ。

私が21のころから、直純氏のアシになって、4年目に入っていたころ、芸大時代の1 年先輩で、直純門下でも1年先輩だった、坂田晃一氏(NHKの「おしん」の音楽等で活 躍)も独立し、次はそろそろ自分の番だと思いだしたころ、映画でいえば、セカンド から助監督になったころの仕事のひとつに、フジTVの渥美清ドラマシリーズがあり 、「おもろい夫婦」は何回か主人公を変え、放送されていた。そんなシリーズ的なド ラマの一つとして「男はつらいよ」が企画され、あのテーマソングが作られたのであ るが、師匠をはじめ、だれ一人として特別な意識をもって臨んだのではなかったから 、テーマソングをAB2曲作って録音するというときも、いつものように、30人くらい のオーケストラで2時間拘束という段取りだった。 あのころの直純氏は絶好調そのも ので、2時間のスタジオワークは必ず30分は遅れ て始まるのが当たり前だったが、特 にあの時は悲惨なものだった。たしか2時から4時 までの2時間の録音予定なのに、師 匠は、30分たっても現れない。 当時は、青山のAVACOスタジオが直純氏の仕事の本拠 地みたいなもので、2階に陣取 ってイライラしていた我々の前に師匠が現れたのは、 1時間もたった3時のことで、当 然作曲はそれから始めるわけである。同じ詞で(そ れが、あの俺がいるからお嫁にゆ けぬ、である)2曲書いて、30人用のオケに編曲す るわけだが、直純氏が2曲のメロデ ィを書き終わったのは、3時15分で、スケッチを ポイと私に渡した師匠は、1階に飛び 降りていき、すぐさま下から「玉木さんまだか ー」と大声で怒鳴り、仕事が遅いのは 、無能な弟子のせいだといわんばかり。当た らずと言えども遠からずとはいえ、あま りの身勝手さにこちらもカッカしながら、 投げ付けられた歌譜に適当なコードを付け (今から考えるとすごくコードの付けに くいメロディだった)イントロと間奏を付け 、殴り書きのオケ譜のスコアを15分で 書き上げ、今度は私が下へ駈け降り、今度は2 階の写譜屋に向かって「まだかー」と 怒鳴るという、直純工房としては日常的なパタ ーン(しかしあの日は特にひどい方 だった)の結果できあがったのが、あの歌なので ある。いま思いだしても、よくあ んなせっぱつまった短時間にあんなにのんびりとし たイントロをよく書けた物であ る。

そして、やっとギリギリの時間にオケも録り終えほっとする時間もあらばこそ、人 使いのあらい師匠に私は仮録音で歌を入れろと命令されたのだった 、フジTVのドラ マ制作部に、私の歌声が飛び交うことになる。一回目のドラマの打ち 合わせも終り 、制作部に顔を出すと、何人かで私の歌ったテープを聴いている場面に も遭遇した が、ある人の「曲はどちらでもいいけど、この歌ってるやつは誰だ!へた くそだな あ」と言う発言には随分傷ついたものである。

そんな経過で、渥美清さんにあの歌をレッスンつけたのも私だった。15も年下の生 意気な若造にもあの人は「そうですか」と丁寧に応対し、何度も「これでどうでしょ うか」と問い掛けてくる、律義な人だった。

そんな縁もあって、私は「男はつらいよ」の映画にも出演している。マドンナの佐 藤オリエがチェロ奏者で、私は、彼女と一緒にアンサンブルをしている第一ヴァイオ リンで、何分間か確かに出演している。このあいだビデオを買って見てみると、今の 、太って禿げた醜い姿からは想像出来ないほど ガリガリにやせた神経質な青年がヴ ァイオリンをひいていた。

渥美清さんとは、TBSラジオの「やもめのガンさん」という一人芝居の番組に、音 楽 も私のヴァイオリンだけという取り合わせで1年間ほどコンビを組んだこともあった 。
合掌。
〈引用終り〉--------------------------------------------

コメント(12)


ヨシヒロ多摩さん
寅さん主題歌にまつわる貴重なお話しアップをありがとうございましたクローバー
ヨシヒロ多摩さん

渥美さんの一人芝居に名作曲家さんの音楽、チャンスがあったら私も聴いてみたいです。

録音が残っていたらホントいいですよね(*^-^*)

あのイントロにこんなエピソードがあるとは知りませんでした。かつて私が聞いた話ですが、イントロで同じ音程を長くして始まると言う事は音楽的にも誠に珍しい事なんだそうです。確かに古今東西の音楽を聴いても長音から始まるイントロは無いですね。 傑作と言う物は苦労の狭間で産まれるものだとヒシヒシ感じました。
ヨシヒロ多摩さん

24の瞳は渥美さんのナレーションなんですね。知りませんでした電球
渥美さんといえば私の中では、寅さんになっちゃうもので…
シリーズ全部は見られていませんが、マドンナの中ではリリーさんが大好きだったりしますヨ。


美々さん

主題歌のイントロ、そういう珍しいものだったんですね。
聞いて「なるほど〜!」でした♪


>>[008]

返信ありがとうございました。
随分なご無沙汰返信になってしまいましたが…


リリーさんと寅さんは、何でも言い合える仲だからこそ、ケンカもできるんですよね。


相合い傘は、寅さんマガジンを買いたかったんですが、売りきれていて手に入らないでそのままですあせあせ(飛び散る汗)映画館では観たんですけどねあせあせ(飛び散る汗)


先に耳で聴いてから映像で改めて楽しむのもオツな感じですね。
>>[010]

DVDマガジンならではの読み物もあったりは、嬉しいですよね。


寅さんの世界と出会えて、本当によかったですひまわり

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