70年代の作品では、ベストに挙げる人も多い74年のジャクソン・ブラウンの3枚目です(愛妻フィリスと前年生まれたイーサンに捧げられてます)。印象的なジャケットは、マグリット風に試みたとか。前作の録音に金を使いすぎたこともあり、金のかからんツアーバンド(デイヴィッド・リンドレー(g,fdl)、ラリー・ザック(ds)、ダグ・ヘイウッド(b、vo)、ジェイ・ワインディング(kb))を起用しての録音ですが、これがかえってまとまりを良くしてる感じです。 全曲素晴らしいのですが、特に挙げるとまず、"The Late Show"。ややクサい構成ですが、ラスト近くでシヴォレーの排気音のSEを入れて、「もう一度やり直そう」と歌われるこの歌は、青くさいといわれようが感動的です(「哀しみをゴミ袋に入れて、明日だそう。だって明日はゴミの日だから」なんてなかなか歌えないです。うねりをもったリンドレーのラップ・スティールgの素晴らしさももちろん)。 肯定的な愛の歌といえば、"Fountains Of Sorrow"も忘れられません。"For A Dancer"は友人の死の事が、歌われてますが、プリテンダーズのメンバーの死を悼んで、80's初めにはステージで歌われた事もありました(この時のライヴは、ソロになったリンドレーに変わって新メンバーのリッキー・ヴィトウ(後にフリートウッド・マック)のお披露目となりました)。 "Before The Deluge"は、社会的なテーマの歌で、80年代はこのタイプが中心になるのですが、この当時はまだ珍しい程度です。ステージでは、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの"Everyday People"の一節(♪We've got to live together)を盛り込んで「同時代に生きる」事を強調してたりしてました。いわゆる「警笛」の歌。ちなみにdelugeとは、洪水の意味で、同じ頃ディランとザ・バンドの復活 ライヴ盤が「洪水の後で」と言うタイトルを付けられたことと妙なシンクロニシティーを感じます。 そうそう、マーティン・スコセッシ監督の「タクシー・ドライバー」でタイトル曲が使われてて驚いたこともありました。
世代的には「Running On Empty」もしくはハードエッジな「Hold Out」ですが、やはり1枚となるとこちらかなあ。
>この悲しみをたたえた音づくり、そして、せつせつと歌う声に
>人間誰しもあるであろう寂しさとでもいうのか、とても共感できるものがありこれは納得ですね。もちろん歌詞がストレートに伝わってくるわけではないですが(言葉の問題もあって)、このLPはそれこそ対訳を見つつ何度も何度も聞きました。小倉エージさんの「僕はまだ「Late For The Sky」のA面を卒業できていない」という発言は何となくわかるなあ、とその当時(すでに時代は「Pretender」でしたが)思ってました。