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200×年映画の旅コミュの2007年9月下旬号(韓流フェス)

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「公共の敵2 あらたなる闘い」(9月29日 シネマート六本木)
2005年/監督:カン・ウソク

【★★ 主人公像が前作よりおとなしく、悪役も展開も類型的だが、佳境に向かうに従って観客を引き込む】
 六本木で開かれている韓流フィルムフェスティヴァル、たまたまこの日の前売りを買ってあったので、朝から3本ハシゴしました。
 1本目の「公共の敵2」は、前作「公共の敵」を2年前くらいの韓流フェスで観て面白かったし、わたくしが贔屓にしているソル・ギョングが出る映画にハズレはないだろうと思ったがゆえ、前売りを買うことにし、ついでだからこの日に上映される映画の前売りを、面白いかどうか予備知識もないのに、エイヤッと買ってしまったのです。
 前作「公共の敵」におけるギョング氏は、「顔役」の勝新、「県警対組織暴力」の文太、または「野獣刑事」の緒形拳のように、ワルに通じながらもワルを追い詰めるハミダシ刑事ぶりが痛快でした。
 今回のギョング氏は、前作と同じ役柄の数年後という設定らしいですが、刑事から今度は検事に格上げされた一方、裏で実はワルに通じているといった破天荒さはなく、勘だけを頼りに捜査を進める展開が一本調子にも思え、やや寝不足のせいもあって、前半はウトウトしてしまいました。
 私学財団の理事長を務めていた父が死に、兄が二代目を継いだものの、その兄を交通事故によって葬り去ろうとして、財団の資金を私物化しようとする悪役のチョン・ジュノは、「大変な結婚」で見せた人の良さとはうって変わって、非道なワルに徹しているとはいえ、役柄自体はあまりにも類型的で、薄っぺらいと言わざるを得ませんし、そのジュノとギョング氏が高校時代からの同級生だったという設定も、わざとらしいと思いました。
 しかしながら、物語が佳境に向かうに従ってグイグイと観客を引き込む力はあったのであり、政界からの圧力によって捜査が頓挫しかける状況の中で、もはや法律の力に頼る検事という職などかなぐり捨てて、肉体的な力によってワルをねじ伏せようとしたギョング氏が、上司の部長検事の説得で揺れ動くあたりの葛藤、賄賂が横行する韓国政界への怒りが反映した筋立てなどに、監督やギョング氏の思い入れが表れて観客を説得します。
 韓国本国では、前作を上回るヒットとなったそうですが、中身は前作には及ばないとは思います。


「角砂糖」(9月29日 シネマート六本木)
2006年/監督:イ・ファンギョン

【★ 男性社会と思われる騎手の話を女性主人公にした点は目新しいが、展開はあざとく、ご都合主義の代物】
 この日の韓流フェス2本目は「角砂糖」。たいした予備知識もなく、韓国でヒットしたらしいという理由で前売りを買っていた映画です。
 パク・チャヌクの新作「サイボーグでも大丈夫」で主演し、わたくしが観た映画でも、「ピアノを弾く大統領」でひねくれた性格の大統領令嬢を、「アメノナカノ青空」では難病を抱える女子高生を演じていたイム・スジョンが、小さい頃母親に死なれた競馬馬牧場の娘に扮し、同じように母なしで育った子馬“雷”を溺愛するものの、その馬を父に売られてしまい、その後スジョン嬢は騎手学校を卒業して競馬騎手としての道を歩む過程で“雷”と再会を果たし、当初はなかなか勝てなかったものの次第に頭角を現わし、ついにはグランプリ・レースでの優勝を目指してスジョン嬢と“雷”の二人三脚生活が送られるというお話。
 男社会だと思われる競馬騎手の物語を、女性主人公にした点に目新しさはあるものの、まあよくある話なので、前半はやはり眠くなり、20分近く寝てしまいました。
 中盤、隣の客が啜り泣く声で目覚めると、別れ別れになっていた愛馬とスジョン嬢の再会場面で、そこからあとは寝ないで観ていましたが、馬が肺の病気を抱えていることを知り、スジョン嬢はレースを諦めて手術を受けさせようとするものの、馬のほうがレースの出場を熱望する、などという、馬に人格を付与するような作りにわざとらしさを感じ、クライマックスのレースで主人公が優勝するのはお約束としても、ゴールを果たした直後に馬が倒れるなどという都合の良さには、つい鼻白んでしまい、あざとい映画だと思ってしまいました。
 しかし、隣の人がずっと啜り泣いていたところを見ると、きっといい映画なのでしょう。


「強敵」(9月29日 シネマート六本木)
2006年/監督:チョ・ミノ

【★★★★ 期待していなかった分、すごく得した気分の、血沸き肉踊り、一瞬たりとも目が離せぬ傑作活劇】
 韓流フェスこの日3本目は「強敵」、これも予備知識はありませんでしたし、実は全く期待していない、熟睡候補の映画だと思っていました。
 しかし! 寝るなんて、とんでもない、血沸き肉踊り、一瞬たりとも目が離せぬ文句なしの傑作でした。期待していなかった分だけ、いい意味で裏切られた歓びも大きかったのでした。
 主人公は二人いて、まず一人目は、パク・チュンフン(わたくしには馴染みのない顔です)扮する刑事。パトロール中に相棒と離れて酒を飲んでいる間に、相棒のほうは高利貸し殺しの現場に駆けつけようとして、殺しの犯人と格闘になり、人間離れした怪力の相手によって逆に殺されてしまいます。高利貸し殺しを操っている真犯人は、表向きは孤児院の院長をしているオ・スンテクです。そして、相棒に死なれてしまったチュンフン氏は、必死に殺人犯を追いかけようとしますが、取り逃がしてしまいます。
 もう一人の主人公は、恋人ユ・イニョン(竹内結子のそっくりさん)と一緒にラーメン屋を経営しているチョン・ジョンミョン(日本の俳優・水橋研二をワイルドにしたような感じの男で、「子猫をお願い」のチョン・ジェウンが監督したローラースケート青春映画「台風太陽」に出ていたらしいですが、記憶にありません)。彼は孤児院の仲間だった親友チャ・チャンミン(彼を操っているのも、表向きは孤児院院長のオ・スンテク)から、高利貸し殺し現場の事後処理を頼まれて、高利貸しの仲間のヤクザたちの根城に単身で乗り込み、ヤクザたちから追われた末、命が助かる道として、自分から警察に捕まります。
 逮捕されたジョンミョンくんは投獄されてしまうのですが、咄嗟にわざと金属類を飲み込んで警察病院に運び込まれ、腹の金属類除去手術を受けたのち、監視の警官を倒して脱走を果たします。そして、たまたまその病院の中で相棒の葬儀をしていた刑事チュンフン氏と遭遇し、ジョンミョンくんがチュンフン氏を人質にする形で、脱獄の道連れにするのです。
 こうして文字で粗筋を書いていると、映画のスピード感を再現できずにもどかしく思えますが、実際の映画は、刑事チュンフン氏のドラマと、青年ジョンミョンくんのドラマをスピーディーにカットバックしながら、あれよあれよという間に進行してゆくアクションの連なりに、観客をグイグイと巻き込んでゆくのです。ジョンミョンくんを乗せ、チュンフン氏に運転させた車が、列車と衝突する寸前に線路の向こう側にジャンプする場面など、最近のハリウッド映画でもこれだけのスリルは描かれていないとすら思えるような、見事な場面です。
 このように、刑事と脱獄犯が手錠に繋がれたまま行動をともにする過程で、二人を追う警察サイドは、ジョンミョンくんが高利貸し殺しの犯人だと断定する一方、チュンフン氏は真犯人が別にいると確信し、ジョンミョンくんもチュンフン氏を「兄貴」と呼ぶようになるなど、信頼を寄せるようになって、二人の間に友情めいたものが芽生えるに至るわけですが、チュンフン氏が絵に描いたような熱血刑事ではなく、難病の息子のために手術費用も工面できず、いっそジョンミョンくんとの逃亡中に殉職すれば、多額の見舞金が息子に贈られるため、自ら進んで死のうとするようなダメ男と設定されている点に、人間臭さが溢れています。ジョンミョンくんのほうも、恋人のユ・イニョンへの想いがジンワリと観客にも伝わり、彼の人間臭さが観客の心を捕らえるのです。さらに、チュンフン刑事の同僚である班長刑事が、合同捜査本部の面々によるチュンフン批判をよそに、今もチュンフン氏には信頼を寄せていて、いつかチュンフン氏が真犯人を挙げてみせると信じているところが、やは
り人間臭くて泣かせてくれます。
 思わぬ拾い物映画で、こういう映画と遭遇すると、なんだかすごく得した気分です。

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