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高木神話コミュの高木の女  第六部 夢はフリスクとリアル

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気付いたらランチは毎日カツカレーを食べている。


会社に行くのが楽しくなっていた。


ショウコという新しいタイプの女の子の登場によって。



高木はキャバクラの女しか好きになれないというチャーハンスパイラルから、
ドミノが並べてある本線に切り替わった気がした。


気付いたらショウコのことばかり考えるようになっていた。



一人で歩いていてカワイイ子とすれ違ってもバックミラーで確認しなくなった。


高木の好きな、「睨むようなギャルの顔」を見た時も、振り返らなかった。

池袋から山手線に乗って新宿に着き、扉が開いた直後に最前列のギャルが出すあの顔だ。




今の高木には池袋や新宿は楽しくなかった。






チャーハンを欲さない高木の心はまさに成城学園前だった。




チャーハン過多とカルテに書かれたこともある




高木が。





成城学園前

だった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−

ショウコのことでウキウキしながら、

駅前のベンチに看板をくくりつける。

針金を巻き付ける簡単な作業だがリスクもあり、何より面倒くさい。




しかし今の高木は、仕事でも自分が渋滞の先頭に立つという気持ちでいっぱいだった。






そんな時、代表に呼び出された。

事務所のドアを開けるとこの時間帯なのに社員が全員そろっていた。






事務所の空気が重かった。


しゃがまないと息ができないほど重かった。

山脈か。神が創造した山々か。




そして代表が口を開いた

「ヤスが警察に捕まった。」





「で今日からこの事務所なくなるから。みんなこれ持って今から逃げろ。」

そう言うと、1人ずつ10万円を渡された。





それは事実上、最後の給料ということだった。







この業界で働いてる限りいつかこの日が来ることはわかっていた。

代表が最後に


「みんな、捕まるなよ。」


そう言い2階の窓から我先にと、飛び降りた。






代表の最後の一言はみんなを心配するのではなく、「溺れる代表はワラをも掴む。」という国語の授業を受けているように聞こえた。


社員全員が参考人として呼ばれる可能性があり、皆、追われる身となった。



エンディングはあっけない。
高木はエンドロールを見る余裕もないまま事務所を後にした。



さて、
家には帰れない。
ルノワールのソファーでゆったり考える。





まずは職か。

今度は自分で始めるか。



ヤミ金を。






一度描いたアンダーグラウンドというTATOOは、増やすしか強くなれないことはわかっていた。

染み付いた技はある。
金貸しというセンスと、才能にも自信があった。



風邪薬が1箱最低24錠からだからいつも戸棚で余らせてしまうことと同じように、取れるところからもっと取れるという自信もあった。




しかしこの業界から足を洗い、ビオレがついたままでもバスタオルで拭くにはちょうどいいタイミングだった。





独立するには金がなかった。
Know-howがなかった。
自分で始めるにはあまりにもフリスクとリアルがあり過ぎた。






足を洗おう。

それは肌の弱い高木が自らの意志で決めたことだった。







まず考えるべきことは、職ではなく住むところだった。


クダンシタか。


いや、近すぎる。自分と近すぎる人間は良くない。







高木には、一人だけアテがあった。



高木は電話をかけた。




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