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高木神話コミュの高木の女  第二部 頬からにじむカシスは上京したて

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高木達の異様な空気に触れた店の店長は、すぐに高木達を奥の席へと通した。

ここはヴィクトリアをつけることにした。

この日のヴィクトリアはくせのある常連客につかまり、結構飲まされていたがここはヴィクトリアしかないと店のCEO(最高経営責任者)は素早く判断をした。


ヴィクトリアは少し赤くなったほっぺたで高木の席についた。


・・・。




ついに高木が口を開いた。


「飲みすぎて顔からカシスがにじみでてんぞ。」


ヴィクトリアはカシスという言葉のセレクトにドキッとした。


待って、あたしドキッとしてる。
なんだこのドキッは
恐怖か?

高木のもつ眼力にドキッとした。
パッチリ一重にドキッとした。
笑わないすわった瞳にドキッとした。


何この人?
この眼、花火師?


・・・。


「そんなことないよー」

ヴィクトリアと一緒に席についたふみえが、なぜか口を開いた。


そう言うとふみえは、ヴィクトリアのほっぺたを手で拭い、自分の指を舐めた。


「あれ、でも甘い。」


ふみえのノリつっこみが空を切る。

ことごとくスベッた。かまいたちか?


店内にムシズが走った。
何億というムシズがいっせいにクラウチングスタートでフィールドに飛び出した。


ヴィクトリアは高木の眉間にシワが寄ったことにすぐ気がついた。

ふみえはそのシワには気がつかなかったが、挽回せねばというかまいたちのささやきだけが聞こえていた。


すると一緒に来ていた後輩であるクダンシタがその様子に気づきたまらず口を開いた。

「カシスって悪酔いするもんね。」


カシスを悪酔いするぐらい飲む奴はなかなかいなかった。


クダンシタは助け船を出したはいいが溺れそうになっている自分に気がついた。


「そうそう特にカシオレなんかさ...。」

すでに溺れているふみえがかろうじてつかまっている自分の流木のスペースを空けた。


クダンシタはその場に甘えが出てふみえの流木につかまり、ノラリクラリと二人で話し始めた。



溺れていることに変わりない後輩を見て高木は情けなく思い、冷たい視線を送った。

二人はセガフレードで英会話を教えているアメリカ系白人ときれいに弧を描く眉毛ラインのディーバがいちゃいちゃしていることを思い出させて皆、少し嫌な気分になった。

クダンシタは完全に我を忘れ、安いバーボンを必要以上にあおっていた。


ふみえは一見きれいな顔立ちに見えるがパーツの一つずつが大きく、少々広がった鼻の穴が特に気になる。

その鼻の穴はボーリングの指を入れる穴のようだった。


クダンシタとふみえの二人と平行して高木とヴィクトリアの距離も近づいているようだった。

ヴィクトリアは新潟から上京してきたばかりで横浜に行ったことがないという簡単な会話から二人は横浜デートを約束していた。


「あれ、まだ頬が赤いぞ。」

「違うよ。新潟から上京してきたばっかりだから。」

そう言うとヴィクトリアの右手が高木のヒザに軽く触れる。


暗がりでよくわからないが高木のほっぺたも上京したばっかりのようになった。

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