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インド夜想曲コミュの印象に残ったシーン

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12の断章で構成されたこの作品。人それぞれに思い入れのあるシーンがあると思います。そんな自分の好きなシーンを語っていきませんか?

コメント(10)

そんなわけでまず僕から。

映画版オリジナルのエピソードですが、主人公が列車のコンパートメントで出会うユダヤ人の老人が印象的でした。

その老人は列車に乗ってある人に会いに行く、と言います。やがて話していくうちに、その老人はナチスドイツの収容所の生き残りであること、会いにいくのはそこで出会った医者が分かります。

その医者は、ユダヤ人を使って人体実験をしていたのでした。ユダヤ人の老人は、まだ少年だった頃、その医者の実験台にされていました。医者が傍らに置いていたのは踊るシヴァ神の像。医者いわく”劣等なユダヤ民族は、このシヴァの踊りのように輪廻転生を経て、高等な民族に生まれ変わるのだ”と。

そのことがずっと心の重しだった老人は、インドに逃れている医者を捜し当て、言っていたことを本当に信じていたのか、確かめに行こうとしているのでした。

列車の中での話はここで終わりますが、後日譚がついてきます。

主人公がバスの中でまどろんでいると、ラジオからニュースが聞こえてきます。そのニュースいわく”ドイツ人が殺されているのが発見された。傍らにはシヴァの像が転がっていた”と。

これでエピソードは終了ですが、人間の宿命について考えさせられる、鮮烈な印象を残しました。
私の場合(映画は観ていないので)小説ですが。

最も強く響いた箇所は、6章にあります。

主人公が寝台車で同室となった人物と、肉体は自分で自分を運ぶ鞄のようなものかもしれないと語り合います。
最後に(自分はもう僅かしか生きられず、死ぬためにベナレスに行くという)その男性が「こうしてお会いした姿では、もうお目にかかることはないでしょう。このスーツケースではね。よいご旅行を」と言い、主人公が「あなたも良いご旅行を」とこたえる。。。

ガツンときました。

ひょっとして映画にはこのエピソードは無かったりして?
本ですが、10章の郵便配達員とのやり取りが好きです。その前に色んな人との出会いがあったせいかも知れませんが、何となく温かい感じがしてホッとしました。毎日、分厚い電話帳一件一件に絵葉書送る生活に憧れます。
るりらさん

貴重な情報を有難うございました。なるほど、原作にはないながらも、妙に映画との整合性がいいエピソードだと思っていましたが、オリジナルはちゃんとタブッキの原作なんですね。納得です。インド夜想曲が出版された翌年の短編ということは、インド夜想曲の補足的な意味も込めて書いた短編なのでしょうかね。これでまた、この映画に対する理解が深まりました。

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