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愛の劇場 リレー小説部コミュの妄想 愛の劇場 第7話

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妄想 愛の劇場 第7話


【  錯  綜  】


開かれたブラインドから夏の陽射しが一斉に溢れ出し、力強い光の束となってチェス盤を模した白い床の上へと降り注いだ。

一瞬で部屋中を満たした光の渦の中、二人の男と二人の女の裸体が白く浮き上がり、そして時が止まったかのように向かい合っている。

開いた窓から漂うやわらかで暖かな空気が夏を匂わせ、外に生い茂った木々には躍動感を凝縮したような重厚な緑が光り輝いていた。


_______________________________


『 三 四 郎 』



(ぷぎ・・・ぷぎぃ・・)

(あら、この子ったら・・・あなた、三四郎が御父様の名前を呼んだわ。)

(何を言ってるんだ、そんな訳無いだろう。)

(あら、ホントに呼んだんですよ・・・)


 −−−−−−−−−−


(三四郎ちゃん、元気で丈夫な子に育ちなさい・・)

(貴方に流れている血はね、特別なのよ・・・)


 −−−−−−−−−−


(・・・また・・あの夢か・・・。)

突然の光の洪水に我に返ると、三四郎の視界に微笑んでいる容子の横顔が映った。

いつ見ても美しい姿勢が醸し出す上品な佇まいと、内側から滲み出すような気品。
三四郎は容子のそんな雰囲気に心惹かれ、また愛しさとは異なる安心感のような感情を抱いていた。
それは、どちらかと言えばまるで母親に対して感じるような、依存という言葉に近い感情であったのかも知れない。


しかし、三四郎の胸は高鳴っている。
その理由が理解できず、三四郎は困惑していた。

いや、正確には三四郎自身、その理由はわかっていた。

目の前には、−まるで銀河の外へ旅立たせた人類のイラストのように− 全裸で佇む北村と実帆‥容子の妹がいる。

そして三四郎の瞳には、北村の姿のみが映っていた。


北村は真っ直ぐにこちらを見据えている。口許に微笑をたたえ、細い目元に不釣合な大きく黒い瞳。その静まった湖底のような深い濃緑が、三四郎を凝視していた。

まるで吸い込まれているように、北村から視線を外す事が出来なかった。流線型の体躯は理想のバランスを保ち、健康的な褐色の肌は、陽射しを弾いて白く輝いている。

逞しい上腕筋は厚い胸板に支えられ、腰から下半身にかけてのラインや、引き締まった足首に突出するくるぶしが三四郎の身体の奥深くを熱くさせる。心の奥底から湧き上がる衝動に、三四郎は戸惑っていた。

やわらかな風が上気した頬を撫で、蒸した土のほのかな匂いを僅かに感じたような気がした。


_______________________________


『 北 村 』


(美しい・・)

北村は三四郎の肉体を凝視し、観察していた。

細身ながらもよく引き締まった筋肉と、無駄なくバランスの良い肉付き。
程よく小ぶりで「キュッ」と上向いたおケツは、はるか上空を超え宇宙を目指しているかのようだった。

(白い褌を着けさせたいなあ・・)


そんな事を考えながら少し幸せな気分になり、ついつい微笑んでしまう北村であった。


_______________________________


『 容 子 』


容子は苦悩していた。


床一面に模したチェス盤。

二人のKINGと、QUEEN・・私。


私、チェスのルールなんて知らないの。


ううん、私の人生にルールなんていらない。

必要ないのよ、そんなもの。


ルールは、私。

私がルール。


ああん、もう何だかわかんない。



だって、将棋じゃおかしいでしょ?

エレガントじゃないわ。



それにしても、今日はホントにいいお天気。


うふ。

うふふ。


うふふふふふふ‥




________________________________


『 実 帆 』


実帆は、一点を見つめ続けていた。

両手の力をダラリと抜き、「きをつけ」の姿勢でやや上を向いている。
大きく見開いた純粋な瞳は、ただ一点を見つめている。口許は半開きだ。


窓の外に白く輝く、木々に繁る葉っぱの一枚一枚。

その葉っぱの数を、数えていた。


(いち、にい、さん、しい、ごー、ろく・・・)

(じゅうはち、じゅうく・・じゅうく・・・)


(じゅうく・・・)


(・・・・・)



「あはっ」


そう言って実帆は大きな口を左右に開けて笑い、手足をパタパタした。



(いち、にい、さん・・・)



(・・・・・)



_______________________________




夏の或る日、全裸で佇む4人の男女。


pipi…pipipi…

森の中に、降るような小鳥のさえずりが響いていた。



その後の彼らを待ち受ける運命とはかけ離れた、ゆっくりとした時間が流れていた。



つづく


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

続きはマサト・・と思ったけどじぇし!

2回目すんません。
だって面白かったから。。

コメント(4)

4人の心象風景が描いてあって、きれいな空気を感じる
書ききれない感じも出てて、笑いました

実帆はしかし、あれですね アホアホなんですね、あはって。
↑オイシイでしょう

妄想世界はやりたい放題なのです。
とりあえず、第8話は一度整理する方向で。

「起承転結」でいう「承」です。

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