歴史　ちょっといい話コミュのフランツ・シュテファン

誰それ？といった感じの名前でしょうが、、、。

　オーストリアの絶頂期を治めたマリア・テレジアの旦那さんです。以前に、マリアテレジアのお話はしていますんで、今度は、旦那さんの方のお話をしようと思います。

　よく、マリアテレジアのことを女帝と言いますが、実際に皇帝の位についたのは、旦那さんのフランツでした。

　女が皇帝になるとは何事か？ということで、戦争が起こってしまったので、諸国を納得させるために、一地方の小さな諸侯でしたフランツシュテファンが皇帝になるんですよね。

　で、なぜに、そんな、小さな諸侯が皇帝になれたのか？なぜ、フランツシュテファンがハプスブルグの長女と結婚できたのか？そこには、どんな企みがあったのか？

　企みなんて、ありません。二人が結ばれたのは、恋愛でした。その後、１６人も子供が生まれたのですから、大恋愛の末結ばれたのは間違いないでしょうね。

　オーストリア継承戦争により、彼は皇帝の座に就いたのですから、堂々と親政をおこなうことだってできたのでしょうが、彼は、その肩書きだけを頂いて、裏方に徹するんですよね。
　
　これって、なかなかできないことだと思いますよ。皇帝として君臨しながら、女性の後塵を拝し、奥さんを立てて生きていくんですからね。
　
　フランツシュテファンは、政治の表舞台には出てこないんですが、要所要所でよく、マリアテレジアを支え続けます。

　たとえば、フランス、ブルボン王朝との同盟を成功させた立役者名宰相カウニッツを推薦したのもフランツでした。

　また、フランツ自身自然科学の学者でもありましたし、それを活かしてビジネスもしていました。当時、オーストリアはカトリックだったんですが、イエズス会が支配していたオーストリアの教育界に風穴を開けたんですね。
　現代社会において、自然科学なしには我々の生活の発展はなかったと思うんですが、そこに目をつけた、フランツはやはり、オーストリアの国益とその改革に大いに貢献したのではないでしょうか。

　また、フランツは実益にかなった学問をしていたおかげで、自らが手がけるビジネスで、大成功をおさめます。

　マリアテレジアは、その治世において、絢爛豪華な宮殿をいくつも建て、のちに来る７年戦争を戦いぬけたのも、国庫によるものだけではなく、夫の援助によるものも多かったんですね。

　フランツシュテファンは、７年戦争の最中に病でなくなります。マリアテレジアは、夫亡き後死ぬまで、常に喪服を着ていたそうです。よっぽど、夫のことを愛していたんですね。

　そして、フランツシュテファンの亡くなった１５年後、オーストリア帝国の絶頂期に君臨した偉大な女帝マリアテレジアもこの世を去ります。

　マリアテレジアとフランツシュテファンは、一族の墓所に安置されるんですが、この二人の棺は隣り合わせにそして、その棺を後ろには、夫婦が見詰めあっている彫刻が飾られ、今でも永遠の眠りについているということです。

　