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生活保護者の集いコミュの「最終的には生活保護」なのか 老後を描けないコロナ禍

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https://digital.asahi.com/articles/ASP515GS3P4ZOIPE00T.html

新型コロナウイルスの感染が再拡大するなかで迎えた1日のメーデー。厚生労働省によると、新型コロナの影響で解雇や雇い止めをされた人やその見通しにある人は、4月23日時点で10万人を超える。労働者からは怒りの声が漏れる。

 「どこまでギリギリの生活になれば、国は守ってくれるんでしょうか」

 東海地方に住む会社員の男性(60)はこぼす。

 今年1月、菅義偉首相が国会で口にした「最終的には生活保護」という言葉が忘れられない。感染拡大で生活が苦しい人への対応を問われ、答えたものだ。

 男性には、将来のための蓄えも家も全て手放さなければ、国は支援しないという意味に聞こえた。

 昨秋、解雇された。コロナ下の不況で、事業の縮小が決まったからだった。

 その企業には、2019年秋に転職したばかりだった。60歳が近づいており、定年後の再雇用では給料が下がる企業が多いなか、60歳を過ぎても待遇が変わらないところにひかれた。

 しかし、20年2月ごろから徐々に仕事が減り、春には休みを命じられた。夏ごろに一時仕事を再開できたものの、出社日は月の半分以下だった。お盆を過ぎて再び休業を命じられた。

 休業中の給料は、基本給の6割で、手取りでみれば半分以下に。アルバイトは認められたため、ハローワークにも通った。しかし、求人票では「年齢不問」でも、実際に問い合わせて年齢を言うと、難色を示された。警備員や介護職など業種にこだわらずに探しても、面接までたどりつけたのは10件ほどだった。

 解雇から約1カ月。20年末から、別の会社で働き始めた。60歳からの就職では条件が悪く、収入はコロナ前の半分以下に落ち込んだ。長男はこの春、大学に入学。住宅ローンはあと5年は残る。携帯電話を格安スマホに替え、蓄えてきた老後資金を切り崩しながら暮らしている。買い物時の消費税分の支払いさえ惜しく感じるようになった。

 住宅ローンの減免などで何か支援策がないか、行政機関に電話で相談してみた。めぼしいものは教えてもらえず、自己破産ぐらいしか思いつかなかった。

 男性は、雇用と暮らしを守るのは企業だけの責任ではないはずだと考えている。「この経済状況では、国が責任をもって対応するべきだ」。全国民に10万円を配った国の給付金が、1回で終わらず毎月あればと思わずにはいられない。

 住宅ローンを完済して、子どもが大学を卒業する65歳ごろまでは働き、そのあとは社会貢献しながら暮らすつもりだった。

 そんな老後は、もう描けそうにない。(山本知佳)

メーデーに1000人 コロナ対策訴え
 メーデーの1日、名古屋市中区の白川公園で、全国労働組合総連合(全労連)系の愛知県中央メーデーの集会があった。約千人(主催者発表)が集まり、オンラインで動画も配信した。

 愛知県労働組合総連合の知崎広二議長は、新型コロナウイルス下の経済環境について「コロナで死ぬか、生活苦で死ぬかの瀬戸際」とし、感染防止策は補償と一体化すべきだと訴えた。

 また、非正規労働者の不合理な格差を禁止するパートタイム・有期雇用労働法が4月に全面施行されたことに触れ、コロナ禍で国民の生活を支えるエッセンシャルワーカーには非正規労働者も多いと指摘。「誰もが安心して働ける環境をつくろう」と呼びかけた。

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