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けんのじのさきちな小説コミュのさき☆ちな 第21話 クリスマスイブ(前編)

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「Noel Noel Noel Noel・・・Born in the King of ISRAEL・・・♪」
 さっきから同じフレーズばかりが頭の中をめぐる。お姉ちゃんから借りたクリスマスソングのCD。
もう何日も前からずっとかけっぱなしでイメージトレーニングしている。別に何をトレーニングする訳でもないのだけれど、今日の日に向けて最高の日にしたいと綿密に計画を練ってきた。何があってもいいように、何があっても対処できるように、何回も頭の中でシミュレーションして・・・。
 大きく伸びをすると千奈美は窓を開けて外に手を出してみた。きゅんと引き締まるほど冷たい朝の空気。入れ替わる部屋の空気。少しフルーツのような甘い匂いのする部屋の空気は乾燥した爽やかに引き締まった空気に入れ替えられた。
 よく晴れた朝だ。千奈美は窓を閉めるとベッドの中で靴下を履き、もこもことした毛糸で編んだ大きなショールを体に巻きつけて一階に降りていった。


「おはよー千奈美!」
「あっ、みや!おっはよー!」

 挨拶をする口から白い息が目立つ通学路。千奈美たちの住む町は、そんなに山に近いわけでもないが丹沢山系から降りてくる冷たい空気のせいなのか冬はやたらと寒い。

「あ゛〜寒ぃぃぃぃ。」

雅が赤のギンガムチェックのマフラーを顔に半分巻きつけたまま喋る。

「さっ・・・寒いけど気持ちいいよね。」

千奈美もキャメル色のマフラーを鼻の辺りまで巻きつける。

「丹沢オロシってやつだね・・・あー寒くて膝小僧が割れそうだぁ。」

 寒い寒いと言いながらも二人とも校則に引っかからない程度にスカートは短い。ソックスとスカートにカバーされていない部分は冷え切って少し赤くなっている。

「あと・・・放射冷却かな。」

驚いた顔で雅が千奈美を見る。

「な・・・なによ・・・。」
「へー・・・千奈美がそんな難しい言葉使うなんて・・・。」
「失礼ねー!最近ちゃんと勉強してるんだからぁー!」

雅の目が細く意地悪に光る。

「へー・・・へー・・・なんでまた・・・。」
「べっ・・・別に深い理由なんてないよっ。

顔の赤くなる千奈美。少し悲しそうな目になる雅。

「まぁ・・・千奈美が勉強まじめにしだした理由・・・なんとなく解るけどね・・・。」
「え・・・。」

雅が突然立ち止まる。千奈美もつられて止まる。

「みや・・・?」

うつむいた雅が突然千奈美に抱きつく。

「へへっ・・・千奈美あったかーい!」
「ちょ・・・みやっ・・・みんな見てる・・・。」

千奈美の耳元で雅が囁く。

「・・・私も絶対千奈美と同じ高校に行くんだから・・・。」
「み・・・。」

また顔の赤くなる千奈美。

「ほら、先に行くよっ!」
 
 雅が照れて走り出す。朝日が逆光になって判りにくいけど雅も顔が赤い。

「まっ・・・まってよーみやぁー!」

笑いながら走る二人。


「起立!礼!さよーならっ!」

 終業式の後、通知表をもらいHRが終わった。係がストーブを消す。佐紀は小さい体をさらに小さくしてストーブの前に移る。なにしろ佐紀の席は窓際の後ろ。前にえりかがいるので黒板が見えにくいが隠れて内職するのにちょうどいいので気に入っているがとにかく寒い。窓の建てつけが悪いのか隙間風が身にしみる。
 今日は何と言っても24日。みんな忙しいのかさっさと帰っていく。

「ぐすっ・・・寒いよう・・・。」

 すでに火が消えて輻射熱だけのストーブの前で佐紀はしゃがんでハムスターのように丸くなる。

「あらら?こんな所に可愛い小動物がいる。」

 佐紀の後ろから包んで抱きかかえるようにえりかが抱きついてくる。何かつけてる・・・?すごくいい匂いがする・・・。

「小動物じゃないもんっ。」

 頬を膨らませた佐紀はますますハムスターみたいになる。

「もー!ホントに佐紀ちゃんは可愛いんだからぁ。」

 佐紀の右頬に後ろからえりかが自分の頬をあてる。千奈美とは違う柔らかさ。大人って感じがするな・・・。
 いつのまにか隣のクラスから来ている舞美が話しに加わってくる。

「ねーねー佐紀ちゃん、千奈美ちゃんのプレゼントは何にしたの?」
「え?う・・・うーん・・・。」
「なになに、まさか『プレゼントはわ・た・し』ってやつ?とか言って♪」
「舞美・・・親父くさいよ・・・。違うよねー、佐紀ちゃんが千奈美ちゃんにやってもらうんだよねー♪」
「えりだって親父くさいじゃんよー。」

 一人真っ赤になる佐紀。

「な・・・なに佐紀ちゃん・・・まさか本当に・・・。」

 舞美が目を丸くしている。

「え・・・ええぇー!いやん・・・とうとう一線を越えちゃうのね二人は・・・ステキっ♪」

 えりかが佐紀に抱きついたまま身をくねらせている。

「じゃあ・・・私も今日は舞美に私の全てをささげ・・・ってちょっと待ってよ舞美ー!」
「えりー!先に行くよー!」

既に舞美はドアの所に移動している。

「じゃっ佐紀ちゃん!うまくやってねー!」

 まったく考えていなかったわけではない。正直に言って千奈美が欲しい。千奈美の全てが知りたい。千奈美の顔、髪、指、背中、ふくらはぎ、足、全て・・・どんな形なのか・・・全てに触れて自分だけのものにしたい。どんな匂いなのか・・・キスしたらどんな味がするのか・・・千奈美の全てがほしい。
 でも今はそんな時期じゃない。一月にはもう入試の始まる学校もある。前期入試を受けなかった佐紀は後期にかけるしかない。
 第一・・・一度・・・千奈美に『怖い』からと拒否されている・・・。だめだよ、佐紀。今は勉強に集中しなきゃ。プレゼントは前もって買っておいたお揃いのマフラーと手袋とカーデガン。でも今日は・・・今日くらいは勉強を忘れて一日中千奈美といっぱい過ごすんだ。へへ・・・。少し体が暖かくなった佐紀は鞄を持つと早足で帰ることにした。


 家に帰るとお母さんが忙しく準備していた。妹二人も手伝っている。

「お帰り千奈美ー。さ、あんたも手伝って!」
「うん、部屋の片づけしたらすぐに降りてくるよー。」
 
 ドアを開けて自分の部屋に入る。優しく、甘ーく千奈美を包むフルーティな香り。うん、いい感じ。芳香剤だと安っぽくなってしまうので、母親にねだって買ってもらったアロマキャンドルをこの一週間しょっちゅうつけていたおかげでしっかり部屋に香りが染み付いている。お片づけもバッチリ。佐紀ちゃんを部屋に入れたらベッドのここに座ってもらうから・・・このぬいぐるみはここにおいて・・・うん、完璧。制服を脱いでスウェットに着替えると千奈美は母親の手伝いをしに下のリビングに降りた。

「あれ?そういえばお姉ちゃんは?」

きゃいきゃい言いながら手伝っている妹はいるが姉がいない。

「あー、友達のところ・・・さゆみちゃんの家でパーティするからって行っちゃったよ?」
「えー!手伝わないでー?」
「まー・・・絵里ちゃんとかれいなちゃんとかと一緒だから賑やかだろうねー。あー、泊まってくるかもって言ってたよ。」
「手伝ってから行けばいいのに・・・。」
「まぁまぁ。後はケーキのデコレーションととお肉を揚げるだけだからさ。この子達にやらせると不安だからあんたケーキやっといて♪」
「・・・どうなっても知らないからね・・・。」

 とは言ったものの自分で思った以上にうまくできた。途中で妹たちがイチゴとドライフルーツを何個かつまみ食いしたので少しバランスが変な感じがするけど・・・。

「お母さーん、あたしシャワー浴びるねー!」
「汗もかいてないのにどうしたのよ?」
「い・・・いいのっ!浴びるのっ!」
「ふーん・・・変な子。さーて、後は・・・。」

 自分の部屋から下着を持ってくる。この日の為に買っておいた・・・千奈美にとっては少し大人っぽい下着。いつも動きやすいようにスポーツブラとコットン100%のスポーティなパンツばかりだけど・・・今日は凝ったデザインの淡いオレンジ色のブラとショーツ。お母さんが選んでくれたものだけど、千奈美によく似合っている。さすが母親だな・・・。
 少し熱めのシャワー。今から少しドキドキしている。別に・・・ただ普通にホームパーティしてそのままお泊りするだけなのに・・・。でも・・・きっとこんなに長い時間一緒にいられるのってしばらくないだろうしな・・・。少しでも佐紀ちゃんに可愛いと思って欲しいし・・・。もし・・・もし・・・そうなったら・・・いや・・・自分もやっぱりそれを望んでいる・・・。だから下着だっていつもと違うのをつけたかったんだもん・・・。お部屋だっていい匂いにしたかったんだもん。佐紀ちゃん・・・佐紀ちゃんに全てを知ってほしい・・・佐紀ちゃんの全てが欲しい・・・。

 脱衣所で体を拭き、真新しい下着をつける。サイズはぴったりなのに少しきつく感じる。いつものスポーツ用のとは違うんだな・・・。そのきつさが動きを少し制限して、なんだか凄く女の子っぽい動きになる。少し気恥ずかしい・・・。
 お気に入りのフレグランスをほんの少しだけ・・・さりげなくふってみる。いい匂いって言ってくれるかな・・・佐紀ちゃん匂いに敏感だから・・・。

リビングに出るともうほとんど準備が出来上がっている。

「あ、ほら、ちぃ!こっち来て!」
「な・・・なに・・・?」

 母親が隣の部屋で呼んでいる。ドレッサーの前に千奈美を座らせると手首の下に台を入れて爪の手入れをしてくれた。やすりで磨いただけでぴかぴかの爪。ジュエリーストーンはつけないで薄くシルバーに近いゴールドのラメにトップコートだけのシンプルなものだけど、やはり千奈美の細くて浅黒い指によく似合っている。

「お母さん・・・ありがとー!」
「あらあらそんなに喜ぶなんて♪・・・あとで佐紀ちゃんにもやってあげようかしら。」
「うんっ!きっと凄いよろこぶよ?えへへっ。ありがとー♪」

 また部屋に戻ってプレゼントの確認をする。寒がりな佐紀ちゃんが頑張って勉強できるように・・・千奈美が普段使っているのと色違いの薄い水色の毛糸のショールとひざ掛け、もこもこして豚さんの絵が描いてある暖かそうなスリッパ。色気がないかもしれないけど・・・大事な大事な佐紀ちゃんに風邪とかひいてほしくないから・・・。
 千奈美はスウェットを脱いで着替える。ひざ下までの黒いナイロンの80デニールのストッキング。お気に入りのシルクの白いシャツと、赤と黒の膝より少し上までの厚手のスカート。同じ柄のジャケット。普段はスカートの下にスパッツを履いているので気にならなかったが、今日は履いていないのでスカートの裏地が腿にくすぐったい。自然と内股になってしまう。
 千奈美はちゃんとした化粧品は持っていない。保湿ローションと色つきリップしかない。あとは街で買い物した時にもらったグロスくらい・・・。たまにはちゃんとメイクしてみたいな・・・。でも・・・佐紀ちゃんいつも『自然のままのちぃが大好きっ』って言ってくれてるからなぁ・・・。


「こんばんはー!」

 佐紀ちゃんと佐紀ちゃんのお母さんが来た。どたどたと走って玄関でお迎えする。

「いっ・・・いらっしゃーい!」

 妹たちも続けて出てくる。

「さー、どうぞこっちで座って待っててね♪」

 奥からお母さんがにっこり笑って出てくる。

 みんなで囲めるようにセッティングしたソファに座る。
佐紀はいつもよりも少し丈の短い白いワンピースに白いオーバーニーソックス。。襟と裾に柔らかそうな毛足の長いボアが着いていてクリスマスっぽい。

「とりあえずお茶でも・・・みんなコーヒーでもいいかな。」
「ぜひ。」と佐紀ちゃんのお母さん。
「あ・・・はい、私も・・・。」と佐紀ちゃん。
「私コーヒー飲めなーい!」と妹たち。
「・・・あんたたちはトロピカーナで充分でしょ♪」と千奈美。

 コーヒーを入れるお母さんの手伝いをする。なんかやっぱり・・・いつもと違う服って落ち着かないな。


 お手伝いをする千奈美を佐紀はぽーっと見ていた。いつもと違う・・・。ううん、珍しく可愛いお姉さんな服を着ているのもあるけど・・・なんか・・・すごく女の子っぽくて・・・可愛くて・・・。やだ・・・ドキドキしてきた・・・。あ、ちぃの爪すごくキレイ・・・。ステキ・・・。

 みんなで少し遅いティータイム。さすがに女ばかり6人もいると賑やかだ。

「あ、ねーねーお母さん!佐紀ちゃんの爪も!」
「あらま、忘れてたわ。じゃー佐紀ちゃん、こっちにいらっしゃ〜い♪」
「え?あ・・・あの・・・。」
「あら。ありがとうねー。でもこの子の手ちっちゃいから大丈夫?」
「大丈夫、まかせて。」

 隣の部屋に消える二人。十数分後・・・。淡いピンクとパールで仕上げられた佐紀の爪。

「あー!佐紀ちゃん可愛いー!」
「あら・・・ほんとだ。意外といけてる」
「おねーちゃん可愛い!」
「かわいいかわいい!」

 照れる佐紀。満足げなお母さん。ちらちらと視線を絡める佐紀と千奈美。


「さて。そろそろちょうどいい時間だし・・・始めようか!はい、ちー、料理運んできてね!」」

 お母さんの号令で千奈美はキッチンに料理を取りに行く。

「あ・・・私も手伝う!」

 キッチンとリビングの間には壁があるのでみんなから見えない。見えないのを確認すると佐紀は千奈美に抱きついた。

「ちょ・・・佐紀ちゃん・・・お料理落としちゃうよ・・・。」
「ちぃ・・・好き・・・。」
「もー。どうしたのよ佐紀ちゃん・・・。」

 両手に料理を持ったまま嬉しそうに笑う千奈美。

「・・・んっ。」

 目をつぶって軽く口を突き出す佐紀。

ちゅ。

 千奈美は軽くキスをする。

「んーっ!」

 佐紀が拗ねた顔で千奈美を見上げる。

「もぉ・・・。」

 千奈美は大きく口を開けて佐紀の鼻と口全体を覆う。かぷっと可愛い音がする。佐紀の鼻と口を・・・そっと舌で撫でる。

「・・・あ・・・。」

 千奈美の口の中で小さく聞こえる佐紀の声。佐紀に染みる千奈美の匂い。

「さ、運ぼうか。」
「うん・・・すごいおいしそう・・・。」

 料理はどれも上出来だった。特に好評だったのは・・・クレイジーソルトと醤油とにんにくと生姜で下拵えをした唐揚げと、庭に大量に生えているローズマリーを漬けて香り付けしたオリーブオイルで炒めた名前も知らない鶏肉料理。
 母親たちはシャンパンを凄い勢いで飲んでいる。

「ねーお母さん、シャンパンっておいしいの?」

 千奈美が聞いてみる。

「おいしいわよーそりゃ。あ、そうだ!シャンメリーならお酒じゃないからあんたたちも飲めるね?」

 そういうとキッチンからシャンパンとそっくりなボトルとグラスを二つ持ってきて注いだ。

「・・・おいしい・・・。」
 
 濃い目の料理によく合う爽やかな感じ。ジュースとは違う、お酒みたいな味。少し大人な気分。
 佐紀は無言で一気に飲んでいる。

「・・・おいしいぃぃぃ!」
「そう?良かったらまだあるからキッチンから持ってきて飲んでね♪」

 あっという間に空になるボトル。千奈美はキッチンからもう一本持ってくる。多分コレだよね・・・。
 千奈美のデコレーションしたケーキも好評だった。妹たちが先を争うようにして食べている。
 二本目のボトルを開けて二人のグラスに注ぐ。ごくごく。さっきより味が濃い気がする・・・。ケーキ食べた後だからかな・・・。


 料理もほぼ食べつくしてしまった。母親たちは今度は赤ワインを出してきて飲んでいる。妹たちはもらったプレゼントで遊んでいる。
 千奈美は・・・なんだか火照る体とドキドキする心臓に戸惑っていた。佐紀ちゃん・・・。佐紀を見ると・・・やっぱり真っ赤な顔をしている。

「ねーお母さん・・・シャンメリーってアルコール入ってるの・・・?」
「まー1%くらいは・・・ってあらあんた随分真っ赤に・・・佐紀ちゃんも・・・。あれぇ?」

 千奈美が持ってきたボトルを見る。

「ばっ・・・あんたこれシャンパン・・・!」
「え?あらまホントだわ!」

「まぁ・・・でも二人で半分も飲んでないみたいだし・・・とりあえず水いっぱい飲んでおとなしくしておけば大丈夫でしょ。」

 千奈美と佐紀はソファに並んで腰掛けて水を飲む。冷たい水が気持ちいい・・・。佐紀はトロンとした目で千奈美を見上げる。

「ねぇ、ちぃ・・・酔っ払うって・・・なんかふわふわして・・・冷静に考えられない感じで・・・気持ちいいね・・・へへっ。」
「うん・・・なんかふわっと体が軽くなったような・・・布団の中でまどろんでいるような・・・なんとも・・・。」

 いつの間にか軽く眠ってしまったようだ。母親に腿をぽんぽんと叩いて起こされる。

「お母さん、佐紀ちゃんのママの家でまだ飲んでるからね。妹たちは酔っ払ったちぃに任せるのは不安だから一緒に連れて行くから。多分泊まってきちゃうから、あんたたちも早くシャワー浴びて寝ちゃいなさいね。」
「うん・・・わかった・・・。」

 隣では佐紀が大きく伸びをしている。まだ真っ赤な顔のままだ。

「じゃあね、鍵は閉めていくからね。後片付けはできる範囲でしといてよ?」
「あーい・・・いってらっしゃい・・・。」玄関まで送る千奈美。


 時計の針はまだ8時。佐紀はソファでぽーっとしている。千奈美はぴったりとくっついて座る。

「えへへ・・・二人っきりになっちゃったね・・・。」

 ものすごく甘えた声の佐紀。しなだれかかって抱きついてくる。千奈美の胸元に顔を押し付ける。佐紀ちゃんの吐息が熱い・・・。

「暑い・・・上着脱ぐ・・・。」

 千奈美は上着を脱いで向かい側のソファに投げた。

「私も・・・佐紀もなんだか暑いです・・・。」

 佐紀は胸元の二つだけある大きなボタンを外し、千奈美の腿の上に寝転がるとソファに脚を乗せて膝を立てる。佐紀の胸元と腿が露わになる。

「ちぃ・・・爪・・・キレイ・・・。」

 佐紀が千奈美の左手をいじる。

「佐紀ちゃんの爪も可愛い・・・。ううん、服も、髪も、靴下も、全部可愛い・・・。」

 千奈美は佐紀の太ももに右手をそっと添える。ピクッとなる佐紀。

「ちぃ・・・いつもと違う・・・。なんか凄くキレイで・・・お姉さんみたいで・・・ドキドキする・・・。」

 佐紀はいじっていた指にキスして千奈美の顔を見上げる。目を閉じている千奈美を見て、今度は軽く口を開けて指をくわえる。歯で軽く何度も噛む。爪、指の腹、指の間・・・。ちゅっと小さい音を立てて舌で撫でる。
 指から広がる柔らかい感覚。滑らかに撫でられる湿った優しい感覚。鼓動が早くなり、思わず声にならない声が出る。佐紀の腿に当てた手のひらを撫でるように動かす。しっとりとしてくる佐紀の肌。時々ピクッとなる佐紀がこの上なく可愛い。
 お酒のせいもあるのかな・・・なんか・・・気持ちよくて・・・。
佐紀にキスされていた指をそっと抜く。指から伝う細い糸。そっと指を自分の口にあててみる。いつもより濃い佐紀ちゃん・・・。その指で半開きのままの佐紀の唇をそっと撫でる。上がる顎と甘く熱い佐紀ちゃんの吐息。

「部屋・・・行く?ここよりベッドに横になったほうがゆったりできる・・・よ?」
「うん・・・。ね・・・その前に・・・キス・・・して・・・。」

熱い佐紀の唇と舌。いつもよりもっと柔らかく滑らかな佐紀。

「ちぃの唇・・・熱くて・・・舌も熱くて柔らかくて・・・とけそう・・・。」



えーと、続きます(ノД`)シクシク

コメント(6)

ああああああああああああああああああああああああああ><。

早くつづけ!!!!

途中単語が分かりません><。
>ぬこぬこナースさん

何となく前後の流れで判断すると(*´д`*)ハアハア
続きが非常に残念な感じです(ノД`)シクシク
これだけの書けるなら、池袋来なさい。
>いなのじ

ああっ梅さんが呼んでいる'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
ホントは行きたいんだいil||li _| ̄|○ il||li
何回逝ったかわからない・・・・・・
>はろじうさん

続きは非常に残念な感じになってしまいました(ノД´)シクシク
どこまで進ませればいいのかわからなくて(ノД`)シクシク

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