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ここはみんなの創作メモ帳です。
まとまってなくてもいいじゃないか、途中でもいいじゃないか。
色々思いつくままに書き散らしてみましょう。

コメント(3)

「いけません、こんな」
サンルームの細く開けられた扉から、暗い廊下に日が落ちている。外は晴れているようだ。その日に混じり、かすかな継母の声と衣擦れが漏れる。
「……っ……痛い……」
年に似合わぬ父の隆々とした腕が、白く華奢な継母の肩を抱き寄せているらしい事が
戸の隙間から僅かに伺えるだけだ。
「項が……痕になります」
継母の身体が動いた。首の後ろを擦っているようだ。
「あの子に見られたらどうするのですか」
「心配するな、髪に隠れるだろう」
父の興味なさそうな声が聞こえた
「虫に刺されたとでも」
父が動いた。継母の姿は父の陰になり、私の視界から消えた。私は静かにその場から歩み去った。

 時計を確認する。三時十五分前、少し早いかもしれないが、茶会の支度をするにはおかしな時間ではないだろう。私は意を決してサンルームに向かった。
 継母は虫も殺さぬような穏やかな佇まいで、静かに読書をしていた。年は私より幼いくらいだろう継母が、襟の高いブラウスと裾の長いスカートをまとい佇む様は、良家の令嬢に見えこそすれ人の妻には到底見えない。
 私の姿をみとめると、継母は本を置いて天使のような笑顔を向けた。その表情には、一時間前まで父の腕の中で苦しそうに喘いでいた名残は微塵もない。その穢れない笑顔を見て、私は瞬間的に激しい害意を覚えた。
「義母さん」
私は害意を笑顔で押し包むと、継母に近づいた。
「お茶の支度に参りましたよ。じきに父さんも来るでしょう」
「そう?ありがとう」
継母は何気ない風に立ち上がり、背後の本棚へとクルリと背を向けた。私はわざと足音を抑え、継母へ近づく。
「ここの植物も随分繁りましたね、蔦なんかまるでジャングルだ」
「そうかしら、まめに手入れはしているのだけれど」
継母は背の高い本棚へ本をしまうのに四苦八苦している。
「本当にジャングルですよ、父さんの趣味もわからないな。毒虫でもいそうだ」
わざと陽気な声を出しながら、ぴったりと継母の背後に立つ。
「ほら」
そして私は不意に継母の後ろ髪に触れた。
「これ、虫刺されじゃないですか?」
途端に継母の態度が変わった。
 私の手を叩き落とすように項に手をやり、先ほどの穏やかさからは想像もつかない勢いで背後に飛びのいた。私を見つめる目は大きく見開かれ、白い肌くらい血を失った唇は小刻みに震えている。
 私は覚えず会心の笑みを浮かべた。
「どうしましたか?義母さん」
一歩、壁際へ追い詰めるように歩み寄る。
「気にするのは分かりますが、早めに手当てしなければ痕になりますよ」
下がる後ろのなくなった継母は、黙って震えたまま私から目を逸らさない。
「ほら、見せてください」
私はおもむろに継母の細い顎に手を伸ばした。
「いやッ……!」
継母は初めて擦れた声を出し、逃れるように頭を振った。私の腹の底で、ぞくりと何かが疼く。
 私はなおも継母の顔をこちらに向かせるべく手をやった。
凄い小説ですね。義母さんは心理的余裕を失うことにより馬鹿になっていますね。こんな態度をとったら奇人変人のそしりをまぬがれるのは難しいでしょう。
義母いじめが色々な場所・時間で繰り返される連作短編をリクエストいたします。

ところで「義母さん」の読みは「ぎぼさん」「かあさん」のどちらでしょう。私はぎぼさんの方が好みです。
ありがとうございます。個人的には「かあさん」のつもりです(笑)。
またいろいろないじめを考え出してみます。

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