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EZLN(サパティスタ民族解放軍)コミュの民衆蜂起に揺れるメキシコ南部

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サパティスタではないですが,メキシコ南部オアハカ州で民衆蜂起があったそうです。でもこれ、ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年11月号)からの無断転載なので著作権的に問題になりそうなので2、3日したら削除しますね。興味がありましたら読んでみて下さい。


民衆蜂起に揺れるメキシコ南部

アンヌ・ヴィニャ特派員(Anne Vigna)
ジャーナリスト、在メキシコ

訳・岡林祐子

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 メキシコでは、2006年7月2日の大統領選挙で不正があったのではないかという不満
がくすぶるなかで、南部オアハカ州で重大な社会紛争が続いている。7万人の教員が
ストライキを行ない、社会団体のほとんどもそれに同調し、州知事と対決しているの
だ。10月27日から30日にかけ、数千人規模の連邦警察部隊が展開されて、州都オアハ
カ市を制圧した。この時、過去5カ月の死亡者10人近くに加え、さらに5人の犠牲者
が出ている。[フランス語版編集部]
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 「我々が直面しているのは、1994年のサパティスタの武装蜂起に対して行なわれて
以来、最大規模の軍事作戦だ。陸・海・空からの揚陸である」。2006年10月3日、ジ
ャーナリストのエルマン・ベリングハウセンがメキシコの日刊紙ラ・ホルナーダにこ
のような論評を掲載した。海軍の特殊部隊がオアハカ州太平洋岸のウアトゥルコとサ
リナ・クルスに上陸した日のことだ。戦艦ウスマシンタ、海軍陸戦隊員1500人、ヘリ
コプターM-18およびM-17が20機、大型輸送機ハーキュリーズおよびC-212、そして何
台もの戦車が投入された。軍と連邦予防警察の特殊部隊を加えると、総勢2万人の陣
容である。ヘリコプターと飛行機が数日にわたり、州都の上空、「戦闘地域」や歴史
地区、バリケードや「反徒」が占拠した建物の上空を旋回する。地上では、男女の交
じった群衆が、罵声とともに空に向かって拳を突き上げる。

 民衆の蜂起に対して、メキシコ政府が軍の力を見せつけるのはいつものことだ。そ
して、圧倒的な軍事力をもってしても、立ち上がった民衆を黙らせることができない
ことも、同様に変わらないだろう。2005年、知事が強圧的で、腐敗しており、選出時
にも不正があったと考えるオアハカの州民は蜂起した。問題の知事は、1929年から
2000年までずっとメキシコの与党だった制度的革命党(PRI)のウリセス・ルイスで
ある。

 オアハカ州、なかでも同名の州都オアハカ市は、2006年5月22日以降、社会紛争に
揺さぶられている。6月14日、ストを続けていた約7万人の教員が所属する反体制的
な全国教職員組合(SNTE)第22支部に対して、ルイス知事が組織的な弾圧を加え、92
人が負傷したことで、紛争はさらに激化した。この時から教員側の第一の要求事項は
変わっていない。「知事は辞職せよ。そうすれば5日後に授業を再開する」というも
のだ。州のほとんどの社会団体が加盟するオアハカ州人民会議(APPO)も、教員の要
求に同調している。130万人の生徒が、6カ月前から授業を受けていない。市庁舎、
公共施設、ホテル、空港が占拠され、平和的な市民的不服従が呼びかけられ、行動の
先鋭化が進んでいる。住民は団結し、州行政は完全に停止した。にもかかわらず、ル
イス知事は辞職を拒み続けている。

 当初から、国民行動党(PAN、リベラル右派)のフォックス政権は、解決能力のな
さを露呈していた。7月2日に行なわれた選挙の後、次期大統領に当選した同党のフ
ェリペ・カルデロンに対して、メキシコ全土で異議申立が湧き起こっており(1)、オ
アハカ州の危機的状況はそれと並行して深まっていた。10月5日にアバスカル内相
は、最初の交渉プランとして「オアハカ州の統治可能性、平和および開発に関する協
約」を提案した。新しい州憲法の採択、司法制度の改革、一連の経済的インセンティ
ブ、人権尊重を盛り込んだものである。しかし、住民の基本的な要求事項、すなわち
知事辞職に関する文言はどこにも含まれていない。

 フォックス大統領が知事の「クビ」を差し出せない理由は、オアハカの紛争とは何
の関係もない。それは7月2日の大統領選挙に絡んでいる。連邦選挙裁判所がカルデ
ロンの当選を認定したことで、メキシコ史上類を見ない大規模な民衆運動が起きた。
先頭に立っているのは、「落選」とされた革命民主党(PRD、左派)のアンドレス・
マヌエル・ロペス・オブラドールである。 国内第2の政治勢力となった同党は、新
政権を認知していない(2)。それに対して、12月1日の就任を予定するカルデロンが現
に統治の拠り所にできるのは、9月に第1党のPANと第3党のPRIの間で結ばれた連立
合意だけである。「カルデロンが国の統治に臨み、フォックス大統領が過半数を確保
できずに通せなかった構造的改革法案を成立させるためには、PRIが欠かせない。12
月1日に国会で就任宣言を行なうためにもPRIが必要なのだ」と、アナリストのルイ
ス・ハビエル・ガリードは解説する。左派が組織する「市民的抵抗」の目的のひとつ
は、まさにカルデロンの就任を阻止することである。

軍の展開

 PRIはPANの「勝利」を最終的に認めたため、同党議員の支持がなければ、カルデロ
ンが議会の承認を受けることはできない。それと引き換えに、PRIは地盤のひとつで
あるオアハカ州を死守する。しかし、辞職を求められている州知事を擁護すること
は、国政レベルで高すぎる代償になりつつある。「2年間でルイスは社会的リーダー
35人を殺害させ、200人以上を投獄させた」とAPPOのスポークスマン、フロレンティ
ーノ・ロペスは糾弾する。「ルイスは、社会事業に使われる予定だった何百万ペソも
の大金を横流しして、PRIの選挙運動と自分の会社のために使い込んだ」。前任のム
ラー州知事(PRI)の時にも、社会的リーダー60人が収監されており、銃撃による死
亡者4人、負傷者15人も彼の責任だとされる。ムラー州政のスタッフの6割がルイス
州政のスタッフとして残っている。その指揮下で、準軍事グループと州警察が、オア
ハカ市内に築かれた約1500のバリケード(州全域では3000)、住民が占拠した80の公
共施設と12のラジオ・テレビ局を日々攻撃しているのだ。

 6月以降、9人の死者が出た。8人のリーダーが拉致され、何日か後に獄中にある
ことが確認された。過去6カ月にわたり、社会運動の分断、威嚇、弱体化のためにあ
らゆる弾圧手段が駆使されてきた。カナダに政治亡命中のオアハカ先住民民衆協議会
リカルド・フローレス・マゴン(CIPO-RFM)のスポークスマン、ラウル・ガティカは
言う。「州政府はバリケードを真っ先に破壊しようとしています。それが運動を組織
する場であり、内部の議論の場となっているからです。第2の標的は、我々と住民と
をつなぐ手段のラジオ局です」

 暴力行為があっても、連邦レベルでは捜査が一切行なわれない。2大テレビ局のテ
レビサとテレビアステカは、APPOと第22支部の活動家を武装した危険な無法者だと報
じている。ルイス知事とPRIは「治安を回復し、リーダーたちを処罰するため」に連
邦警察の派遣を要請している。経済界もこれに足並みを揃えている。そして10月3
日、軍の「揚陸」が実施された。この時フォックス大統領は「法の侵犯は、いかなる
時も阻止され、処罰されるべきである」と発言した。

 交渉が続けられつつも、弾圧行為が間近に迫るなか、オアハカはパリ・コミューン
ならぬオアハカ・コミューンと化した。しかし、攻撃は数日後に停止され、軍はオア
ハカ市内には入らなかった。共同体活動経済政治調査センター(CIEPAC)の研究員
で、1994年のサパティスタ蜂起後に進められたチアパス州軍事化に関していくつも本
を書いているオネシモ・イダルゴは(3)、「フォックスは重大な人権侵害の責任者と
して任期を終えるわけにはいかない。狙いは威嚇にあった」と見る。

 とはいえ、海軍陸戦部隊のうち、10月12日に国内北部の兵舎に引き揚げたのは3000
人にすぎない。残りの部隊が現地を離れる気配はない。オアハカ州への軍の展開は紛
れもなく事実であり、農村部の住民はスト参加者のために食料を集めている。「軍の
今後の戦略は、農村部に駐留するために何かしらの口実を見つけることだ」というの
がイダルゴの分析だ。「その口実は、ハリケーンに対する緊急対策でも、武装グルー
プの存在でもいいし、麻薬取引や不法移民でもいい。この地域を軍事化するとは絶対
に言わないが、チアパス制圧のために用いたのと同じ戦略だ」

進みゆく二極分解

 たしかにオアハカ州は、サパティスタ蜂起以来12年にわたって軍事化されている隣
のチアパス州と驚くほど似ている。オアハカ州は戦略的に重要な位置にあり、自然資
源に富んだ土地で、先住民が多く、国内でも貧困レベルが高い部類に入る。340万人
の州人口の過半数を占める16の先住民族(160万人)は、昔から差別の対象となって
きた。第22支部の教員は、非常に疎外された農村部で働いており、給与水準が極めて
低い。かれこれ26年前から、彼らは給与の引き上げだけでなく、学校設備の改善を求
めて闘ってきた。州内570市町村のうち460は基本インフラ(上下水道、電気、道路)
さえ整っていない。住民の主な雇用先は農業および資源開発産業である。

 オアハカ州は、メキシコの中で生物多様性が最も豊かな地域である。森林、海岸、
潟湖、山岳、希少植物、様々な種類のトウモロコシがある。地下資源も豊富で、石
油、ウラン、石炭、鉄、金、銀、鉛、水銀が埋蔵されている。1540年から20世紀初め
まで、オアハカの鉱山は、メキシコの金と銀の半分を産出していた。 しかし、この
時期には、採掘量が推定埋蔵量の10%を超えることはなかった(4)。さらにオアハカ
には、水力発電に使える豊富な水資源がある。テワンテペック地峡の南部は世界中で
最も風の強い場所のひとつであり、風力発電に適している(5)。2001年からプエブ
ラ・パナマ計画の下で、こうした資源の開発が予定されている(6)。このネオリベラ
ル的な「開発」計画は、社会運動から激しく非難されている。経済活動誘致のために
インフラ(道路、港湾、ダムなど)を整えるという目的を打ち出しており、カルデロ
ン次期大統領が10月に中米各国を訪問した際にも改めて力説している。

 紛争の解決は、オアハカ州の戦略地政学的な重要性により、ことさら困難になって
いる。先住民、そしてAPPOを代表組織とする農村部は、自分たちで自然資源を管理す
るための法的措置を望んでいる。農村部においても都市部においても、独自の政治機
構を構成する権利は、常に要求事項のひとつに掲げられている。「自決権、つまり私
たちの土地の政治的運営と私たちの自然資源の管理を求めるということです」と地峡
北部地区先住民共同体連合(UCIZONI)のスポークスマンで、APPOメンバーのカルロ
ス・ベアスは説明する。

 オアハカ州の軍事化は、さほど意外なことではない。それは、全国各地で増大する
社会運動に対する、行政府の焦燥感を示している。フォックス政権からの「応答」
は、多くの場合に警察力の使用であり、人権の重大な侵害を伴っていた(7)。ラテン
アメリカ諸国の経験、そしてメキシコの歴史を振り返るなら、2つの政治経済観の対
立へと一直線に進んでいることが見て取れる。「一方には疎外された人たち、他方に
は富が集中し、政治的影響力のある特権階級。そうした二極分解が進んでいる」と米
国ニュー・メキシコ大学政治学教授のニール・ハーヴェイは言う。「しかもカルデロ
ンは、選挙期間中に自分を支持してくれた経済界を満足させなければならない」

 オアハカは、反対派によって認知されていないカルデロンの大統領任期中に、メキ
シコを見舞いかねない統治不可能状態の前兆である。カルデロンとPRI、経済界の連
合は、新たな紛争の火種を煽り立てるかもしれない。その時、増大する反乱の火を、
ことごとく軍事力で消し止められるものだろうか。

(1) See Ignacio Ramonet, << Le Mexique fracture >>, Le Monde diplomatique,
August 2006.
(2) 9月16日にメキシコシティのソカロ広場に100万人以上が集まって国民民主会議が
開催され、挙手によりロペス・オブラドールが「メキシコの正統な大統領」に指名さ
れた。彼は並行政府の樹立を発表した。
(3) Cf. Onesimo Hidalgo, Tras los pasos de una guerra inconclusa : 12 anos
de militarizacion en Chiapas, ed. Ciepac, Mexico City, 2006.
(4) Julio Cesar Cabrera, Los Minerales estrategicos de Oaxaca en el contexto
del mercado mundial, ed. Ciesas, Mexico City, 2006.
(5) Cf. << Les vents dores l'isthme >>, Systemes solaires, Paris,
July-August 2005.
(6) See Braulio Moro, << Une recolonisation nommee "plan Puebla-Panama" >>,
Le Monde diplomatique, December 2002.
(7) 2006年4月、鉄鋼の積出港ラサロ・カルデナス港が労働者によって占拠され、そ
のうち2人が警察により殺害された。サン・サルバドール・アテンコでは、サパティ
スタに近いグループが弾圧を受け、2人が死亡、47人の女性が強姦され、211人が逮
捕された。逮捕者のうち29人は現在も収監されたままである。

(ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年11月号)

All rights reserved, 2006, Le Monde diplomatique + Okabayashi Yuko + Hiroi
Junnichi + Saito Kagumi

コメント(1)

http://elenemigocomun.net/download/
よりテキサス Austinのインディメディアがつくったオアハカの抑圧についてのドキュメンタリーがダウンロードして観れます。

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