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酒人好乃衆コミュの燗することで変わる世界観

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10月に入り朝晩は気温も下がり秋らしくなってきた。
涼しくなってくると日本酒好きの人間は、燗酒が懐かしくなってくる。
先日NPO法人スローフードジャパンと酒文化研究所で二回目の燗酒コンテストを開催したが、燗酒と冷や酒では、同じ日本酒でも確実に味わいや香りが変わる。ひとつのお酒でも季節やTPOに応じた飲み方で楽しめる。

そもそも温めて飲むという方法が広く普及しているのは世界の酒類の中で日本酒だけである。こういうとホットワインがあるではないかという人もいるが、これはまだ歴史も浅く、カクテルの一種というレベルであり一般化しているとはとてもいえない。日本では、古くは万葉集の貧窮問答歌の糟湯酒にみられるように、冬になれば温めたお酒で暖をとるということは行われてきた。そして平安時代には貴族社会を中心に秋から春先までは酒を温めて飲むという風習が広がっていったようであるが、一般民衆のレベルにまで定着したのは江戸時代中期以降と言われている。燗酒を飲むためには酒器(とっくり)の普及も欠かせなかったからだ。「銭形平次」「遠山の金さん」といった時代劇では街中の居酒屋で燗酒を飲む場面も出てくるが、まさしくこの頃から一般化していったのであろう。燗酒の普及は飲酒がハレの日だけのものから日常化していった歴史と重なる部分もあるのだ。

一同で行う乾杯は、場面を儀式・礼講から宴会・無礼講へと転換していく意味もあるが、そのときに使用される日本酒は冷や酒(常温)に限られる。結婚式の三三九度や固めの杯と言われるお酒は、みな冷や酒である。公的な場所で飲む儀式の日本酒は冷や酒であり、燗酒を飲むということは、そこが宴会であったりプライベートな場面、日常であるということを意味する。

先日、燗酒の好きな点についてアンケート調査を行ったが、味わいや香りなどの他に「身体が温まる」「ゆったりした気分になれる」といったリラックス効果をあげる人も多かった。温めた酒は確かにそういう効能も持つのであろう。しかし、それ以上に私たちには無意識のうちに、温めた酒を飲むとき=くつろいだ場面とインプットされているのではないだろうか。お酒を飲むときにメリハリをつける意味でも意図的に冷や酒・燗酒の登場場面を使い分けていくのも一興ではないでしょうか。

(日本酒で乾杯推進会議運営委員/酒文化研究所代表 狩野卓也)

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