ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

高木 竜馬:RYOMA TAKAGIコミュの“RYOMA” の月次レポート(2008年12月度)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

          スカラシップレポート(2008年12月度)
                              高木 竜馬
 
 明けましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になり有難うございました。本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

 12月の前半は、20日のちはら台のリサイタルに向けてシューマンの「カーナバル」の準備に明け暮れる毎日でした。作品1の「アベッグの名による変奏曲」でも試みられたモットーを、この曲では A、Es(S)、C、H で使うことで、言葉がもつ知性のもとに諸芸術の統合を図ろうとした作品です。シューマンの高い理想と狂気とも言える妄想、激しいまでの主張と自分の心に閉じこもりがちな内気さ、シンフォニックな和声の扱いと耽美的な旋律等々の両極対比が、一音単位でめまぐるしく交錯します。ドイツロマンティークという19世紀の芸術活動 ― ひょっとすると日本人の感性から最も遠い世界かも知れません ― を通じて、『ドイツ的なるもの』を少しでも感覚の中に取り入れたいと思いました。このリサイタルでも4頁の楽曲解説を自分で書きましたが、特に「カーナバル」は20の小品から成り立っていますので、一曲ずつ解説を書いては弾き、弾いては調べ、調べては書くの作業の繰り返しの中から、ドイツ的なものやベートーヴェンを代表とするクラシック様式への憧憬と、世界的なるものや新しいロマン派時代を創り出す使命感の狭間で揺れるシューマンの激しい葛藤が浮き彫りになって来たように思いました。やがて20世紀初頭の第一次世界大戦へと向かっていく、ヨーロッパの時代の狂気が根底に流れていたのではないかと思いました。

 リサイタルが終わってから、今度は 1月のリサイタルの「展覧会の絵」と「夜のガスパール」の準備のために、楽しみにしていましたがサッカーの年末合宿と湯浅勇治先生の指揮セミナーを不参加にして、 やはりピアノに明け暮れる毎日を過ごしました。自分は一体どの位弾き続ける事が出来るかに挑戦して、毎日14時間ピアノに向かいました。あと残りの2時間はアナリーゼと楽曲解説の勉強です。音楽以外の事は一切しない生活は、自分にとって贅沢な毎日でした。

 6万時間説と言うのがあって、これだけ練習して初めて楽器が自分の言う事を聞いてくれるそうです。これは膨大な時間で、一日 8時間弾いても20年以上掛かります。計算してみると自分はだいたい2万時間位ではないかと思いますので、まだたったの三分の一程度に過ぎません。いつの日か思い通りに楽器が操れるようなったらと想像すると、その時が今から待ち遠しくて、機会がある度に少しでも多くの時間を稼ぎたいと思います。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

高木 竜馬:RYOMA TAKAGI 更新情報

高木 竜馬:RYOMA TAKAGIのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング