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? 事実の概要
宇奈月温泉は、富山県の黒部渓谷に位置する温泉であるが、この温泉の湯は約7.5kmに及ぶ引湯管によって湯を引いて営業していた。
最初の引湯管は、1915年(大正4年)に富山市の旅館業者Aが、地元民の有志たちに呼びかけて黒薙温泉からの引湯管の工事に着手して、約30万円の巨費と3年間の月日をかけた工事で、1917年に12km下流の内山まで木樋(きどい)で湯を引くことに成功した。しかしその後、1923年(大12年)頃に赤松材の木管を利用した引湯管に代えられて、黒薙温泉から約7kmの宇奈月温泉引湯管が完成して、宇奈月温泉が開湯した。そして大正13年頃に、Y社(黒部鉄道株式会社、現在では富山地方鉄道株式会社)がその引湯管を買い受けて、旅館を営業していた。
引湯管敷設の際、Aはある部分は有償で、ある部分は無償で土地の利用権を獲得していたが、昭和3年、原告Xは、引湯管がその一部(約2坪)を通る本件係争地(112坪)を訴外Bから買い受けて、Y社に対して不法占拠を理由に引湯管の撤去を迫り、さらに撤去しないなら本件土地と周辺の土地を合わせて約3、000坪を高額の代金で買い取ることをY社に請求した。Y社が土地の買い取りを断ると、原告Xは土地所有権に基づく妨害排除として、引湯管の撤去と木管修理などのための土地への立入り禁止を求めて、Xが訴訟を起こした事件である。

上告人X(控訴人、原告)の請求は、本件土地は元Bの所有であったが、BからAに移転しAから上告人Xに売買に基づいて所有権が移転し登記を経由したが、被上告人Y(被控訴人、被告)は何等の権原なく本件土地上に引湯管(木管)を敷設して、本件土地に立入る以上上告人Xは所有権に基づき被上告人Yに対し引湯管の収去ならびに立入りその他一切の妨害行為の禁止を求めた。
 これに対して被上告人Yは、本土地上に被上告人所有の引湯管が敷設されていることは認めるが、本件引湯管は大正6年頃にD温泉株式会社が設備したもので、施設に基づく土地の使用については当時の所有者Bが未成年者であったために事実上の後見人であるCの承諾を得たものである。以後、昭和3、4年頃迄毎年B方で土地の使用料を受領していた。その後Bは、大正7年9月に成年に達したがBもこれを暗黙に承諾していた。



1審、2審ではY勝訴。2審は、
? 引湯管の迂回は、費用約1万2000円、日数270日を要すること、湯の温度の低下のおそれがあることなどを考慮すると事実上不可能であること
? 引湯管が中断され温泉経営が破壊されると、温泉に依存する宇奈月の集落(人口700〜800人)の衰退を招くし、またYの兼営する鉄道事業も減収となり継続不可能になる可能性があること
? X所有本件土地の内、急傾斜地で利用の用途のない引湯管敷設部分の地価は坪5〜6銭、植林の可能な部分の地価も坪27〜28銭程度で総額でも30円ほどにしかならないこと
? Xは本件土地購入にあたって、引湯管が通過している事実を熟知していたと認められること
などを認定して、Xの請求は権利濫用にあたるとした。

☆★☆★   ↓こっから↓  変えたとこ

Xが上告。上告理由は、「個人主義的体系に基づく財産制度においては、所有権は絶対的に且つ、排他的に総括支配力を有し使用収益処分の作用を有する」という点を主張していた。なお、Yの事業の公共性の主張に対しては「僅少の土地を所有する貧弱者は、遂に大企業の犠牲となり」またそれは、「是れ正に憲法の条章を否定するもの」との主張がなされている。

★☆★☆

誤字脱字もいちお直しておいたさ!
のせとくんでよろ〜〜

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