ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

詩歌全般・日本古代史・たべものコミュのうらみわび  ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそをしけれ

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
−65−

うらみわび  ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそをしけれ  相模

<永承六年(1051) 内裏歌合に 後拾遺集・恋四>

・・・・・・・・・・・・・・・
実りある恋ならば

たとえどんな評判が立とうと

耐えられるものを
・・・・・・・・・・・・・・・

<泣いて 涙も 枯れ果てた・・、終わったんだ・・、明日からは別の女に生まれかわろ。>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うらみわび; 

「うらみわび」 上二段活用動詞「うらみわぶ」の連用形。男の無情を恨み悲しむ意。「恨みあぐねて」と解する説もある。
「わび」は気落ちする・嘆息するなどの意で、動詞の連用形につく場合、(…しきれない・…する気力もない)といった意味になること。

ほさぬ袖だに あるものを; 

「ほさ」は四段活用動詞「干す」の未然形、乾かす意。
「ぬ」は打消しの助動詞「ず」の連体形。
「袖」は涙を拭くたもと。
「だに」は、軽いものを(朽ちやすい袖)を挙げて、重いもの(身や名)を類推させる、程度を示す副助詞。
「ある」はラ行変格活用動詞「あり」の連体形。
「ものを」は逆接の接続助詞。

恋にくちなむ 名こそをしけれ; 

「に」は原因を示す格助詞。
「くち」は上二段活用動詞「朽つ」の連用形。
「な」は確認の助動詞「ぬ」の未然形。
「む」は推量の助動詞「む」の連体形。
「名」は名と評判。
「こそ」は係助詞、結びは、形容詞「惜し(をし)」の已然形。

 袖・くちは縁語。(袖が朽ちるー<ー名が朽ちる)

「だに・・・ものを」は逆説的な強い訴えへ展開。
・・・・・・・・・・・・・・・

【他の代表歌】

見わたせば 波のしがらみ かけてけり 卯の花さける 玉川の里 
 (後拾遺集)

五月雨は みづの御牧の 真菰草 かりほす暇も あらじとぞ思ふ  
 (〃)

もろともに いつかとくべき 逢ふことの かたむすびなる 夜はの下紐 
 (〃)

【主な派生歌】

恨みわび 絶えぬ涙に そぼちつつ 色変はりゆく 袖を見せばや  
 (肥後「新拾遺」) 

思ひ侘び 絶ゆる命も あるものを あふ名のみやは 儚かるべき  
 (小侍従)

ちつかまで たつる錦木 いたづらに あはで朽ちなん 名こそ惜しけれ   (藤原定家)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(千人万首)より転載。

相模 さがみ   生没年未詳  生年は長徳年間(995〜999)か。
父は不詳。
母は能登守慶滋保章女(中古三十六歌仙伝)。
『勅撰作者部類』は父を源頼光とするが、養父とみる説もある(『俊頼髄脳』『金葉集』には、但馬守だった源頼光が「相模母」と交わした連歌が載る)。『相模集』によれば、娘のあったことが知られる。
はじめ乙侍従(おとじじゅう)と称した。
大江公資(きみより)が相模守だった時妻となり、相模の通称で呼ばれるようになる。

寛仁四年(1020)、夫とともに相模国に下向。
治安三年(1023)正月、箱根権現に百首歌を奉納したが、憂悶を訴える歌が多く、また子を願う歌をさかんに詠んでおり、結婚生活には不如意が多かったようである。果して同年相模から帰京した後、公資との仲は破綻を迎えたらしく、藤原定頼(さだより)などからたびたび求愛を受けている。のち公資は遠江守として赴任する際、別の女性を伴った。

やがて一条天皇の第一皇女である脩子内親王(996-1049)のもとに出仕し、歌人としての名声も高まり、
長元八年(1035)の「関白左大臣頼通家歌合」、
長久二年(1041)の「弘徽殿女御生子歌合」、
永承四年(1049)・同六年の内裏歌合、
永承五年(1050)の「前麗景殿女御延子歌絵合」「祐子内親王歌合」、
天喜四年(1056)の「皇后宮寛子春秋歌合」など、多くの歌合に出詠。

和泉式部・能因法師・源経信ら歌人との幅広い交流をもった。また藤原範永ら和歌六人党の指導者的な立場にあった。
永承四年(1049)脩子内親王の薨後は入道一品宮祐子内親王(1038-1105。後朱雀天皇の第三皇女)の女房として仕える。
康平四年(1061)三月の「祐子内親王家名所歌合」への出詠を最後に消息は途絶える。

後拾遺集初出。勅撰入集は計108首(金葉集は二度本で計算)。中古三十六歌仙の一人。『物思ふ女の集』と名付けられた自撰家集があったことが知られるが、現在残る家集『相模集』(『玉藻集』『思女集』などの異称がある)との関係は明らかでない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相模 十首

見わたせば 波のしがらみ かけてけり うのはな咲ける 玉川の里

五月雨の 空なつかしく 匂ふなり 花橘に 風やふくらむ

五月雨は みづの御牧の まこも草 かりほす程も あらじとぞ思ふ

都には 初雪ふれば 小野山に まきのすみがま たきまさるらん

難波がた あさみつしほに 立つ千鳥 浦伝ひする 声聞こゆなり

逢ふ事の なきよりかねて 辛ければ さぞあらましに ぬるる袖かな

あやしくも 現れぬべき 袂かな 忍びねにのみ ぬらすと思ふに

眺めつつ 事ありがほに 暮しても かならず夢に みえばこそあらめ

昨日けふ 歎くばかりの 心地せば あすに我が身や あはじとすらん

恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそをしけれ

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

詩歌全般・日本古代史・たべもの 更新情報

詩歌全般・日本古代史・たべもののメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング