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詩歌全般・日本古代史・たべものコミュのなるほどなあ

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ブログ[古代文化研究所 ] 鶏が鳴く 吾妻
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/4567123.html

ホトトギスは何と鳴く
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/4718166.html


○前回、「ウグイスは何と鳴く」について書いた。同様に、「古今和歌集」巻十九『俳諧歌』はホトトギスの鳴き声も記している。

   いくばくの田をつくればかほととぎすしでのたをさをあさなあさなよぶ
    【ホトトギスは田植えの時期になると、決まって「しでのたをさ」「しでのたをさ」と懲りるこ
     ともなく毎朝毎朝鳴き続けるが、ではいったいホトトギスはどれほどの田を作っているのであ
     ろうか。さぞかし相当の田を作っていることであろうよ。】

○古今和歌集の時代、ホトトギスは「しでのたをさ」と鳴いたと言うのである。漢字で表記すると「賤の田長」で、ホトトギスは毎年決まって、田植えの時期になると、自分が農夫であることを自覚して、朝早くから農夫頭の「しでのたをさ」を毎朝毎朝、何度となく呼び続けて、その指示を仰ごうとしていると言うのだ。どれほど広い農地をホトトギスは耕しているのであろうか、よほど広い農地を耕しているのであろう、それを証明するかのようにホトトギスはこの季節盛大に鳴きとよむと言うのである。

○ホトトギスはまた、「時鳥、不如帰、杜鵑、子規、郭公」とも表記する、得体の知れない鳥でもある。あの世とこの世とを行き来し、「死出の山(冥途)」からやってくるとも言われ、託卵などという、とんでもない仕方で、子育てをする、と言うか、子育てを放棄する鳥である。だからその鳴き声も、とてつもなくすさまじい。

○夏の鳥ホトトギスは、わたくしの地方では「テッペンハゲタカ」と鳴くと聞いている。また、「テッペンカケタカ」とも言う。もちろん、これは髪が寂しくなった人を揶揄した表現にほかならない。髪の寂しい人は、この時期、たいへんな嫌な思いをさせられるに違いない。

○なにしろ、ホトトギスは鳴き出したら止まらない。止めどなく、絶叫するホトトギスから、「テッペンハゲタカ」と始終、揶揄され続けたら、信長ではないが、「殺してしまえ、ホトトギス」となるのが、誰でも当たり前だろう。

○これは地方によっていろいろあるようで、東京あたりでは、「東京都特許許可局」と鳴くらしい。流石、花の都には、文化の華が咲いている。同じホトトギスでも随分な違いである。でも、特許特許とかまびすしいのは、文化ではなく、単なる損得勘定なのかもしれない。

○実はホトトギス自体が、その鳴き声の形容であることは案外と気付かれていない。ホトトギスが死ぬまで鳴き続けることから、近代には「ほととぎす」を俳誌名にした信じられない人々もいるようであるが、ホトトギスの意味はほとんど恥ずかしい内容であるので、わたくしには書くことすらできない。

○参考となる話をさせてもらえば、秋に花咲く野草にも「ほととぎす」というのがあって、その野草の花のつぼみの形容を見ると「ほととぎす」の意味が一見して了解されるとだけ言っておこう。「古今和歌集」ではホトトギスが一番歌われていて、四十三首を数える。

○「古今和歌集」に詠まれている動物は三十六種類を数えるが、そのうち二十種類が鳥であることも興味深い。詠歌数はホトトギスが四十三首、ウグイスが二十六首、カリが二十三首で、第四位にようやく鹿の十二首となっている。花鳥風月と言う言葉はまさしくその通りであることが分かる。

○古今和歌集には、四季歌が全部で、342首存在する。内訳は、秋145首・春134首・夏34首・冬29首。夏34首の歌のうち、28首はホトトギスを歌っている。昔はホトトギスなしでは、夏も訪れなかったらしい。

○また、古今和歌集全歌1100首の中、四季歌は342首あるが、戀歌は360首にもなる。日本人は、四季の移り変わりを愛でると言うけれども、それは間違いである。日本人が愛でているのは、女性以外の何者でもない。おまけで四季歌を歌っているに過ぎない。

○その戀歌の最初の歌(巻十一「戀歌一」)も、実はホトトギスを歌っている。

  ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草 あやめも知らぬ こひもするかな(469)

○あやめ草とは菖蒲(しょうぶ)のことである。「あやめ」とは、物事の筋目、道理のこと。「ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草」までが、「あやめ」を導き出す序詞となっている。

○「あやめも知らぬ こひ」をした人の名を、古今和歌集は記さない。作者は「詠み人知らず」となっている。多分、当時は、誰一人知らぬ人は居ない、有名なスキャンダルであったことは間違いない。

○ホトトギスの写真がないので、石上布留の神鶏に再登場願おう。

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