海外現代文学コミュのあらためてノーベル賞について考えること

　ミラン・クンデラもすでに９１歳とか。
　チェコが贈るフランツ・カフカ賞を受賞の報。チェコの市民権を回復したばかり。おめでたい。
世界の文学賞はご存じ、ノーベル賞を頂点として、権威のピラミッドと化しているが、世界にはそれに劣らぬ文学賞が存在する。イギリスのブッカー賞、スペインのアストゥリアス王太子賞、フランスのメディシス賞、それにこのカフカ賞などなど。
　ノーベル賞を取った、取れなかったに一喜一憂していないで、そういった他の優れた文学賞にもっと注目すべきではないのだろうか。まあ、国によっては賞なるものが乱発されているところもないではないが。（というか、仲間内で賞を分け合っているところもありそうであるが）

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今回のノーベル文学賞受賞者の著作は、スペインのスペイン語訳詩集を出している出版社では十五分間でいままでの十四年分の売り上げを優に上回ったという話がスペイン紙にアップされている〔十四年間で二百部ぐらいらしい）。そりゃそうだろう。世界では意義深い文学賞がほかにもあるのにノーベル賞だけがもてはやされるのはおかしいと上で触れた。しかしノーベル文学賞にもし意味があるのなら、市場論理に囚われない著者を選んでいるということではないか。このところエリアス・カネッティのことを考えていて、そんなことをつくづく感じた。カネッティなんて賞をもらう前ももらってからも売れてない。スキャンダルにまみれることがあっても、選考委員会の見識を見守るべきか（もちろん、客観的にいって、つねに選考委員会を肯定することにも疑いがありえるにちがいないだろうが）