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今夜はRead it!コミュの一休さん

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第一話「この橋渡るべからず」

一休は和尚と一緒に
桔梗屋さんにお届けものをしているところです。
桔梗屋さんに向かう途中の橋の手前に次のように書かれた
看板がありました。
『この橋渡るべからず』

「これは困った。一休、とんちでどうにかならんものかのう。」
「どうにもなりませんね。回り道しましょう」
「例えばじゃ。端っこを渡っていかんのなら
真ん中を歩けばよいのではないかの?」
「正気ですか、和尚様。橋と漢字で書いてありますが…」
「これは桔梗屋さんのいたずらじゃ。真ん中を渡れば…」
そういうと、和尚さんは橋を渡ろうとしました。

「このバカヤロウが!!」
一休の拳が光の速さで和尚の顔面をとらえました。
「ぶげぼっ!!」
和尚は3メートルほど吹っ飛ぶと、その場で
うつぶせに倒れ、痙攣していました。
「和尚様…桔梗屋さんの好意で拾ったこの命…
なぜ自分から捨てようとなさるのですか!
一休は和尚様がいなくなったら…いなくなったら…」
一休はそこまで言うと、顔を下げ、嗚咽を漏らして
泣いていました。

「一休…すまん…ワシが馬鹿じゃった…」
和尚は血だらけの顔を一休に近づけると
優しく一休さんの頭を撫でてやりました。
「危なく死ぬとこじゃったわ!」
和尚はそういうと、大きな声で笑い出しました。
たまに咳をして血を吐いていましたが、その顔は
笑顔でいっぱいでした。
「もう和尚様ったら大げさなんだから!」
一休も一緒になって大声で笑い出しました。
それから三日後、和尚の通夜はしめやかに行われたのでした。

↓第二話へ続くかもしれない。

コメント(8)

第二話「屏風の虎」

一休は兄弟子の珍念さんと一緒に将軍様のもとを訪れました。
将軍様は最近何やらお困りとの噂。
何か力になれることがあればと勇んでやってきたのでした。

「おお一休殿、よくぞ参られた。
 実は夜毎この屏風の虎が絵を抜け出しては
 暴れまわって困り果てておるのじゃ。」
涙ながらに訴える将軍様を見て、一休は軽く返事をしてしまいます。
「それはお困りでしょう。この一休めにお任せください。」

ところがです。
その時、将軍様の目が鋭く光りました。
それに気がついたのは珍念さんだけでした。

「おい一休、何だかきな臭いぜ。
 やっこさん、何か企んでるに違いねぇ。」
ですが一休さんときたら暢気なもの。
「大丈夫ですよ珍年さん。どーんとお任せください。」
珍念さんはあきれて物が言えません。
ですが可愛い弟弟子のため、厠に行くと偽って
将軍邸の調査を始めたのでした。

珍念さんの予感は的中しました。
謁見の間の裏側に、何と本物の虎が寝ていました。
「やっぱりだ。
 やっこさん、普段から一休に痛い目に遭わされ続けているからな。
 コイツで復讐してやろうってハラか。」
珍念さんが愛用の44マグナムに手をかけたまさにその瞬間、
虎もその目に獲物を捕らえたのでした。

何も知らない一休は、将軍様に言います。
「将軍様、では、虎を退治しますので虎を屏風から出してください。」
将軍様はニヤリと嘲笑うと、無言で合図を送ります。
ところが、どうしたことか、当の虎は出てきません。
将軍様が狼狽していると一休は言いました。
「どうしました、将軍様。ちっとも出てきませんねぇ。
 大方、たとえ一休だろうと出ないものは退治できぬだろうなどと
 考えたのでしょう。とんち比べは私の勝ちですね。」
得意げに笑う一休を見て、将軍様のくやしがること、くやしがること。
ヤケになった将軍様は虎のマスクをかぶり
野生の獣のように一休に飛び掛りましたが、一休得意の
ジャーマンスープレックスホールドに敢え無く撃沈されました。

さて帰り道、珍念さんのことなどすっかり忘れて
上機嫌で歩いている一休のもとに、珍念さんがやってきました。
「うわっ、珍念さん、どうしたんですかその怪我は!」
「いやぁ、面目ねぇ。ちょいと厠で滑って転んじまってな。
 危うく死ぬところだったぜ。」
たまに咳をして血を吐いていましたが、その顔は
笑顔でいっぱいでした。
「もう珍念さんったら、大げさなんだから!」
一休も一緒になって大声で笑い出しました。
それから三日後、珍念さんの通夜はしめやかに行われたのでした。

↓第三話へ続くかもしれない。
第3話「毒の水飴」

和尚様が亡くなってから1ヶ月。
寺では和尚の亡霊が夜な夜な彷徨うと言う噂が流れていました。
その亡霊は和尚の部屋で水飴を舐めているのです。
一休は恐る恐る近づき、その和尚に尋ねました。
「和尚様!一人だけ水飴を舐めるなんてずるいですよ!」
和尚はびっくりした表情で一休を見ると、こう言いました。
「こ、これは子供が舐めると死んでしまう水飴なんじゃ。
だからお前たちが食べてしまわないようにわしが
片付けておるんじゃ!」

一休はとんちで和尚を懲らしめてやろうと考えました。
「お、和尚様!そんな物質はまだ科学的に解明されて
いません!早くどこかの研究所に持ち込んで
分析を依頼しなければ!もしかしたら和尚様が
発見者として歴史に名を残すかもしれませんよ!」
和尚は一休の話を聞いて、得意満面の笑顔になり
「そうかの?では知り合いの研究者に連絡してくるわい」
と言ってその場を離れました。

一休はここぞとばかり、その水飴を舐めました。
「和尚様ったらこんなおいしそうなものを
あんな嘘までついて独り占めするなんて…」
和尚が戻ってくると一休は苦しそうにうずくまっていました。
あまりの苦しさに大声で笑っていました。
たまに咳をして血を吐いていましたが、その顔は
引きつった笑顔でいっぱいでした。
「もう一休ったら大げさなんじゃから!」
和尚も一緒になって大声で笑い出しました。
それから三日後、一休の通夜はしめやかに行われたのでした。

↓第四話に続くかもしれない。
最終話「一休み一休み。」

一休の訃報を聞いた新右エ門は馬を走らせました。
「さよ殿!さよ殿!」
さよはその場に立ち尽くしたまま動きませんでした。
空からは雨が降り始め、二人はただ立ち尽くしていました。

そして、さよは静かに壊れていったのです。
「一休さ〜ん」
『なぁに、さよちゃん。』
「あのね・・・」
さよは部屋に一人で微笑を浮かべ、違う世界に生きていました。
そして、ご飯もろくに食べていなかったさよは結核に冒されてしまいました。

『さよちゃん知ってる?新右エ門さんのあれって馬並みなんだよ!』
さよの世界の一休さんの冗談にさよは大声で笑っていました。
たまに咳をして血をはいていましたが、その顔は
笑顔でいっぱいでした。
「もう一休さんったら大げさなんだから!」
さよも一緒になって大声で笑い出しました。
それから三日後、さよの通夜はしめやかに行われたのでした。

『一休さ〜ん』
さよは同じ世界の一休に呼びかけました。
一休は振り向いて、笑顔をさよに向け返事をします。
「はぁい、一休み、一休み」
--------------完----------------

よし、ナイスハッピーエンド。
あぁしまった、文章が矛盾している・・・
気にしない、気にしない、一休み、一休み。
ということで。

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