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Bunker Music MeetingコミュのBunker #18 "Electric Miles 1"

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言うまでもなく、マイルス・デイヴィスは「帝王」だ。1926年5月26日イリノイ州アルトンの比較的裕福な開業歯科医の黒人家庭に生まれ、13才の誕生日にトランペットを手にし、19才の年にチャーリー・パーカーと共に演奏することで、ジャズ・シーンに登場する。「ビバップ」の誕生から「クール」、「モード」という1940年代から1950年代にかけての先進的なスタイルの変遷のそれぞれで主導的な役割を果たしたマイルス。功に逸った山師が「マイルスの足跡はそのままモダン・ジャズの歴史でもある」とふれ回ったところで、だれがその人間を異端審問にかけ、十字架送りにするというのか?

60年代の大規模な社会変動の中登場する、フリー・ジャズやロックの空騒ぎの最中においても、1965年からのウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)とのクインテットで、マイルスはジャズという音楽形式の成熟した同時代的な在り方を一身に体現し、高貴なジャズの血の美学の類稀なる結晶を作り上げた。しかし、マイルスが「帝王」と呼ばれるべきなのはこれに続く「エレクトリック・マイルス」期と呼ばれる時期の活動においてだ。古のローマやモンゴルが「帝国」と呼ばれるに値するのが、その広大な領土の内に暮らす雑多な民族への寛容、新取の柔軟性、鷹揚さであったように。

60年代の終わり、マイルスはカールハインツ・シュットクハウゼンなどの現代音楽の作曲家と同じく、スライ&ファミリー・ストーン、ジェームス・ブラウン、そしてジミ・ヘンドリックスといったロック/ファンクのサウンドや方法論に次第に影響されていく(マイルスは当時の恋人を介してジミヘンと会っている)。さらに、マ
イルスのビッグ・スターとなる野望がそのことに拍車をかける。マイルスと彼のバンドは演奏に次第に電気楽器を使い始め、エレクトロニック・エフェクト、マルチ・トラッキング、録音の際の編集作業を多く取り入れることになる。

『In A Silent Way』が録音された1969年の2月、マイルスはアコースティックな「至高のクインテット」を解体し、チック・コリア(el-p)、ジョー・ザビヌル(org)、ジョン・マクラフリン(el-g)らをフューチャーした、エレクトリック・バンドを編成する。『In A Silent Way』とそれに続く『Bitches Brew』は初めてジャズとロックの真の融合を達成し、後に「フュージョン」として知られるジャンルの嚆矢となった。『Bitches Brew』で、マイルスは始めてビルボードのアルバム・チャートにチャート・インする(1970年、4週間35位に)。また、『Bitches Brew』からマイルスのアルバムに以前にはなかったサイケデリック、もしくわブラック・パワー・ムーブメントを表象するような自身の手によるヴィジュアルを使用するようになる。

1970年、伝説的な黒人ヘヴィー級ボクサー、ジャック・ジョンソンのドキュメンタリーのサウンドトラックを手懸ける。ジャック・ジョンソンの物語は、彼を貶めようとする「Great White Hope」という秘密組織の空しい探索としての物語でもある。ボクシング愛好者で、彼にふさわしい名声を支配層に妨げられていると考えていたマイルスは、ジョンソンに彼自身の姿を見たのかもしれない。その完成作『A Tribute To Jack Johnson』は2つの20分を超える曲からなり、多くの優れたミュージシャンを起用した。発売当時レコードにはクレジットされていなかったそのメンバーにはソニー・シャーロック(el-g)が含まれた。様々なセッションからなるこのアルバムで自身サックス奏者であり、戦後のアカデミックな音楽界で主導されていた電子音楽の分野に精通し、あのエドガー・ヴァレーズの薫陶を受けたプロデューサー、テオ・マセロは『In A Silent Way』、『Bitches Brew』に引き続き、そのスタジオ編集の真価を遺憾なく発揮する。

その後も「帝王」はさらなる進化を遂げる...。


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"the first half of Electric Miles" Discography

「In A Silent Way」
- '69, Feb. 18.

「Bitches Brew」
- '69, Aug. 19-21.

「A Tribute To Jack Johnson」
- '70, Feb. 18, Apr. 7.

「Black Beauty / At Fillmore West (Live)」
- '70, Apr. 10.

「Miles Davis At Fillmore (Live)」
- '70, Jun. 17-20.

「Live = Evil (Live)」
- '70, Feb. 6, Jun. 3, 7, Dec. 18.

「Big Fun」
- '69, Nov. 19, '70, Jan. 27, Mar. 3, '72, Jun. 12.


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http://www.sonymusic.co.jp/Music/Jazz/Arch/MilesDavis/special75/index_flat.html
http://www.marland.co.jp/miles/md_top.html
http://www02.so-net.ne.jp/~m-sasaki/miles.html
http://www.plosin.com/milesAhead/


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今回は5月の末に小倉のギャラリー・ソープ(http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Esoap/indexj.html)でのライヴを控え、映画企画を画策中のwoofaがお届けします。

コメント(2)

今週金曜日(27日)いつもの場所で開催.
Bunker #18 “Electrc Miles 1”のPlaylist

1. "So What" from Kind Of Blue

2. Miles Electric: Diffrent Kind Of Blue DVD
* Interviews (musicians from electric era)
* Isle Of Wight Music Festival 1970

3. "Shhh/Peaceful" from In A Silent Way
4. "All in Green" from Kind Of Blue
5. "Stuff" from Miles In The Sky
6. "The Hymn (Superman)" from Charlie Parker The Complete Dial Session
7. "Three Little Feelings" from Music For Brass

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