話が飛躍しますが、遺伝子科学について――大いに肯定しますが――、私は若干の注意が必要だと思います。何となれば「犯罪者」の監獄から精神病院への「移送」は、象徴的な言い方をすれば、「悪魔から病人」という地平を切り拓くのではなく、控えめに言っても「悪人から標本」という動きに過ぎないからです。すべてと
は言いませんが、隔離病棟の精神疾患の患者がいま、どのようなひどい目に遭っているか。一見、やさしげに見える所作にも、私たちは目を光らせるべきでしょう(p.ex., c.f. pp.147-156, Surveiller et punir, Michel Foucauld,日本語訳『監獄の誕生』(ページ不明))。