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蛍の唄が響き渡る三次元コミュの『The Wall of St.』

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 1. 室内 (深夜・雨のち晴れ)

 TVの画面が唐突に踊り出す。
 バストサイズに切り裂かれた中年で太り気味の薄い顔をした男性が浮き上がってくる。
 その男性は表情を一切変えることなく、常に女性特有の黄色い鳥の声、ソプラノボイスで「Please! Fxxx Me! Fxxx Me!」と喋り続ける。彼の視線はこちら側の世界を凝視している。

 コーヒーカップに並々と注がれたオレンジジュースを、顔から下の部分しか見えない誰かが啜る。
 その誰かの視線がTVの画面から、ゆっくりと干からびたその部屋の窓の方へ移動していく。僕らもそれについて歩いていく。部屋の外は、赤くて、暗い。

 2. 裏道 (深夜・雨のち晴れ)

 赤い色のライトが完璧な規則性を無視した状態で点滅している。赤の地に、黒の地で毛筆風なデザインで「成龍飯店」と書かれている看板が上部に覗く。
 雨上がりのアスファルトの上には、灰色の布が全体に広がり、街頭の冷たい光を反射し、ぬらりと光り輝いている。

 その上に女性が一人、存在している。

 金色の長い髪を、縦に横に振り回し、ロボットのように電子音でステップを切り刻む。かつかつ、と地面を蹴り飛ばす音。壊れかけの人体模型。
 そして彼女もまた、「Please! Fxxx Me! Fxxx Me!」と腹から声を出し、叫びまわる。

 彼女の纏う蛇の皮と、赤く点滅するライトがその道を依然、照らし続け、暗転。



                      2006.12.23 『The Wall of St.』

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