イリノイ大学シカゴ校歯学部教授および副部長のChristine D. Wu氏らが、カルフォルニア・レーズン・マーケティング協会(Marketing Board)の資金提供を受けて行った研究では、カルフォルニア種なしレーズンに、「植物化学物質」として知られ、ヒトの疾患に対して防御作用を有する植物由来の物質5種を確認した。このうち最も強力なものがオレアノール酸。この植物由来の物質が特に豊富であることが示され、Wu氏らの分析で、このオレアノール酸が虫歯や歯垢の原因となる微生物2種の繁殖を抑制することが判明した。
これに対して、ロチェスター大学医歯学部歯学、微生物学、免疫学および環境医学教授のWilliam H. Bowen氏は「やはりレーズンは(糖分が高いため)虫歯を促す食品の1つである」と指摘。また別の専門家は、「実際にレーズンを食べて、虫歯や歯周疾患を減らすことができるかどうか試験が必要である」と指摘する。
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◆家族の絆よりも仲のよい友人関係が長寿の秘訣
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オーストラリアの新しい研究で、高齢者がさらに長生きするにあたり、身近な家族とのつながりよりもよい仲間に恵まれることの方が重要であることが示唆された。医学誌「Epidemiology and Community Health」7月号に発表された。
「カルシウムとビタミンDを摂取することで、PMSの発症そのものを予防できるかもしれないことが、今回の調査結果からわかりました」とこの調査の執筆者、米国マサチューセッツ大学アマースト校(University of Massachusetts, Amherst)疫学科のエリザベス・バートン=ジョンソン助教授(Elizabeth R. Bertone-Johnson)は述べています。
バートン=ジョンソン助教授らは食事から摂取するカルシウムとPMSの関係を調査するため、第二次看護師健康調査(Nurses Health Study II )対象者のデータから、過去10年間にPMSの症状があった女性1,057人と、PMSにならなかった1,968人について、カルシウムとビタミンDの摂取量を比較しました。
(編集部注: "Nurses Health Study" は、米国で女性看護師を対象に、その生活習慣と健康状態を約10年間にわたり追跡調査したものです。43〜70歳の62,260名を対象にした"Nurses Health Study"と、それより若い世代である27-44歳の93,803人を対象にした"Nurses Health Study II"が1990年代に相次いで実施されました。)
最も効果が大きくあらわれたのは、一日あたり約 1,200ミリグラムのカルシウムと、500 IU のビタミンDの摂取に相当する食生活をしていたグループでした。低脂肪牛乳、カルシウム強化オレンジジュース、低脂肪乳製品(ヨーグルトなど)を、合わせて一日4杯以上摂っていると答えた女性は、これらの食品を週に1回程度しか摂らない女性に比べ、PMSとみなされる症状を経験している率が約40パーセントも少なかったのです。
一方、別の専門家はこの調査結果に対し疑問を呈しています。「すべての女性のPMSを、カルシウムの影響というだけで説明できるとは思えません」と、ペンシルバニア医科大学フィラデルフィア校(University of Pennsylvania's School of Medicine)産婦人科・精神科のエレン・フリーマン教授(Ellen W. Freeman)は反論しています。 「"カルシウム不足がPMSの原因"という説には首をかしげたくなります」
もう一人の専門家、コロンビア大学精神科臨床助教授のマーガレット・スピネッリ博士(Dr. Margaret Spinelli)は、この結果をすべてのPMSについて拡大解釈するべきではないと忠告した上で「とても意義のあるデータです。女性のからだの不調を和らげる治療法に、いずれはつながるでしょう」と述べています。