★健康美CLIPコミュの(8/4)右側の脳卒中は見逃されやすい　　http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=1859514

脳の右側に損傷を来す脳卒中は、左側が損傷される脳卒中よりも治療効果が得られていないことが、ドイツおよびカナダの2件の研究で明らかにされた。ドイツの研究結果は医学誌「Lancet」7月30日号、カナダの研究結果は医学誌「Neurology」7月12日号にそれぞれ掲載された。脳の左側は言語機能を司る領域であるため、右側に比べ症状の把握が容易であることが逆の理由として挙げられている。

　ゲーテ大学（フランクフルト）神経内科医のChristian Foerch博士らは、脳卒中患者2万例以上（左側損傷1万1,300例、右側損傷8,700例）を評価したところ、左側の脳卒中の方が発症から3時間以内に受診する確率が高く、迅速に血栓溶解薬による治療を受けることができた。Foerch博士は、右半球が損傷される脳卒中は「左半球ほど重症には思われないため、緊急治療を受けられない」という。

　西オンタリオ大学神経内科教授のVladimir Hachinski博士らによる脳卒中患者990例を対象とした研究でも、ほぼ同じ結果が示された。右側の脳卒中患者は血栓溶解薬による治療を受ける率が 45％低く、また入院期間が平均15日間であったのに対して、左側患者では9日間であった。

　Hachinski博士は、右側脳卒中の検出の困難さは、患者自身に起因している点を指摘、「何かが生じたとしても、自分に悪いことが起こっていると感じないため、救急外来を受診するのが遅れる」点を挙げている。また、「現行の診断評価法は、右側脳卒中の検出に適していないため、救急医が診断に手間取ることがある」という。

　Hachinski博士によれば、右側脳卒中の大きな特徴は「空間の左半分を見過ごすことにある」という。「左手が何をしているか認識できない。食事の際には、皿の右側にあるものから食べ、左側からは食べない」という具合である。身近にいる人が異変に気づいたら、救急車を呼ぶことを奨励している。

　Hachinski博士らは、より多くの医療従事者が右側の脳卒中を検出できるよう、現行の評価法に簡易なテストを加える作業を行っている。
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20050804hj000hj