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西部二人組普及促進委員会コミュの第34話『二十万ドルの火遊び』THE BIGGEST GAME IN THE WEST

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第34話『二十万ドルの火遊び』THE BIGGEST GAME IN THE WEST
NHK放送 アフレコ台本より (文責 りの)

  〜〜〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜〜〜
表紙

NHK総合テレビ
西部二人組
ALIAS SMITH & JONES
制作 NO.34
FILM NO.34239
THE BIGGEST GAME IN THE WEST
放送日;
A/R;48年1月16日(火)
MCA JAPAN

  〜〜〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜〜〜

日本語版制作スタッフ
NHK担当  吉村陽子
日本語版制作 東北新社
日本語版台本 佐藤一公
演出     加藤敏
効果     TFCグループ
調整
録音     TFCスタジオ

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スタッフ
制作 グレン A・ラースン
監督 アレクサンダー・シンガー
脚本 ジョン・トーマス・ジェームズ

キャスト
ヘイズ  ロジャー・デービス
カーリー ベン・マーフィ

ゲスト・スター
   ジム・バッカス
   チル・ウィルス
   ロッド・キャメロン

  〜〜〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜〜〜

キャスト
ヘイズ     高山栄
カーリー    江守徹

スターリング  久松保夫
保安官     安部徹
ビクスビー   辻村真人
ハーバースタム 緑川稔
カイル     青野武
ロボ      水鳥鉄夫
コリンズ    宮内幸平
パーソン(クラーク)  依田英助
ポーカーの男1    城山知馨夫
マトスン       日笠潤一
サリー(サルーンの女) 芝田清子
ポーカーの男A(大勝負の)
ポーカーの男B
他に
(女二人のあえぎ)
(御者の声)
(ガヤ)

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あらすじ
 ひょんなことからニセ札二十万ドルを拾ったヘイズとカーリーはそれをロードタウンの銀行の貸金庫へ入れて牧場を買いに来た大金持ちとふれこみ、かねてから毎週土曜に開帳されると知っていた大牧場主たちのポーカーゲームへ仲間入りをもくろみ、まんまとビクスビーらに信用されて勝負に誘われるが、同じ頃同じ賭場荒らしを狙ったカイルたち地獄の穴一家に乗り込まれたため、せっかくかせいだ金も牧場主たちの二十万ドルもごっそり奪い去られ、、加えて現場で不用意に発したカイルのことばから保安官ににらまれかけ、一方銀行の頭取スターリングには、ニセ札とばれてゆすられる。
 カイルたちを口説いて金を返してもらった二人は、銀行へ忍び込んで金庫のニセ札を本物とすり替えて、ゆすりに応じないとわかったスターリングが呼んだ役人の前で対決、本物と鑑定させ、スターリングの鼻をあかせて金を持ち去り、それをポーカールームのテーブルに返して、やっとヘイズらの手配書を見つけて勇躍する保安官を尻目に逐電してしまう。
 金を返された牧場主たちはむろん被害届を取り下げ、捜査は打ち切り、ヘイズとカーリーはまた事なきを得る。

  〜〜〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜〜〜

ナレータ:一八〇〇年代も末近く亜米利加は西部で大変に悪名を馳せましたハンニバル ヘイズとキッドカーリーと申します無法者がおりました。この二人世間もろもろのムードから新しい時代の到来をいちはやく察しまして、いつまで無宿渡世でもあるまい、この辺で足を洗って堅気にと 折りから知事の出しました恩赦のお触れにソレと応じましたところ、あまりに大物ですので オイソレとは許せない、一年間まじめ人間で通せば恩赦本決まりとしようといわれます。さあ本人はその気になりますが、あくまで知事との裏取引でございますから、事情を知らない保安官などは相変わらず、おたずね者ご用だ!と追っかけて参ります。 それを逃げながら素っ堅気で一年というまことに間尺に合わない立場となりましたヘイズとカーリーまたの名スミスとジョーンズ、果たしていかがな道中と相なりましょうや、まずはごゆるりとごらんのほどを

【オープン・カントリー 土手でねている二人】(音楽)
カーリー:ヤ、もうなんともはや、いいお陽気で
ヘイズ :ほんと ここどこだ テキサスか
カーリー:それともニューメキシコか
     どこだっていいじゃないの、こういう静かでおだやかな日は
御者の声:イヤーッ!
【駅馬車疾走】(馬車)
カーリー:ま、いいや まだまだ静かだよ
【馬車からカバン落ちてくる】
     落っこったのかな?
ヘイズ :投げたんだ
【騎馬の一団追ってくる】(馬蹄)
     その道の専門家として言うけどあらあ追手だぜ、キッド
カーリー:そういう足音だ
【カバンを開けて驚く 札束ぎっしり】
     (あらまあ!)
     おお! 夢ではないか、これは!
     見てよ、これ、札束がぎっしりお金だらけだよ
     手の切れるような政府発行の通貨だ
     それも天からの授かり物ときたもんだ
ヘイズ :まあまあ、水差すようだけどそうお札だ金だと無邪気に喜べねえよ
カーリー:ダメ?
ヘイズ :そう、お札には違いねえけど
     残念ながらこいつはニセ札ってヤツだよ
カーリー:ニセ札?
ヘイズ :ニセ札
カーリー:なんでわかるんだよ?
ヘイズ :政府発行の通貨に関してはこれまた専門家でな、オレは
     本物のニセ札
(音楽)
カーリー:(くそもう!)
【カーリー、ひったくって調べる】【ヘイズカバンに詰める】
     何でしまうんだよ、ヘイズ
     どうせ使えねンだろ 持っても行けねエよ
     使ったとたん手がうしろにまわる
     かといって届け出たりしてみろ
     色々と質問攻めにあって厄介だ
     どこかの戸口に捨て子のマネしてもそこのやつが使うかも知れんし
ヘイズ :もっともな意見だ
カーリー:そこでいい手がある
ヘイズ :へえ
カーリー:一度札を燃やしたかったんだ
     やっちゃおう
ヘイズ :二十万ドルの火遊びをやろうっての?(笑い)
カーリー:そうです
     いいか
     一、二の三でボットいくからな
ヘイズ :一、二の三 ホレ
【火を付けるカーリー】(音楽)
カーリー:ああ、豪勢な気分!
ヘイズ :(ああ…)待てよ
カーリー:どうしたんだよ
ヘイズ :オレ、ひらめいた
カーリー:何がひらめいたんだよ
ヘイズ :使い道
カーリー:アチチチッ まともにつかえるもんか
ヘイズ :使えるね
カーリー:できっこねェよ
ヘイズ :フッ キッド
     いいから まあ任せておきなって

(音楽)【『二十万ドルの火遊び』】
御者の声:ホーッ!
【駅馬車で来る二人 しゃれこんでヘイズ降りてくる】
ヘイズ :ジョーンズ君 カバン頼むよ
(音楽)【ホテル】
ヘイズ :それからもう一つ適当な部屋を見つくろって下さい
     アシスタントのだ
パーソン:はあ、それでしたらいいのがありますよ
     裏手になりますが一日一ドルです
     それがダメでしたらほかにも…
ヘイズ :いやいや、それでけっこう
     じゃ  宿帳に記入を
     名前はジョーンズ サディアス…ジョーンズだ これでよしと
(音楽)
ヘイズ :すみません
     ジョシュア・スミスって者ですが、頭取のスターリングさんは?
スターリ:私がスターリングですが、まあどうぞ
ヘイズ :スターリングさん
     実は二十万ばかりお宅に預けたいと思いましてね
スターリ:ほう、それはそれは
     でしたら この預金の申込書に…
ヘイズ :いえいえ、そうじゃないんです
     僕は預金をするってんじゃなくて
     金の安全のために預かってほしいと言ってるんで
スターリ:そんな、あなた、二十万もの現金を金庫に寝かすんで?
     それじゃ利子も何もつきませんよ
ヘイズ :けっこうです
スターリ:そんなばかな
     二十万もの金をただ寝かしとくだけなんてそんないけませんよ
     言語道断
ヘイズ :頭取を前にしてこう言っちゃなんですけど
     銀行てのは取り付け騒ぎも多いんでね
スターリ:うちはだいじょうぶです
ヘイズ :とにかく頼みます
     僕は資金を安全に保管してくれればそれでいい
     利子にも投資にも興味はないんです
     どのみち
     ここで使うまでのことですから
スターリ:というと買い物での?
ヘイズ :実はいい牧場を探してるんですよ 牧草地のいいのを
     ジョーンズ君は牛の専門家でね
     いい出ものがあれば見に行きます
スターリ:まあそれでしたら、ここはうってつけの土地でしょうな
     むろん
     土地は高いが値打ちはあります
     うちも全国で指折りの牧畜業者と取引願ってますが
     そりゃ確かなもんですよ
     安全です
ヘイズ :そりゃありがたい
     それでは一応この  金の勘定を
     それから貸金庫に保管していただくト
スターリ:ええ、ええ、そうしましょう
ヘイズ :それからあれもお忘れなく
     預かり証
スターリ:わかってます、わかってます ご注文通りにやりましょう
     しかし、一度夕食でもご一緒して
     資本主義の哲学についてとっくり話したいですな
     おわかりになってないようだから
(音楽)【牧草地】
ビクシー:これなんだかね
     値段さえよけりゃ手放してもいいと思っとるんだよ
ヘイズ :面積はどれくらいです?
ビクシー:まあ、九万から 十万エーカーってとこか
カーリー:確かにいい土地ですよ、ビクシーさん
     でもまとめて二十万エーカーはないとスミスさんにはお勧めできませんね
     この人の計画じゃそれでも狭いぐらいなんです
ビクシー:だったら、やめとくんだな
     こっちも別に売りたいって気でもねンだから
(音楽)【別の牧場主と地図を見る二人】

【ホテルの部屋 ひげを剃るヘイズ】
(ノック)
ヘイズ :はいはい あ、キッドか
カーリー:どういう心境の変化?ひげを剃っちゃって
ヘイズ :いや、悪党面に見えちゃ今度の作戦にさしつかえると思って
カーリー:さ、そのことだ 今日何曜か知ってる?
ヘイズ :土曜だろ
カーリー:そう土曜日
     問題の
ヘイズ :まあまあ、そうヤキモキすることねエって
カーリー:しかし、もう六人大牧場主に会ったのにポーカーのポの字も出ねエ
     ウィートの話も大ボラじゃねェかって思えてくるよ
ヘイズ :しかし、ウィートがここの賭場荒らしをやろうって言ったのは
     一度や二度じゃねェからな
カーリー:俺が聞いたのは一度
     そのとき言ってやったよ
     牧場主が束になって追っ手をかけてきたらこわいぞって
ヘイズ :俺は三度思いとどまらせた
     詳しかったぜ、ゲームの時、場所、金の動き
     みんな腕はお粗末ってことまで知ってた
カーリー:まあいい 賭場は立つとしよう
     だけど今になっても誘いが来ねェとなると…
(ノック)
ヘイズ :どうぞ
ビクシー:ちわス
ヘイズ :おや、ビクスビーさんにハーバースタさん、ま、どうぞ
ビクシー:や、どうも
     あー
     ちょっとスミスさんにプライベートな話があって来たんだがね
ヘイズ :いや、土地のことなら相談役の耳にも入れとかないと
ビクシー:土地の話じゃないんだよ
カーリー:ああ そういうことでしたら
     僕はロビーで待ってますから
     失礼
ビクシー:悪いな
     あれッ  どうしたんだね、あの  スープ汚しは?
ヘイズ :汚したスープはきらいになったもんでね
ビクスら:(笑い)
ヘイズ :で… 今日は何用で?
ビクシー:あんた、どうだね、ポーカーはやるのかね?
ヘイズ :ポーカーぐらいだれだって
ビクシー:あんたはやる気あるのかな?
ヘイズ :ええ、付き合いポーカーぐらいなら
ビクシー:それがあるんだよ、このロードタウンでいい勝負が
     毎週土曜の午後三時きっかりに始める
     それどお開きは日曜の午前三時にピシッと
ハーバー:そう
ヘイズ :そうですか
     誘って下さるんですか、その勝負に
     でも、やっぱり
     断らせてもらいましょう
     皆さんとのゲームじゃ、
     損も大きいですからね
ビクシー:そうかね、そいつは残念だなァ
     わしらは金に余裕のあるものしか仲間に入れんのだよ
     十万ぐらい平気なの
     そういう申し合わせでな
     だから仲間も慎重にチェックする
     十万や二十万スッても遊びですむようなのばかりが集まるわけさ
     まあ大きな勝負になるってことじゃ西部一といってもいいだろう
     それがこの町であるってことさ、毎週土曜日に限ってだが
ハーバー:そう毎土曜日に
ヘイズ :(笑って)それだと話は違いますね
     考えてもいいな
ビクシー:じゃ三時までに決めなさい
     ロビーの厚いドアがガチーンとしまったら
     ご開帳ってことだ
ハーバー:それまで来なかった場合は
     絶対に入れないから
     じゃ待ってますから
ヘイズ :なるべく時間までに行くようにしますよ
     どうも
ビクシー:じゃあとで
(音楽)
     若い人がいるのもいいもんよ
ハーバー:そうそう
ヘイズ :ついにお誘いがかかったか、よし見てろ、稼いだるぞォ!

【ポーカールーム 席に着く一同】
ガヤ  :さあ今日もじゃぶじゃぶ稼がしてもらうかな
     早々勝たせてたまるかって
     今日はあたしの番だよ 【など適当に】
ハーバー:今日はこれだけだ
【ポンポン札束を前に置く一同】
ビクシー:そろってるな
ヘイズ :(笑)
ビクシー:さあそれじゃ場代は二百ドルでいいな
男たち :いいよ
     それでいこ
ビクシー:それから例によって勝ったやつが晩メシおごるんだぞ
ヘイズ :申し訳ないことしましたよ、ぼくは勘違いしてたんで
     で てっきり勝負はチップでやって
     あとで小切手で精算すると思ってたんです
ビクシー:いやそれはわしの落ち度だ
     先刻承知だと思って言い忘れた
     ここじゃ現ナマで賭けるんだよ
     じゃー とりあえず五千ドル貸しとこう
     月曜の朝返しゃいいから
ヘイズ :そいつは助かります
     来週の土曜はキャッシュ持参で来ますよ 普段持ち歩かないもんで
ハーバー:それがほんとの金持ちってもんだよ、スミス君
一同  :(笑)
ヘイズ :それじゃアンテ二百ドル
一同  :よしいこう二百
     はいよおれも
【サルーンの小さい勝負】(ピアノ)
カーリー:じゃ二十五セントでオープン
男1  :四十セント
【ポーカールーム】
ヘイズ :では千ドルにコール
     それから千ドルのレイズと
【サルーン】
男1  :五十セントあげた
カーリー:よし
     五十セントにコール
     追っかけて五十
【ポーカールーム】
ビクシー:よし五千ドルは付き合っとくか
男A  :こらいけません
男B  :あたしは降りとこう
ハーバー:なんか握ってるなァ
【サルーン】
男1  :よし上げた 2ドルだ
【一同降りる】(口笛)
カーリー:ちょいと高すぎるよ

【ホテルの部屋】
カーリー:首尾は?
ヘイズ :それが気味が悪いほどうまく運んでよ
     ビクスビーのだんながポイと五千貸してくれたけど
     そんなの一回の勝負で返しちまった
カーリー:どうやって?
ヘイズ :どうやって?
     あのおっさん連中じゃ赤ン坊の手をねじるようなもんだよ
     まだ数えてねンだよ、これ
     現場でゼニ勘定じゃみみっちいんでな
     フェアな勝負だけどみんな恐ろしくウブなんだ
     ジャックス・オア・ベターでオープンしたら
     クィーンのペアでガンガン上げてくるというお大尽ポーカーだもんな
カーリー:フッ
ヘイズ :なんと一万四千八百ドルだよ
カーリー:(口笛・歓声)ヘイズ! それで大名旅行だ
ヘイズ :バカ、これは元手だよ
     今度の土曜は見てろ、こいつを三倍にしてやるから
カーリー:じゃまだ一週間ご滞在か
     何するんだよ?
ヘイズ :土地の物色よ
     ひょっとしたら買えるかも知れねェよ
(音楽)

コメント(8)

【ホテルに入るビクスビーたち】【丘の上からカイル見ている】
カイル :(笑い)ウィートの言った通りよ
     三時にご開帳間違いなしだ
     もう五人も揃ったからな(笑い)
【ホテル ロビー 集っている一同】
ビクスら:(ガヤ)またたんまり持ってカモられに来たか
     なんのこの程度小さい小さい
     今日はツキそうかい
     つくつく
ハーバー:ああ待ってた待ってた、よく来たね
ビクシー:勝ち逃げで町を出られちゃ悔しくて寝られんなと思ってたんだ
ヘイズ :ええ予定じゃあと二三日でここも切り上げようと思ってますから
     ま、せいぜい今日取り返してもらうんですね
ハーバー:カモられっぱなしじゃロードタウンの名折れだからな
     取り返させてもらいますよ 頑張らせてもらいます
ヘイズ :どーぞどーぞ
ハーバー:ああ、アストンだ
     待ちかねたぞ、これで揃ったな
ガヤ  :やあやあどうも
     悪い悪い待たしちゃって
     この間はどうも勝たせてもらって
     何の何の軽い軽い
     今日はこっちの番だよ 【など適当に】
【部屋に入る一同】
【ドアボルト】
【サルーン】(ピアノ)
男1  :場はいくらだ?
カーリー:三ドルだ
【ポーカールーム】
ハーバー:前にいくら出してるかね?
ヘイズ :そうね、三万ちょっとかな、教えます?
ハーバー:いやぁ、いい、いい
     よしここは押してみよう
     一万上げて出方を見たい
ビクシー:一枚替えて一万レイズかあ
     おんりだな
ヘイズ :ああいい
     出すまでもありませんよ、ボクも下りるから
ハーバー:なんだ乗ってこんのか
カイル :よし、行けっ!
【ドアを破って押し込むカイルたち(袋をかぶっている)】【ドアに丸太】
     動くな、みんなそこ動くな!
     じっとしてりゃ怪我はさせねェ
     手は見えるところに出しとけ
【カイル、ヘイズに気づいて】
     おいウィート、見ろよ!
     ほら頂きだ、かっさらえ!
     袋に詰める、ホレ
     早くしろ 一枚も見逃すんじゃねェぞ
(音楽)
     よし出ろ ほら行け 引き上げだ
     いいかお前ら 動くなよ
     表に一人見張りを残しとくからな、五分たたねェうちに
     チョロチョロ顔出したらぶっくらうと思え
     殺すぞ
(ドア)
一同  :フーッ やられたあ
カイル :馬鹿野郎、、電柱なんか抱えて逃げられるかよ、ほっとけ
     早く来い 座布団ももういらねェの
     早くしろい!
パーソン:(うめき)
ヘイズ :みんな持ち金を思い出して保安官に届ける
パーソン:(うめき)
     (やもうあなたひどいことを)
     あたしはいいから早く保安官に
【ホテルの部屋】
カーリー:あと一勝負がこの始末だ
     だからあの時欲をかかねェでやめりゃよかったんだ
     見ろ、オケラじゃねェか
ヘイズ :わかってるよ、いっそ先週オケラになってりゃよかったんだ
     そしたら  こんなことには……
カーリー:こんなことって?
ヘイズ :まだ言ってなかったけど
     カイルがオレを見て「おい、ウィート、見ろよ」って言ったんだ
カーリー:ほんとか、おい、指さしたの?
ヘイズ :それはやらなかった
     だから、みんな  出てた金のことを言ったと思ってるよ
     しかし、そのうち、ウィートってのが
     ウィート・カールスンだとわかるかも知れねェ
     地獄の穴一味ってこともばれる
カーリー:おおノー!
ヘイズ :第一  ウィートなんて悪党はそういねぇしな
     地獄の穴の仕業とわかりゃ
     当然ヘイズとカーリーもかんでると勘ぐられる
カーリー:それよ  保安官は人相書きを調べておれたちに思い当たる
ヘイズ :(ああ)
カーリー:これからすぐおさらばしようか
ヘイズ :イヤそれは出来ねェよ 偽札をほってはいけない
     月曜でないと出せねェしな
カーリー:月曜までだいじょうぶ?
ヘイズ :わかんねェ  様子を見るより手がねェよ
     (考え込む)ダメだ
     首をすくめてじっと座ってるんじゃなダメだ
     なんとか手を打たなきゃ
カーリー:どう打つ?
ヘイズ :お前町を出ろ
     あいつらのところへ行って銭を返してくれって頼むんだ
カーリー:(笑って)そんなバカな
     (笑って)どうかしてるぜ、ヘイズさん
ヘイズ :ま、聞け
     オレの持ち金三万五千はくれてやるからと言え
     その代わり、残りは返せって
カーリー:そんな注文聞くかよ
ヘイズ :俺が行きてェところだけど牧場主たちに疑われちゃまずいだろ
     一家の連中にはあの賭場を荒らしてただですむと思うなって
     脅しを利かせろ  だけど
     金を返しゃ三万五千がとこは金持ちにしてやるからって言うのよ
     しかも大牧場主六人が手の者を繰り出してくることもねンだ
     捕まってみろ
     吊されるんだぞ
カーリー:それは聞く、絶対聞くよ
     おまえが言やあ一発に
ヘイズ :ダメ  お前が行くの
カーリー:(オレ?)
【馬屋前】
スターリ:あ、スミスさん!
     ちょっと話があるんですが
ヘイズ :日曜にどうしたというんです 町外れでしょ、住まいは
スターリ:教会に来たんです、ちょっと話を
ヘイズ :いいですよ、何です?
スターリ:いや、ここじゃ、なんだから
     ホテルのあんたの部屋で
【部屋に入って】
スターリ:では取引の話を
ヘイズ :へえ、日曜日に?
スターリ:私は一日二十四時間、週に七日働いている
     別に悪徳とは思っていないね
     今朝も金庫に入れてある証券類を調べていたんだが
     ほかのものも調べる気になったのだ
ヘイズ :というと?
スターリ:あんたは現金をただ金庫に入れとくだけだろう
     これがどうもひっかかってな
     で、まあ、今朝調べてみた訳だ じっくりと
ヘイズ :しかし、保管箱は勝手に開けちゃいけないんだろ
     それにもう一つのカギがなけりゃあかないはずだがね
スターリ:箱の開け方の話はまたのことにしよう
     問題は中身が何かだよ
ヘイズ :何だって言うの?
スターリ:今更言わなくても
ヘイズ :いや、聞かせてもらいたいね
スターリ:あの金は一枚残らずニセ札ってことは承知のはずだが
ヘイズ :あのね、スターリングさん
     だから言ったでしょ  あの金は使わないんだって
     しまっといてくれって
     ボクは機会あり次第当局へ届け出るつもりだったんだ
スターリ:それは聞こえませんね、そんな出まかせ
ヘイズ :まあまあ、だから預金もしなかったでしょう
     悪用しなかった
     罪にはなりませんよ
スターリ:しかし、自分のものにしてるじゃないか、これは犯罪だ
ヘイズ :(笑って)さっき取引って言ったね
スターリ:言った
     あんたに売りたいものがあるんだよ
ヘイズ :何です?
スターリ:沈黙だ
     あんたが何をもくろんでるか、それには興味がない
     こちらは納得のいく額で取引してもらうだけでいい
     そういうことでどうかね
ヘイズ :そうね、この際、黙っててもらうってのは
     大いにありがたいことだな
     じゃ、どうだろ
     一万ドルってことで
スターリ:もう一声だね
     一万五千ドルで手を打とう
     本物の金でだ
ヘイズ :一万五千
     そろえるのにちょいとヒマがかかるなァ
スターリ:いつまで?
ヘイズ :そうね…水曜まで
スターリ:よろしい
     水曜まで待とう
     ダメなら届け出る
(ノック)
保安官 :グリムリー保安官ですが
ヘイズ :どうぞ
(ドア)
保安官 :や、これはこれは
     お邪魔でしたかな
スターリ:いやいやちょうど失礼するところなんだよ
     教会に来てなかったね
保安官 :まあそのうちに行きますよ 気が向いたら
     実はゆうべ賊の言ったことなんだがね
     ウイドとかウィートとか
ヘイズ :ボクにはウィードと聞こえましたがね
保安官 :アそう
     ウィードだと言ってるのはマトスンだけなんだ
     それとあんた
ヘイズ :ええ、それってのがほら  ウィードって無法者がいるでしょう
     ウィード・ブロンソンとかってヤツが
保安官 :いや、知らんね、そういうのは
     ウィートってのは聞いたことがあるけど
     あんたは?
ヘイズ :いや、ウィードなら聞いたけど
     ウィートてのは
保安官 :「おい、ウィート見ろよ」と言ったそうだが
     思い当たることは?
ヘイズ :ああ確かそんなことを言ってたな、
     だけどありゃ  出てた掛け金のことを言ったんじゃないかな
保安官 :ほかの者もそう見てるよ
     そりゃそうと相談役はどうしたんだね、ジョーンズとかいう
ヘイズ :ああ、今、北の方を見に行ってんです、水曜には帰ります
保安官 :ふーん
     じゃウィードだね
ヘイズ :そうです
保安官 :や、どうも
(音楽)
ヘイズ :フーッ!
     冷や汗かかせやがるぜ
【ゴーストタウンの隠れ家】
カイル :けどそんなこと、ウィートがいなきゃ決められねェよ
カーリー:あいつを待ってるヒマねェって言ってんだろ
     ここへ来るのに二日帰るのに二日かかるんだぞオレは
     もう手遅れかも知れねェのに
     この上ウィートが帰るのを待つなんて悠長なことが出来るか
ロボ  :じゃ、本気でお前  あの二十万ドルを返すと思ってきたのかよ
     滅多とねェかせぎだぜ
カーリー:だったら好きにすりゃいいだろ
     ゼニは持ってろ
     そのかわり六人の大物が金にあかせて雇い集めた
     ガン使いから賞金稼ぎに追いまくられるんだぞ
     それがいやならヘイズの三万五千はくれてやるから
     残りを返せ それで心配なしだ
ロボ  :正体はバレてねェよ
一同  :(あざ笑う)
カーリー:ロボよ
     お前、ウィートやオレたちの手配書が
     どれくらい出回ってるか知らねェのか
     それには、ウィート・カールストン
     地獄の穴一味なりとバッチリ書いてあるんだぞ
【手配書をめくる保安官】(音楽)
カイル :待てよ キッドの言うことももっともだ
     いいじゃねェか  三万五千で上等よ
     だってよ  大金握ったって追いまくられちゃたまんねェぜ
ロボ  :オレはそうは思わねェ
     二十万あるのとねェんじゃ、えれェちがいだ
     ケチなゼニよ、三万五千なんてよ
     おら、割り切れねェな
カイル :けど返してやるやつってのはよ
     ヘイズとキッドのためなんだぜ、お前
男   :そらそうだ
ロボ  :よし、じゃ、こうしようじゃねェか
     お前が責任もて
     お前の一存で決めたってことに
カイル :やだよォ
ロボ  :だめだ
カイル :やだよぉ
ロボ  :お前だ、オレじゃねェ
【カイル「待てよ」】
     お前が決めたんだぞ
     何言ってもきかねェよ
     カイルが責任取る、それでチョン
(音楽)【手配書調べる保安官】
【銀行 ヘイズ来る】
ヘイズ :頭取さん 相談役がまだ帰らないんだ
     これじゃあんたとの話もつけようがないんでね
     もうちょっと時間を…
スターリ:だめだね
     条件通りにやってもらえなきゃ、あんたもあの金も届け出るまでだ
ヘイズ :なんで金庫の方を?
     金はもう出してるんだろ?
スターリ:いやあ、値打ちのあるものはぜんぶあそこに入れてある
     君の金も入ってるよ、なあに確かなものだ
     ピアス・ハミルトンの73年だ
ヘイズ :わかってる
スターリ:え?
ヘイズ :あ、いや  安全なのはわかってる
     でも…とにかく二三日待って
スターリ:だめだ、今日にも連邦政府の役人に連絡する
     その役人が来る前に金を持ってくりゃ
     まだ取引は出来る
     ま、努力するんだね
ヘイズ :しかし、今日連絡するんだろ
     だったら、金が間に合っても
     役人をどうするんだよ?
スターリ:その心配は私がする
     君は自分のみを案じてろ
     その筋に突き出されないようにすりゃいいんだよ
(音楽)【馬飛ばして帰るカーリー】
【保安官まだ調べている】
【馬屋前 帰り着くカーリー】
ヘイズ :お帰りお帰り!
(カーリー暗い顔)
     まさか、ヤツら…
【(にっこり笑って)カバン投げるカーリー】
     (歓声)よくやったな
     よくやってくれたよ
(音楽)【夜 銀行 忍びこむ二人】
ヘイズ :早くしろ
カーリー:つっかえるんだよ、からだが
【金庫にとりつくヘイズ】
     ほんとにだいじょうぶ?あの鉄格子元通りに直せるんだろうな
ヘイズ :いいから黙ってお前は見張ってろ
カーリー:金庫破りってのは一種の芸術だと思うんだよ、オレ
     ピアノみたいなさ
     ピアノをうまくひくには練習ってものがいるだろう
     お前さん、このところ練習不足じゃねぇか
ヘイズ :余計な水さすんじゃねェよ
     黙って専門家に任しときゃいいんだ
     なあにこんなものチョチョイのチョイよ
     (ヘヘッ)
【一度であかない】
カーリー:何がチョチョイのチョイだよ
     ケッ
(音楽)【ウィートの手配書を見つける保安官】
【金庫あく】
カーリー:さーすがぁ やるじゃない
     場所が場所なら拍手喝采もンだぜ
【保管箱を出してあける】【カバンの金とすり替えて元へ戻す】
【ホテル】
スターリ:どこをウロついてたんだ
     取引の最終日だってのに
ヘイズ :取引?
スターリ:例のお役人がもうすぐおつきなんだよ
     で… どうなんだね、君の方
     できたのか、できないのか
ヘイズ :何ができたって?
スターリ:金だよ、金の工面だよ
カーリー:金?
ヘイズ :何のお話でしょうね、どうもわかりかねますけど
スターリ:よーし そっちがそう出るならもう容赦はしない
     逃げるなよ、どうせ逃げられやせん
     気を変えるなら、あと二分ばかりだぞ
(音楽)【歩道で駅馬車を待つスターリング】【馬車着く】
スターリ:あー コリンズさんで?
コリンズ:そうです
スターリ:私がスターリングです
コリンズ:ああ
スターリ:お早いお越しで助かります、ありがとうございました
コリンズ:いや、礼はこちらが言いたい
     ちょうどお知らせいただいた額のニセ札を
     われわれも追っていたところでね
スターリ:そうですか
コリンズ:ええ もう少しで押さえられるところだったのに
     どうやったのか犯人が隠してしまいましてね
スターリ:なに今度こそだいじょうぶです
     一緒に来て下さい ホテルはすぐそこです
コリンズ:ニセ札は…ホテルにあるんで?
スターリ:いやいや、あれを預けた男がホテルにいるんですよ
コリンズ:私としては
     よければ札の方を先に見たいんですがね
スターリ:金は銀行です、逃げやしませんよ
     でも、持ってたヤツらはそうはいきませんからね
(音楽)【ホテルの部屋】(ノック)(ドア)
ヘイズ :何か?
コリンズ:スミスさん?
ヘイズ :はい
コリンズ:私はコリンズ、連邦政府から来たものだが
     はいっていいかな
ヘイズ :それで何か?
コリンズ:スターリングさんの話じゃ
     あんたはかなりの金を銀行に入れてるそうだが
ヘイズ :いえ、銀行じゃないんです
     保管のため金庫を借りただけで
コリンズ:そうだ 確かにそう聞いている
     だが、その金はニセ札だそうだね
ヘイズ :そんなバカな!まさか!
コリンズ:ま、いい それは調べればわかることだ
     こっちへ先にまわったのは、スターリングさんが
     君たちは逃げるかも知れんといったからなんだよ
     それで金を見るのはあとにして来てみた
ヘイズ :だったらすぐ金を調べてもらいましょうか
     ジョーンズ、カバン持って
(音楽)【銀行 箱を出す】
スターリ:さ、どうぞ
     並みのニセ札じゃありませんよ
     そりゃもういいできでして
【鑑識用具を出すコリンズ 天眼鏡で覗いて】
コリンズ:スターリングさん
     どういう訳でわざわざ私を呼びつけたのか訳を聞きたいね
     おまけにこの方をニセ札拐帯犯人みたいなことを言って
     こら、あんた、りっぱな本物じゃないか!
ヘイズ :驚きました あきれたお方だ
     ボクのカギが啼きゃあかないはずの箱を開けたんですね
     フッ ま、人間、あやまちはあります
     見逃しましょう すべては水に流すってことで
     よろしいね
スターリ:はあ、そりゃもうあなた
ヘイズ :しかし、この金はもう預けちゃおけません、引き上げます
     ジョーンズ君
     君、預かり証を持ってるだろう
     お返ししなさい
コリンズ:スターリングさん
     私はホテルに部屋を取る フロに入って
     食事をして一休みしてから二時三十分の駅馬車で帰ることにする
     あとで政府の請求書がいくから
     部屋代交通費諸経費 文句言わずに払ってもらう
     それでは失礼するよ
スターリ:はあ…
ヘイズ :ご苦労様でした
     じゃ、これで
     色々とどーも
カーリー:はい、これ、預かり証
スターリ:あ、どうも
     ね、ジョーンズ君
     たのむよ
     いってくれ
     どうやったんだ?
カーリー:どうって何をです?
(音楽)
【保安官手配書の山からヘイズとキッドのをみつけ出す】(音楽)
【ホテルの部屋】
カーリー:どうだった?てこずった?
ヘイズ :いやあチョロイチョロイ、フロントのおじさんに十ドルあげてさ
     ちょいとでっち上げ話をして郵便局へ行かせたスキに…
     やっと金の始末が出来た
     これで心も軽く身も軽くだよ
     駅馬者が出るのは何時だい?
カーリー:あと二十分
(ノック)
ヘイズ :はい?
サリー :ジョーンズさんいます?
カーリー:いいんだ 酒場で仲よくなった子だ
(ドア)
サリー :(あぁ)はいっていい?
     (あー)これ、あたしがいったことは内緒よ
     保安官が助手を召集してんだけど、
     なんかあなたとスミスさんに関係ありみたいよ
(音楽)
【保安官たちホテルへなだれこむ ヘイズら既にいない】
保安官 :パーソン!
パーソン:はいはい
保安官 :ジョーンズの部屋は何号だ
パーソン:あぁ、四一二号です
【馬とばしてにげる二人】(音楽)
保安官 :いけーッ
【ポシ追う】
【駅馬車出る】
御者の声:(ハーッ!そらいけ!)
【コリンズ、グリーフケースを開ける】【札束出る】
女客二人:(あえぎ)
【コリンズ調べて】
コリンズ:いやま、ご心配なく
     こら、ぜんぶニセ札ですよ
女客二人:(悲鳴)
コリンズ:(笑い)
(音楽)(汽車)
【列車走る】【ポシ止めて】
保安官 :ここまでだ
     おそらくあの列車に乗り込んでるだろう
     もう追っつかねぇ
(汽笛)
【ロビー】
ビクスら:しかしみんなよく集まったな
     あんなことのあったあとなのにさ、
     さ、そこがポーカー気ちがいさ
     あの程度のことで勝負を休んじゃ男がすたるってやつよ 【など等】
ハーバー:もう三時だ
ビクシー:そうだな いいだろう あけよう
マトスン:きょうはだいじょうぶだろうな
ガヤ  :バカ、そうそうやられてたまるかっての
     そうそう
保安官 :ビクスビーさん!
ビクシー:ああ?
保安官 :ホールドアップをかけた犯人わかりましたよ
     地獄の穴一味です
ハーバー:ええ?
ビクシー:ほんとかね、それは
保安官 :まちがいありません
     ヘイズとカーリーが采配をふってる一家ですがね
     二人は見てます
ハーバー:見てるって、おれたちが?
保安官 :そうです、二週間いましたからね
     ヘイズの方はゲームにはいっていたでしょう
     ほら、ジョシュ・スミスてやつですよ
ビクシー:おいおい、待ってくれよ、信じられんなそんな話は
保安官 :おれもですよ
     しかし、残念ながら事実なんですな
     ま、日暮れまでにつかまるでしょう
     西行きの汽車に乗りましたからね、
     沿線の保安官事務所に片っぱしから捜査を依頼しておきましたよ
ビクシー:そいつはいい手まわしだ
保安官 :はあ、じゃ、電報局へ行って連絡を待ち
ハーバー:よろしく頼むよ
     連絡があったらすぐ知らせてくれ
ガヤ  :ひとはみかけによらんてぇが本当だな
     いや驚き桃の木
     しかしやるじゃないか、保安官も
     これできょうは安心してポーカーをうてるわけだ など適当に
【一同が部屋にはいるとテーブルに金がおいてある】
ビクシー:こら、どうだ!
ハーバー:いやあ 驚いたね、こら
マトスン:あの金じゃないか
ハーバー:何ともたまげたね
ビクシー:うーん マトスン
マトスン:あ?
ビクシー:保安官を呼んでこい
(音楽)【貨車で行く二人】(列車)
カーリー:やたらに目まぐるしく変わりやがったなァ
     初めは二人あわせて十二ドルだったのに
ヘイズ :十二ドル七十セントだった
カーリー:それが一時は二十万ドルとちょっとにふところがふくらんで
     それも本物の金で
ヘイズ :正確には大枚二十万と七百十九ドルだった
カーリー:それが今やたったの八セント
ヘイズ :お前にはいいにくいけど、おれ…
     悪の道に戻ったよ
カーリー:なに?
ヘイズ :盗んだのさ
     スターリングの金庫をあけたときだが
     こいつが床に落ちたんだ
【と百ドル札を出す】
カーリー:百ドルじゃないの
     (笑って)本物?
ヘイズ :本物だ
     金庫からこぼれ落ちたんだ
     それを急いでたんでポケットにねじこんで
     で、つい、そのまま… 返すのを忘れたのよ
カーリー:そりゃ盗みを働いたことにはならねぇよ
     そんなの…
     うっかりしていただけじゃないの
ヘイズ :お前は心の広いいい子いい子
(音楽)(笑い)(汽笛)

【ポーカールーム】
ガヤ  :しかし、これまた奇怪千万だなァ
     金が返ったのはいいが薄気味悪いよな
     だれの仕業だい、こらあ?
保安官 :どうしたんです
ビクシー:じゃ実はな連絡先の保安官にすぐ電報を打ってほしいと思ってな
     あんたの捜査依頼取り消してもらいたいんだよ
保安官 :どうしてです!
ビクシー:わしらとんでもない勘違いをしておったんだよ
     金はとられてない
保安官 :なにィ!
ハーバー:いや、そうなんだよ
     金はこの通り 一ドル残らず返った
     だからおれたち被害届けは取り下げるよ
     強盗はなかったってことだ
保安官 :どういうことなんです?
ビクシー:わからんね
     しかし、これであんたもホッとしただろう
     ヘイズとカーリーを二週間も見逃したてことにはならねンだから
     強盗でもなかったんだし
保安官 :はあ…
     そうですね 素直に喜ぶべきですよ
     ねェ?
ビクシー:おれたちがそういってんだもんな
保安官 :そうですよ 事実なんですよ
ビクシー:そうとわかったら早いとこ電報を
保安官 :ええ、連絡します
マトスン:そりゃそうとその書き置きには何と?
ビクシー:なになに
     「皆さん」とある
     「金は正確に分けてあるつもりです
     とにかく総額にまちがいありません
     ただし、僕の掛け金はもはや手元にないのでおいてありません、
     あのときポーカー仲間が
     本物のヘイズだったかどうかは皆さんの判断に任せます
     どちらにしても現に金は
     一セント残らず返ってます
     ということは人ちがいか…
     ヘイズが真正直な男だということでしょう
     サイン−ジョシュア・スミス
(音楽)
                         〜お わ り〜
トピック立てのときにアップすればよかった。

ひろむしさん所蔵のNHK吹替え用台本の写真です。

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