日本では,OCのプロゲスチンにより血栓症のリスクに大きな違いがないという認識が広がりつつありますが,あちらでは,第4世代のハイリスクは常識です.常識ですが,差をどのように受け止めるか,という問題に帰着しています.学会のtake home messageでは,端的に,比較的若い女性は相対的にandrogenicな超低用量OCが望ましく,中年以降動脈硬化の不安があるような世代では相対的にestrogenicなOCが望ましい,という結論でした.
2016年,フランスでの新しい研究が,学会以後に報告されました.フランスでは,現在,第4世代に関しては保健償還されないので,患者は自己負担になります.第4世代の疫学研究ができないので,第2世代と第3世代に関するデータを分析し,初めて明確に,超低用量OCの方が低リスクという結果を示しました.もし,学会に間に合っていたら,take home messageは,OCは超低用量が第1選択と言われていたかもしれません.