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美術の先生♪コミュの美術史の授業

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教員1年目です。
中高一貫校コースと、高校のみとがある学校に勤めています。
一貫性はアメリカや、ヨーロッパなど、海外研修が多くある学校です。
世界の有名美術館にもたくさん訪れます。
そのため、「美術史をしっかり教えてあげてね」と学校から言われています。

みなさんは、どのように美術史の授業を行っていますか。

制作が中心のため、なかなか美術史を教えるのに試行錯誤中です。
(DVDを鑑賞したり、プリントを作ったり、画集を見せたりなどしています)

高校から入ってくる生徒に色々中学時の美術史の事を聞いても、
とても差がありました。
しっかり(?)やってもらっている子と、全然美術史の授業がなかった、
という子と。
みなさんは、どれくらいどのようにされているのかお聞きしたいです。
よろしくお願いします。

コメント(14)

付属高校で教えています。
美術史はとても奥行きがある分野ですね
私は「人はなぜ表現するか」をテーマに課題製作の導入や、テキストの作例について作家個人のエピソードを話しています。
「なぜアルタミラの壁画は描かれたか?」
「モナ.リザは実は五点あった。」
「ピカソのキュビスムは実は求愛と破局の羽間で生まれた。」
などと言うような裏話は結構高校生には興味を持ってもらえます。
>ピカード艦長さま
お返事ありがとうございます。
そうですね。生徒の興味をくすぐるような導入はいいですね。
裏話をたくさん学ぶにはどうすれば良いですか?
何か良い、教材あれば教えていただきたいです。

また、他の方のご意見もお聞きしたいので、
よろしくお願いします。
私なら観光的知識面なら生徒自身で調べさせるのがよいかと。能動的に見る手法としての学びはポストモダン的鑑賞などもよいかとおもいますが。感動は本物が与えてくれますし,感動できることの学び、難しいですね。
沢山、作品の画像を見せます。
まず目を慣らすのが良いと思います。
語学と同じで作品が頭に入ってきてから、整理するために解説していくようにしてます。
制作の説明があまり必要ないときに、授業の最初の7〜10分で鑑賞をやっています。鑑賞のプリントを配り、画像を見せ、解説し、ワークシートで理解を深めるようにしています。
原始・古代〜中世の美術は特に宗教美術が非常に多いので、その背景にある呪術的世界観や宗教思想にも触れざるをえません。ルネサンスの美術のすごさを感じ取るためには、ヨーロッパ中世の絵画や建築も見ておく必要があると思っています。
以下は今までに鑑賞でやった題材のメモで、中学3年間にこのうち2/3くらいはやりたいと思っています。世界にいかにすばらしい美術があるか、どんな文化的な背景があるか。そしてそこに様々な工夫や深い意味があるということを知ってほしいと思っています。

原始美術
縄文土偶、ストーンヘンジ

古代ギリシャ
「神人同形説」について(「神人…」という用語自体は授業では使っていません)
「写実」「均整」という言葉の意味
アルカイックスマイル
パルテノン神殿
エンタシス等

ケルト美術
古代ギリシャとはまったく性質の異なる文化
渦巻き文様、組み紐文様の表すもの
ケルズの書、ケルト十字
「抽象」という言葉の意味について

古代ローマの建築
アーチ、ドーム
ローマ水道、パンテオン、コロッセオ

ロマネスク建築

ゴシック建築
尖頭アーチ、高い天井など垂直性を強調した構造や、
ステンドグラスにより、天国への思いが表現されていること等

イスラム美術
アラベスク、イスラムカリグラフィー、モスク、イスラム庭園
偶像崇拝の禁止が美術に及ぼした影響
ミニアチュール
中国の絵画の影響

ルネサンス
パトロン、メディチ家
中世からルネサンスの絵画の変遷をカラー図版でたどる
線遠近法
立体的、写実的な人物表現(解剖学の影響)
裸体画などの異教的主題の導入

ボッティチェッリ
異教的主題の導入
官能的であるが清らかな表現

ダヴィンチ
生涯、エピソード
空気遠近法、スフマート、三角構図、最後の晩餐の構図の工夫

ミケランジェロ
芸術家の生涯、エピソード
ダヴィデ、ピエタ
(ピエタ―アウレリオ・アメンドラ写真集を見せる)

印象派
絵の具のチューブの発明、写真技術の発明・普及との関連
都会人の生活の風景を題材にしたこと等
モネ

後期印象派
ゴッホ、セザンヌ

20世紀の絵画
カンディンスキー、クレー、モンドリアン、ピカソ

シュルレアリスム
ダリ、エルンスト、マグリット
「モダンテクニック」について
コラージュ、フロッタージュ、デカルコマニー等
(「シュールな絵」の制作の導入として学習しました)

ジョゼフコーネルとBOXART
一つのオブジェで豊かなイメージを喚起する象徴的な表現方法について

仏教美術
仏像が釈迦の入滅後数百年間作られなかったことについて
仏足石、ストゥーパ、相輪
ガンダーラ仏、ギリシャ美術の影響
東大寺大仏蓮華座の花弁の線刻画について
仏の階層;如来、菩薩、天部
印相
寺社建築の組み物について

琳派
俵屋宗達
たらしこみ、デザイナー的な側面
尾形光琳
風神雷神図と紅白梅図における
モチーフの扱いや構図の工夫






はじめまして。私は学部で美術史を専攻して、美術教員の免許を取った者ですが、私が一番興味を持ったのは、北澤憲昭教授が明らかにした日本美術の始まりでした(*^ー^*)
ペリーが脅迫外交の手段として用いた戦争画(リトグラフ)が、日本美術の始まりっていう‥(゜∀゜)
それ(明治維新)以前、日本に美術って言葉自体なかったそうな(゜∀゜)

『境界の美術史』って本にそこんとこ詳しく載ってますw
mixiも「美術の先生コミュ」もすっかり過疎化してしまい、意見交換がほとんどないのが残念です。このコミュは参加者が1339人もいるようですが、実働メンバーは10人くらいでしょうか(^^;
もし、読んでみて興味深いと感じられたなら、「いいね」やコメントなど頂けると励みになります。

琳派の鑑賞を通して、和のデザイナーとしての側面、対になる構図、たらし込みによる奥行きや質感の表現、宗達-光琳-抱一という、実際には面識のない絵師達による継承など、多くのことを学ぶことができます。
私が特に興味深いと感じ、生徒にも伝えたいと考えるのは、「金色背景による空間表現」と「紅白梅図の読み解き」です。

「風神雷神図屏風」では、山や川、村などの背景をあえて具体的に描かない、金色一色の空間で、無制約的な「無限の広がり」が表現されています。「無限の広がり」という見方は、教科書用指導書にも載っていたかもしれませんが、西洋の線遠近法(固定された一視点からの視覚的奥行き)や「遠景、中景、近景」を描く奥行きの表現とは異なる「引き算の表現」であり、東方正教会のイコンの金背景にも通じる空間表現だという点に触れると、さらに理解を深めることができます。
ちなみに、「描かないことによって無限の広がりを表現すること」は、中学校の合唱祭でよく歌われる「はじまり」(工藤直子作詞)の歌詞(何もないあそこから、何かが始まっているようだ)に込められた思想に通じるものがあります。

「紅白梅図屏風」からは、根元が太く、枝が垂れ下がっていることから白梅が老木、紅梅が若い木であることが読み取れます。授業では、どちらが老木であるか生徒に発言させ、白梅の方が老木である二つの根拠について考えさせるとよいと思います。白梅の白は老人の白髪のイメージとも重なります。
対話を通して、川から、「時、人生」という象徴的意味が読み取れることや、「末広がり」は縁起が良いと言われる理由(だんだん豊かになっていくから)について考えさせると、末広がりの川から「年を取るとともに豊かになって人生」という意味が読み取ることができます。(指導書には「老いとともに豊かになる人生」という読み方はなかったかもしれません)
また、波紋からは「困難」、あるいは愛憎などの「情念」を読み取ることも可能です。
 
教師「川の象徴的意味は何ですか? 川の流れで川とは別の何かを表現しているとしたら、それは何ですか?例えば音楽や言葉も“流れるもの”ですね。」
生徒「時間?」 
教師「そうですね! ”時の流れ”という読み方はできますね。」
「”時間”以外の読み方もあると思います。 “川の流れのように”という歌の歌詞がありますが、どんな意味でしょうか? …人は”時の旅人”だと言われることがあります。人間と時に関係する言葉です。」
生徒「人生」
教師「そうですね! 一般に(歌詞・宗教・哲学・文学・日常会話等で)川は人生や時の象徴とされることが多いですよ。」
(中略)
教師「年を取るにつれて豊かになるものは何ですか?」 
生徒「経験」、「知識」、「家族」、「友人」・・・

もちろん、授業では、最初から固定した「答え」として教えるのではなく、生徒に発問を繰り返しながら、「可能な読み取り」として提示しています。

その他に、例えば、「白梅(老いた男性)と紅梅(若い娘)の恋と別離」という読み方も可能かもしれません。そう考えると、「白梅が川越しに(去り行く時の中で)若い娘を呼び留めようと手を伸ばし、紅梅は身を翻して拒んでいる」というイメージが浮かび上がってきます。
いずれにしろ、年老いた白梅と若い紅梅、時、人生を意味する川という要素から、様々な読み取りが可能だと言う点が興味深いです。
絵解きの正解は一つだけではないと思いますが、「歳を経るごとに(物質的肉体的には衰えても)豊かになっていく人生」という読みは、一つの可能な解釈として紹介する意味があります。「物質的な価値に対する精神的価値の優位」という道徳的価値を伝えることができるからです。

以上、「金色背景による空間表現」と「紅白梅図の読み解き」について書いてみました。琳派の鑑賞を行う際の参考にしていただけると幸いです。

なぜレオナルドは輪郭線を消したのか?
「画家の科学」とスフマートの意味について

レオナルド・ダ・ヴィンチの鑑賞において、二枚存在する「岩窟の聖母」を比較し、最初に描かれた作品にアトリビュート(持物)が描かれていないことに着目させることは重要です。「岩窟の聖母」の鑑賞を通して、レオナルドにとって、自然と人間そのものが神秘であったことや、スフマートの深い意味について学ぶことが出来ます。
はじめから「優美で神秘的」などと解説するのではなく、「力強い、さわやか、軽やか、元気、熱い、冷たい、優美、神秘的、硬い、柔らかい」等の語群を提示して、生徒に選ばせ、その後でなぜ「神秘的」と感じるのか考えさせてもよいと思います。

レオナルドに影響を受け、スフマートによって人物画を描いたルネサンス期の画家は複数いますが、レオナルドの「柔らかな光と闇に包みこまれるような」スフマートは唯一無二と言えます。レオナルドのスフマートはなぜあそこまで柔らかで奥深いのでしょうか。
以下は「岩窟の聖母」とスフマートやレオナルドの思想と芸術についての考察です。皆さんが鑑賞の授業を行う上での参考になれば幸いです。
なお、私の鑑賞の授業では「新プラトン主義」や「流動的イデア論」といった語句をそのまま生徒に伝えているわけではありません。教える側が、レオナルドの思想について把握した上で、生徒に伝える内容や伝え方を厳選し、本質に迫る授業を行う必要があると思います。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「画家の科学」とスフマートの意味について

 レオナルドは、第一作目の岩窟の聖母に、マリアの頭上の光輪やヨハネの十字架などのアトリビュートを描かなかった。これはレオナルドが、神のイデアによって創造された自然と人間そのものが神秘であり、アトリビュートという記号に頼らずに、その神秘を描くことが出来ると考えたからであると思われる。その「生成の神秘」を表現するための技法が、三角構図による「偉大性」や「永遠性」の表現、解剖学などの科学的探究に基づいた人体の表現、空気遠近法やスフマートだった。柔らかな光と闇に包みこまれるようなスフマートにより、「奥深く計り知れない感覚」(深遠さ)、つまり「神秘」を描こうとした。レオナルドは写実を極め、写実を超えて「優美」と「神秘」を表現したと言える。

 レオナルドは、「水流と渦」や「植物の成長の軌跡」、「人体内の血液の循環」など、自然界の変化のプロセスに強い興味を持ち、繰り返しスケッチしている。
彼は、自然の本質を「運動と生命力である」と定義し、自然の動的な法則を捉えようとした。彼にとってのイデアは固定的なものではなく、新プラトン主義的な「自然と人間の中で生きて働くイデア」であり、「内在的流動的イデア」だった。そして個々の自然を観察するアリストテレス的な探究によって、自然に内在するイデアに到達しようとした。レオナルドは哲学書に基づいて論議する人々と一線を画し、自分自身を「文字を持たぬ人」と呼んだが、「画家の科学」によって、新プラトン主義とアリストテレス哲学が融合した境地に達したことは驚歎に値する。
 彼にとって自然は固定的なものではなく、絶えず変転し流動するエネルギーの仮の現れであった。レオナルドが輪郭線を描くことを避けたのは、液体と固体、精神と物質、宇宙と人間など、境目を持たずに連続的に変化し続ける自然のグラデーションに生成の神秘を見て、その神秘をスフマートによって表現しようとしたからではないかと考えられる。
 プラトンは、芸術家は「イデアの粗悪な複製である自然」をさらに模倣するゆえに、イデアを直接観照する哲学者より劣っていると述べた。それに対しレオナルドは画家が科学的探究によってイデアに到達し、そのイデアを芸術として表現することは、イデアによって世界を創造する神の技に似た神聖な行為であると考えた。彼は研究ノートに次のような言葉を書き残している。「画家の科学が神聖であるのは、彼の頭脳が神の頭脳に似たものになるところにある」

画像
左「岩窟の聖母」
1483−1486頃
ルーブル美術館

中「岩窟の聖母」
1495年 - 1508年頃
ナショナル・ギャラリー、ロンドン

右「大洪水」のスケッチ
1517-1518
「人間の精神史から見た美術史」という論考を書きました。以下はその前文です。全文は私のウェブサイトで公開しています。
少しでも興味深いと感じたなら「いいね」やコメントをいただけると励みになります。


人間の精神史から見た美術史

このテキストは、美術教育に関わる方々、とりわけ若い美術教師たちに向けて、美術史を通じた授業の中で、生徒たちと「世界と人生、美術と文化への驚き」を共有するために重要と思われる事柄をまとめたものです。

生徒が美術文化についての理解を深めるためには、まず教師自身が、原始から現代までの人間の大まかな精神史を理解することが重要です。そうした土台を築いた上で、生徒に対して哲学の初歩や「原始美術における抽象の意味」、「なぜ釈迦の死後500年間仏像が存在しなかったのか」といったことについて伝えていく必要があります。美術史の流れに沿って作品を鑑賞することを通して、世界と人間、歴史と文化を深く理解するための「見方、考え方」を学ぶことができます。「世界観」や「人生観」の形成につながる美術の鑑賞は、人生と世界に意味と価値を見いだし、人生をよりよく生きていくための最高の学習になります。美術史との関連で世界と人間について広く学び、時には哲学的に、深く考える必要があります。「世界と人生に対する驚き、感動、深い考えが美術になる」からです。

「美術科の見方・考え方とは、(中略)感性や,想像力を働かせ,対象や題材を,造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすことにあると考えられる。」(中学校学習指導要領解説)

ちなみに各教科の学習指導要領において、国語科の「見方・考え方」は「意味づけること」、技術科の「見方・考え方」は「技術を最適化すること」として位置づけられています。「意味や価値を作り出すこと」は、美術科に与えられた大きな役割であると言えます。
ここで重視するキーワードは、「抽象と写実」、「畏敬の念」「見えるものと見えないものの相互変換」です。「畏敬の念」は、道徳科の重要な項目の一つでもあり、現代社会の諸問題(唯物論に起因するニヒリズムとエゴイズム、自然や人間を単なる搾取の対象とする、心を失った技術万能の世界観)に対する処方箋として最も重要な感情であり概念であると言えます。そして畏敬の念の学習においては、単に「壮大な自然」に目を向けさせるだけでは不十分であり、(天体の規則正しい運行など)「宇宙はあまりにも壮大で秩序立っているので、偶然出来たと考えるのは無理があるのではないか?」といった哲学的な思考を深める必要があります。
このテキストで宗教的な美術が多く取り上げられていることに違和感を感じるかもしれませんが、古今東西の美術の多くは、神、来世などに関わる「宗教美術」であり、宗教的な要素がない美術の方はむしろ少ないと言えます。また「目に見えないアイディアを目に見える色や形で表現する」という美術の本質とも関わることですが、目に見えない世界を、目に見える形で表すさいの様々な工夫が、美術文化の創造的な豊かさとなっています。古代ギリシャ彫刻のように目に見えない神々を人の姿で表す美術もあれば、ケルト美術のように、目に見えない宇宙の力を渦巻き文様で表すこともあります。「目に見えない世界を、どのように表すのか」という問いに対する答えは一つではありません。だからこそ、これほどまでに多様な独自の文化が花開いたのです。
以下に紹介するのは、「目に見えない世界の表現」や「世界と人間、美術と文化についての捉え方(哲学)」、「畏敬の念」に関する学習として特に重要な題材とその解説です。
以下の内容を全て生徒に教えるべきだということではなく、教える側の教師がまず理解した上で、伝える内容を厳選し、教え方を工夫する必要があります。また、教師自身が始めから「正解を教える」のではなく、発問を通じて生徒に気づかせ考えさせるプロセスや「作品の前に立って一緒に驚き、考える」という姿勢(驚きと感動の共有)が大切だと言えます。なお、このテキストでの作品についての解説には、一般的な解釈としては認知されていないものもありますが、一つの「可能な解釈」あるいは参考意見と捉えていただければ幸いです。


「人間の精神史から見た美術史」全文
https://aozorakissa.la.coocan.jp/words18.htm


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