『平成という時代の検証』 1997年●平成九年　その8

多チャンネル時代へ　CS(通信衛星)放送が本格化。先行の「パーフェクTV」は加入世帯が50万を超えました。12月には「ディレクTV」が放送を開始。ソニーとフジテレビが資本参加を決め注目された「JスカイB」は年末に「パーフェクTV」に合併を申し入れ、早々と再編も始まりました。300チャンネル時代が目前。

CM未放送問題　福岡放送と北陸放送で6月、コマーシャルの不正カット(CMの間引き)が発覚しました。同局はCM放送チェックの第三者の目がないことをいいことに、受注オーバー分広告を放送しないで済ませていました。北陸放送の場合、一年間に間引きされたCMは2500本以上に及んだということです。広告で成り立っている民法にとっては自殺行為だと厳しい批判を浴びました。

ナオミヨー　エステのコマーシャルはどこか胡散臭いものですが、ここまでばかばかしいと笑うしかないのがTBCのCMでした。父母の疑問の声を背に、エステに出かける娘。やがて、見事に変身した彼女がふたりの前に現われます。それもそのはず、「なおみ」がナオミ(スーパーモデルのナオミ・キャンベル)に変わったのだから。「声まで変わって！」という父親の驚きの中に、全く別人になれるというエステの効用がユーモアたっぷりに描かれています。黒人に変身した吉川ひなのが「ひなのよ！」と帰宅するミスタードーナツのパロディ版も秀逸。

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