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2019年10月12日07:06

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本を読みましょ:その11

好きな本、その11です
長々と続けてしまったけれど、キリがないので今回で最後にします。

「伝奇集/ホルヘ・ルイス ボルヘス」
本書は短篇集になり、「極上」と思える短編がギッシリと詰まっている。
古今東西の伝説や神話、哲学などを元に、現実と非現実の世界の狭間を描いたような作品が多く、有名な「バベルの図書館」も収められている。
それ以外にも「円環の廃墟」「八岐の園」「刀の形」「死とコンパス」「隠れた奇跡」「結末」「南部」など、どれも本当に面白い。

「初秋/ロバート・B・パーカー」
「スペンサー・シリーズ」と言われているハード・ボイルド・シリーズの1冊。
この「初秋」はポール・ジャコミンという少年の成長期でもあり、主人公の探偵「スペンサー」の父性愛に満ちた作品でもあるので、多分日本で最も愛されている作品だと思う。
本書だけでなく、このシリーズ全般が、気の利いたセリフや胸のすくようなアクションに満ちており、著者の死という不可抗力によるシリーズの終了が本当に残念。

「奪い尽くされ、焼き尽くされ/ウェルズ・タワー」
九編からなる短編集。
正常な軌道から脱線してしまった人生を、なんとか立て直そうとする人々や、知らぬ間にぎくしゃくしてしまった人間関係に戸惑う人々。
ささやかな夢にすがるでもなく、それでも諦めるでもなく彷徨う人々。
そして暴力によってしか生きることの出来ない人々等が、圧倒的なクオリティで描かれている。

「真夜中のギャングたち/バリー ・ユアグロー」
この人の作品も面白い物とつまらない物の差が激しい。
本書はそんな中で僕が最も面白いと感じた短編(超短編)集。
そして本書は柴田元幸監修の「モンキー・ブックス」から生まれたもので、日本のみの出版らしい。
短い話の中に人の悪意、罪悪感、滑稽さ、不条理さが充満しており、奇抜で摩訶不思議な設定や、あまりにも現実的な設定が入り混じって、短い作品が固まりとなって一つの大きな世界感を描いている。

「西瓜糖の日々/リチャード ブローティガン」
古今東西、老若男女問わず、一番好きな作家は? と問われたらこのリチャード・ブローティガンを選ぶ。
藤本和子さんの名訳でも有名であり、また村上春樹が影響を受けた作家の一人、とも言われている。
「西瓜糖の日々」はちょっと切ないファンタジー風味の作品なのだが、いろんなタイプの作品、及び多くの詩集を残した人でもあり、僕にとってはどれも絶品。
残念ながらピストル自殺により、その生涯を閉じた。

When The Book Of Life Is Read/Hank Williams

The Book Of My Life/Sting

Paperback Writer/The Beatles


ということで、長々と失礼しました。
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