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2016年09月24日05:52

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第三次世界大戦とソ連

第二次世界大戦後の世界各国は第三次世界大戦が起るどうかという懸念がありました。ソ連は、第一次世界大戦でロシア革命に成功したその日から、世界革命という最後の目標に向って、常に一貫した前進を続けていました。第二次世界大戦、それから第三次世界大戦へと注意深く確実な手が次ぎ次ぎと打たれていたのです。千変万化のかけ引きはあっても、世界革命という戦略目標には何の変りもないのです。

ソ連は、共産主義世界革命を終局の目標としている以上、やがてアメリカと最後の決戦を交えねばならなくなる事ぐらいは、初めから覚悟してかかっていました。またソ連はこの決意を隠しはしなかった。レーニンが存命中に開いた共産党大会では、共産主義の最後の強敵はアメリカであることをはっきり宣言して、世界の共産主義者の覚悟を促しています。

レーニンは、帝国主義論をあみ出し、少数民族出身のスターリンは、レーニンの忠告にしたがって民族問題を研究しました。第三次世界大戦を意味する共産主義運動が、植民地の解放、反帝国主義闘争の形をとって展開され、レーニンの流れを汲んだスクーリン型の戦法です。世界革命は、レーニンの秘伝通りに帝国主義の最も弱い一環としてのアジアを狙っていたのです。

西欧嫌いのスターリンは、その性格からレーニン以上にアジアに魅力を感じていました。もともと世界革命のやり方については、スターリンとトロッキーが大ゲンカをやりました。亡命生活で西欧かぶれのトロッキーは、後進国のロシアなどあてにしないで、革命の主力としては西欧のプロレタリアに期待をかけ、一挙に典型的な世界革命を達成することを夢見ていました。

暴圧に耐えて国外に逃げ出さなかったスターリンは、性格的に西欧を嫌っていました。彼はトロッキーとは反対に、自国のロシアで革命を起し、これを共産主義の赤い祖国を土台にして、世界に手をのばして行こうと考えたのです。共産革命は、赤い独裁者のスターリン的性格を反映しています。革命は、西欧より東欧において、欧州よりアジアにおいて高め、革命の性格も、西欧的であることよりも東欧的であり、プロレタリア的であることよりも農民的であり、民主的であることよりも専制的であったのです。

第三次世界大戦を、レーニンやスターリンのせいにばかりする訳には行きません。第三次世界大戦の本質は、共産主義と資本主義との正面をきっての決戦です。第二次世界大戦は、この両者の決戦に至る序の口にすぎなかったのです。共産主義は、一国社会主義の建設からいよいよ世界革命の段階にはいり、資本主義は、独占資本の集中から世界支配の本性を強めて行きました。歴史は、この2つの陣営がもうこれ以上の妥協の余地は見出せないというギリギリのところまで、お互いに成長し発展しきったことを冷ややかに示しています。

第三次世界大戦は、この世界支配をめぐっての、赤いクレムリンとドルのウォール街との対立、激化、衝突と、はっきりと公式づけられる戦争です。第三次世界大戦は、避ける事の出来ない歴史的宿命だったのです。不幸にして第三次世界大戦が起きた場合を考えると、第三次世界大戦が、最高度に発達した武器で戦われることは明白です。原子爆弾、水素爆弾、その他あらゆる最新の原子兵器が、忠実に何十万、何百万の人類を大量に虐殺する役目を果すでしょう。

第一次世界大戦は戦争が決して特定の戦場だけで戦われるものではなくなったことを告げたが、第二次世界大戦は、戦争が特定の戦場よりむしろ戦場をはるかに越えた後方で決せられることを「戦略爆撃」をもって示したのです。石原莞爾は、その世界最終戦争の将来にいて、戦争は決戦戦争であり、アッという間に戦いの勝敗が決せられることを予想していました。またアメリカの軍事専門家の間にも、将来戦は36時間戦争であるとの説があります。しかし切迫を伝えられている戦争が、この世界最終戦争の発展段階に達しない以前に起きた場合、その様相はただこれだけにとどまるであろうか。

第三次世界大戦は、戦争そのものの面からだけではなく、この世界決戦が、世界共産主義革命を伴って起されようとしている政治的、思想的特異性を見逃すわけには行かないのです。どんな植民地の山の中にも、共産党の組織は出来上がっています。空に航空兵器による最高文明の武器で、最高の形式による戦争が展開されているとき、地上には、共産と反共のむごたらしい国内戦が、内乱が、反乱が、ゲリラが、市街戦が、棍棒までも手にした原始的な形式において、血みどろに戦われることが想像されるのです。まさに地獄です。もしかすると、これこそ第三次世界大戦の様相となるのではないだろうか。世界中の国と住民とを戦争のルツボの中に叩き込まないではおかない、世界をあげての大戦争となる傾向のあることが危惧されるのです。
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